東北のマンション管理組合が情報交換するブログ。

福島県福島市在住のマンション管理士が書いてます。管理費の節約・修繕積立金の不足・理事会・リプレイス。マンションは快適ですが、未解決の問題も山積みです。文章が長くて申し訳ないです。

マンションで地震に遭遇すると。 

日本は地震とは切っても切れない縁の国ですが、7月にまた大規模な地震が起きてしまいました。管理人のコンドーは以前、大きな地震の時に震源地へ被災建物に関するボランティアに行った事があるのですが、その時感じたことを思い出しましたので久々の更新です。



建物の構造強度の最低基準は建築基準法に定められていますが、いわゆる新耐震(1981年6月)以降に着工した建物は、よほどの大地震でも倒壊しない基準になっています。

先の新潟の地震でも、新耐震基準のマンションは化粧(仕上げ材のタイルや、石膏ボード+クロスのような内装材)のひび割れ等はあったようですが、使用限界・安全限界を超える被害は無かったようです。

しかし、建物の躯体自体は安全の範囲であっても、それがすなわち住んでいる方の安全とは一致しないというのが、私が地震被災地に行った時に感じたことです。というのは、建物は地震の揺れに対して追従できたものの、家具の転倒等によって家の中が滅茶苦茶になってしまった住宅を数多く見たからです。

外から見て「しっかりしているな」と感じた住宅も、内部に入れば重い家具の転倒や割れたガラスの飛散が激しく、お住まいの方がそれによって怪我をされていたり、「その日はたまたま別な部屋で寝ていたので、大きなタンスの下敷きにならずに済んだ」という方も実際いらっしゃいました。

特にマンションは上階で地震の揺れが増幅されます。数年に一度程度遭遇する震度5程度の地震でも、高層階では相当な揺れになり、私の住むマンションでも震度5の地震の時に高層階の方が「パソコンが倒れた」「食器棚から食器が飛び出した」というお話を聞きました。

マンションに限った話ではないですが、住宅の地震対策でもっとも費用対効果が大きいのは、家具の転倒防止なのではないかと思った次第です。

Google
 
Web

検索サイトでも数多くの対策グッズがヒットします。建物の耐震診断や耐震補強ももちろん大事ですが、このような身近な対策も重要だと切に感じているコンドーでした。
[ 2007/07/30 16:48 ] 日常生活で困った! | TB(0) | CM(0)

地上デジタル放送と電波障害の近隣協定 

こんにちは、管理人のコンドーです。今回は割りと皆様の関心も高いと思われます『地上波デジタルとマンションの電波障害対策』について調べたので、記事を書こうと思います。

マンションはその高層性によって、周囲の低層の建物(主に住宅)に対して、電波の受信障害をもたらしてしまうことが度々あります。一般的には高層建物を建築する前に行政から何らかの指導があって、電波障害が予想される場合はその対策(共聴アンテナの設置やケーブルを引く等)をします。さらにディベロッパーが電波障害を受ける近隣住居や行政と結んだ協定が、マンションの区分所有者に重要事項説明に含まれていて、管理規約等の一部として引き継がれていると思います。

ですので結ばれた協定の内容によるのですが、地上波デジタルに移行する事で変わる電波障害に対しても、マンション側での対応が求められるケースが多いと思います。地デジ化による電波障害は『結局のところは個別に症状を見るしかない』という話も聞くのですが、それでは何の参考にもならないので、基本的な情報として進めたいと思います。

一番に気になるのは、マンションが原因となって電波障害が発生している場合に、地上波デジタル化されることで障害の程度が緩和されるか・悪化するかだと思います。それについては電波障害のタイプによって違うようです。というのも電波障害には二種類のタイプがありまして、
 ・遮蔽障害(スノーノイズ)・・・画面のザラつき。マンションの陰に発生する。
 ・反射障害(ゴースト)・・・二重映り。マンションの前方に発生する。
に分類されます。

私の経験では、電波の来る方向の陰に起きる障害である『遮蔽障害』は、マンションの高さにも拠りますが多少離れた位置にも発生する傾向があると思います。以前に関わった高層の建物は、川をはさんだ向こう岸に電波障害を発生させていました。一方の反射障害はマンションのすぐ近くに発生することが多いんじゃないかと感じています。

地デジ化によって、この内の遮蔽障害は緩和されるとは言いきれないと聞きますが、後者の反射障害は幸いなことに解消される模様です。それがどういう原理なのかはgoogleさんで調べていただけるようお願いしたいところですが、もし皆さんのマンションで反射障害の対策をしていたとしてその費用がかからなくなるとしたらとても嬉しいですね。


