東北のマンション管理組合が情報交換するブログ。

福島県福島市在住のマンション管理士が書いてます。管理費の節約・修繕積立金の不足・理事会・リプレイス。マンションは快適ですが、未解決の問題も山積みです。文章が長くて申し訳ないです。

住宅ローンの繰上げ返済について 

管理人のコンドーです。ローンの繰上げ返済について複数のローンを利用している場合は、繰上返済の際に金額を分散させた方がお得な場合があります。以下、返済計画における金利負担の最適化を簡単にシミュレートして見ました。



住宅購入にあたって複数のローンを組み合わせた方や、車のローンや奨学金などの複数のローンをご利用の方は多くいらっしゃいます。その返済計画の中で、「繰上げ返済」を検討される際のポイントです。

下表に例をあげます。金利と期間の異なる500万円のローンを2種類利用しているとします。

繰上げ返済「前」の状況
  残額 金利 期間 返済額/月 総返済額 金利分
loan_A 5,000,000 5% 10年 53,033 6,363,931 1,363,931
loan_B 5,000,000 3% 15年 34,529 6,215,235 1,215,235
合計 10,000,000 87,562 12,579,166 2,579,166

今回、100万円が「繰上げ返済」の予算であるとします。

case_01:Aに100万
case_02:Bに100万
Case_03:Aに71万、Bに29万
の3つの繰上げのケースの試算結果をまとめると

  総返済額 金利分 お得分
返済前 12,579,166 2,579,166
case_01 12,027,111 2,027,111 552,055
case_02 12,092,616 2,092,616 486,550
case_03 12,010,305 2,010,305 568,861

とcase_03のように分散して返済した場合の効果が最大です。

今回は簡便のために、繰上げ返済の手数料等を考慮していませんので、実際は詳細な検討が必要となります。また、月々の返済額を固定する条件での計算結果です。



(計算の詳細)

case_01:Aに100万 の試算
  残額 金利 期間 返済額/月 総返済額 金利分 お得分
loan_A 4,000,000 5% 7.6年 53,033 5,811,876 811,876 552,055
loan_B 5,000,000 3% 15年 34,529 6,215,235 1,215,235 0
合計 9,000,000 87,562 12,027,111 2,027,111 552,055

case_02:Bに100万 の計算
  残額 金利 期間 返済額/月 総返済額 金利分 お得分
loan_A 5,000,000 5% 10年 53,033 6,363,931 1,363,931 0
loan_B 4,000,000 3% 11.4年 34,529 5,728,685 728,685 486,550
合計 9,000,000 87,562 12,092,616 2,092,616 486,550

case