次に、不幸なことに地デジによってさらなる障害対策を必要とするケースについて話を進めようと思います。

そもそも、なぜマンション側が電波障害の対策と費用負担をしなければならないかと言う話ですが、電波障害の発生原因がマンションであるケースでは、近隣居住者とディベロッパーとが結んだ協定の権利義務を管理組合がその承継しているからという事は先ほど述べたとおりです。(もしディベロッパーが近隣の方々と協定を結んだのにも拘らず、重要事項説明等で区分所有者に承継されていない=区分所有者が善意の第三者である場合は、是非ディベロッパーにケツを持ってもらいたいと思います、常識的に考えて。)

という訳でともかく近隣との協定書の存在、及びその文言の確認が一番最初の作業です。それでは次に、対応が必要であった場合の近隣居住者が地デジ化後も受信するための対策と費用負担について方策を列挙してみます。
   ・アンテナ・混合機・増幅器(ブースター)の設置、配線を敷設する。
維持費は約12年ごとに2〜8万円。

   ・電力柱・NTT柱に共架して近隣へケーブルを配線する。
共架料金として、柱の本数ごとに1,200〜1,800円。
電力柱・NTT柱の移設に伴って改修工事費が1回6〜50万円。
(気の毒なケースでは一年間に10回も移設の費用負担をしたマンションもあるそうです。)

   ・ケーブルテレビを引いてしまう。
すでにケーブルテレビへの加入者が多い場合に有効。
将来的な電波障害対策のコストカットが見込める。
地デジ化によって今までより電波障害が緩和されることも予想されます。しかし先ほどの話を繰り返しますが、既に受信されている首都圏などの地域から聞く所によると、受信してみてその程度を個別に判断するしかないようです。でもそれってマンション側の主観や近隣居住者側の既得権意識が混じるでしょうから、判断は面倒そうです。しかし、近隣の居住者の立場を思えば真摯な対応を心掛けなきゃって思います。


(参考資料)
結構昔の話になりますが、マンションの電波障害に関しての設備の費用の負担については、1976年3月6日の郵政省電波管理局長通達の「高層建築物による受信障害解消についての指導要領」が基本になっていると思います。

(以下本文)
・共同受信施設(電波障害対策設備)の設置の責任及び費用負担の在り方について 共同受信施設の設置については、建築物の建設が受信障害発生の原因であること、受信障害解消についての当事者間解決の事例においては、建築主の責任と負担で解決している場合が大部分であることからみて、受信障害発生の原因である建築物の建築主の責任と負担においてこれを行うことが適当である。なお、設置する共同受信施設は、テレビジョン放送の再送信が可能な範囲で10年程度の耐久年数が見込まれるものとすることが適当である。

・維持管理(更改を含む)責任及び費用負担の在り方について
1) 家屋軒先に設置される保安器の出力端子からテレビジョン受信機までの屋内配線部分 この部分については、通常の場合にも受信者が自ら管理することが予定されており、かつ受信者の家屋内のものであるため、受信者の責任と負担で維持管理を行うことが適当である。
2) 共同受信アンテナから各戸の保安器までの設備及びこれらに附帯する設備 (混合器、分岐器、ブースター等、配線、共架電力(NTT)柱)
この部分については、基本的には受信障害発生の原因となっている建築物の建築主の責任と負担で維持管理を行うことが適当である。 しかし、共同受信施設を設置した場合、受信者は家庭用アンテナの更改費等テレビジョン放送の受信に通常必要とする経費の支出を要しないこととなるため、この経費に相当する額は受信者が負担することが適当である。 なお、建築主の責任において維持管理を行うことが著しく困難又は不適当な事情があり、受信者側において組合を結成するなどして維持管理にあたることとなる場合も考えられるが、この場合においても維持管理の費用の負担についての考え方は前記と同様である。

・その他 (共同受信施設の設置に対する受信者側の協力について) 共同受信施設の設置による受信障害の解消を円滑に推進するためには、共同受信アンテナの設置、ケーブル類の通線、私有地内の電柱設置等についての受信者側の積極的協力も必要である。 (後住者について) 共同受信施設が設置された後、新たに受信障害地域に家屋等を建築した住民(以下「後住者」という)が共同受信施設の利用を希望する場合、有線テレビジョン放送法第16条の規定による役務の提供義務のない場合であっても、共同受信施設の設計者は、後住者に対しこれを利用させることが望ましい。この場合、付加的設備(引込線、保安器、屋内配線等)に要する経費は後住者が負担することが適当である。 (個別アンテナ対策について) 受信障害の程度が比較的軽微である等の理由により、共同受信施設によらず受信アンテナの位置、高さの変更等、いわゆる個別アンテナ対策により受信障害を解消できる場合においても、その対策は受信障害の原因となっている建築物の建築主の責任と負担により行うことが適当である。


すっきりとした結論めいた話ができなくて申し訳ありませんでした。お詫びというアレでも無いのですが、今回の記事を書くに当たって大幅に参照させていただいたサイトをご紹介しますのでご容赦ください。

 ・ボクにもわかる地上デジタル 導入偏-Q&A(ノウハウ)集
 ・ITmedia News:地上デジタル マンション住民に思わぬ出費も
 ・Sankei Web:地上デジタル マンション住民に思わぬ出費も
 ・田邊文夫:BS、CS、地上波デジタル化への対応
 ・マンション 管理組合 NPO集住センター地上デジタル放送問題
 ・おしえて!HOME'Sくん 既存の一戸建てにて全部屋にて地デジ視聴する ...
 ・教えて!goo マンションの電波障害、後住者への対応は?
 ・マンション管理新時代 地デジ化対応はもうお済みですか?


なお、マンションによる電波障害と、地上波デジタル化の関係について詳しく記述されている本があります。以前にご紹介した日経の本なのですが、よろしければその記事もご参照いただけると幸いです。
[ 2007/02/18 23:48 ] 日常生活で困った! | TB(0) | CM(1)

マンションの耐震改修(耐震診断・耐震補強)をシミュレートします。 

大学の研究室では、『鉄筋コンクリート構造物の地震応答性能』で卒論を書きました管理人のコンドーです(本当)。マンションの耐震性能について昨今話題になっているのは改めて私が言うまでもないので、その辺は割愛いたします。今日考えますのは、マンションの耐震改修(耐震診断・耐震補強)を実際に管理組合の方がやろうとすると、どういった流れになるのかという事です。

この耐震診断とかいう話は、例えば建築士の設計事務所に話を持ち込んでも、構造計算を中心にやっている事務所以外では全く話になりません。でも、耐震診断・耐震補強設計というのは大きいお金が動きますので、話を持ち込まれた設計事務所はお客さん(管理組合の役員)を逃さないように「ウチでもできますよ。任せてください。」と言うでしょう。しかし、実際は構造系の設計事務所に下請(協力事務所)に出すでしょうね。

ではさっそく全体像から追ってみましょう。
まず、耐震診断から耐震改修(耐震補強)工事に至るまでのフローです。
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1、耐震診断をします。その結果、補強が不要でしたらメデタシメデタシです。
2、補強が必要な結果が出たら、耐震改修設計(耐震補強計画)をします。
3、改修工事費があまりに高額だったら、建替えと費用対効果を比較します。
4、改修して住み続ける事になったら、いよいよ耐震改修工事の実施です。

それでは続いて、耐震診断〜耐震補強設計〜耐震補強工事までの各段階について大事なことをコメントしていきます。

最初は耐震診断です。ここではまず、耐震診断を契約する前段階で、管理組合の方針について確認しておきたい事があります。
  ・悪い数字が出た場合の資産価値の減少(風評被害)は覚悟してください。
きつい話ですが、実際にある話です。現行の構造基準より低い数字が出れば、中古でそのマンションを買おうとする方は減ります。皮肉な事に、もっと古いけど耐震診断をしていない物件に流れるかもです。
  ・修繕積立金の積立額に合わせた改修は無理です。
これもきつい話ですが、大規模改修の時にも役員さんから出される話です。工法を選ぶ・工種を削るなどしてコストを抑えるのは当然ですが、耐震診断によって出された数字が低いほど耐震補強工事は高額になりますので、耐震診断の前の段階で工事費のお約束はできません。
特に前段について補足ですが、一般に1981年6月以前に着工された建物は現在より緩い構造基準で設計されていますので、耐震性能が現在の水準に達していたらラッキーという位なのです。しかし、私の知っているクライアントでも「(耐震性能で)悪い数字が出ると困るから耐震診断はしない」という方はいらっしゃいます。しかし建物の実態は変わらないわけですから、耐震診断をやると決めたらその結果としての耐震補強まで行うか、諦める保留するか、建替えを検討するかの判断まですることの腹を決めなければなりません。

一気に説明しましたが、この判断の時点ですでに難しいですね。ですので耐震診断は設計事務所に話を持っていく前に管理組合へのガイダンス的な、建築構造の知識がある人のサポートがあると心強いと思います。ほぼ断言できますが、管理業者のフロントさんにこの辺の知識がある方は皆無です。建築の設計事務所さんでも耐震改修の経験がある方は1/3以下なんじゃないかと思いますので。

このようにして、まず手始めに耐震診断を行います。耐震診断は構造が強ければ地元の設計事務所でも充分できます。

耐震診断の費用は、静岡県方式とか人件費の積上げによる方式とか複数ありますが、数式とかが面倒なのでここではその説明は省きます。ご興味のある方はメールください。

続いて耐震補強設計です。耐震診断で残念ながら悪い数字が出た場合です。
これは耐震改修の設計を行い、建物のどこを補強して耐震性能を上げるかの設計です。

この段階でも設計者が管理組合と相談したい事項があります。
それは、
  ・近々、大規模修繕や増築の予定はありますか?
というのも耐震改修工事は大掛かりなものになり、一般的に内外装のリニューアルも一緒に行われます。ですので工事費を無駄なく設計するために、アルミサッシを改修しようと予定していたとか、床下の横引きの配水管まで大改修しなくちゃならん時期だ、というのは設計する側も是非知りたい事項です。
  ・耐震改修の公的な評価を得たいですか?
これが何を意味するかと言うと、耐震診断・耐震補強は自前で勝手にやっても構わないのです。1階のピロティに耐震壁を一枚作るのも立派な耐震補強工事です。そういった任意の耐震診断・耐震補強を行っている建物は、福島県内にもいくつかあると思います。
しかし、公的機関の『お墨付き』をもらう事も可能です。福島県では(社)福島県建築設計協会に耐震診断の判定、耐震改修の評価を依頼します。手数料は診断で10〜20万円、補強計画で10〜30万円位だったと思います。
特に、後段の公的機関による評価を得る事は一度よく検討いただきたいところです。というのも、耐震診断・耐震補強計画を評価されるという事は、学識経験者によるチェックを得られるだけではないメリットがあるからです。

↓公的機関による評定を受けるメリット
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公的機関の評価を得ることで(後述の)特定行政庁の認定を受けられるのですが、その認定を受けると上記の表にあるようなメリットがあります。

ここでおさらいとして、認定を受ける場合の耐震診断と耐震補強計画の手続きの順番は分かりにくいので整理します↓
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・上段の耐震診断を契約してから判定所の交付を受けるまでに早くて半年程度はかかると思います。
・下段の耐震改修の方も、耐震補強計画をして評価書を得るまでに半年、内外装の改修する設計までまとめて認定を受けるのには一年程度かかるんじゃないでしょうか。その間は担当の役員さんは変われないでしょうから大変かもしれません。

続いて、耐震補強工事の契約に移ります。先ほどの耐震補強設計の時に、どこと設計を契約したら良いかという話をしなかったのですが、そこを含めてお話します。

耐震改修設計と耐震補強工事の契約の選択肢は、
  ・設計を設計事務所、施工をゼネコン
耐震補強に関してはあんまりおすすめでは無いです。なぜかというと、耐震補強の技術というのは、ゼネコン各社が競い合っている分野で、技術の進歩が設計事務所の知識より先を行っているからです。さらにゼネコン各社は補強技術で特許を取っていて(例えば飛島建設のトグル制震工法)しかも多数あるので、そのマンションに最適な工法を設計事務所が提案してこない可能性もあります。
  ・ゼネコン主導(設計も施工も同じゼネコン)
意外に良いかもしれないです。それでも設計に入る前にゼネコン各社の提案を受けて評価・比較してから契約するのはもちろんです。ただ注意したいのは、耐震補強は責任施工といって命に関わる大事な工事です。しかも耐震補強以外の工種もたくさんあるので、建築士による第三者監理かコンサルタントを入れるのが大事だと思います。

最後に行政によるサポート(補助金)について簡単にご説明します。国土交通省では耐震診断も耐震補強も補助メニューを作っていまして、マンションも対象になっているようです。しかし各自治体で国交省補助の事業化は進んでないようです。(福島県内でもマンションへの補助はまだのようです。)あとは自治体独自の財源でも補助事業を行っています。(調査中ですが福島県内では無いようです。参照:横浜市)東北には1981年以前のマンションは少ないのでしょうが、、、しかし、こういうのは管理組合が集まって提言や要望をしないと行政は動いてくれないでしょうね。

補助金申請の申請者が管理組合の理事長というのは仕方ないのでしょうが、ただ、想像するに実際のところは輪番で今年だけ理事長になられた方が耐震補強工事の補助金を受ける手続きをされるのは、私が考えてもちょっと気の毒です。相手はお役所ですから、一筋縄では補助金はくれません。敵が納得する資料を揃えないと、書類に受理のハンコすらも押してもらえないことは容易に想像できます。

ここ数年、静岡県・宮城県などで話題になっている木造住宅の耐震診断・耐震補強は、住んでる人が一般の方ですし規模も小さいので補助申請や採択は簡単なようですが、マンションとなると申請書類を作るのにもちょっとした手間がかかりますしね。

少し長くなりましたがこの辺で概略の説明を終わります。もっと詳しく説明せい、という方はコメントかメールいただければ調査いたしますのでよろしくお願いします。
[ 2007/01/28 19:35 ] 日常生活で困った! | TB(0) | CM(6)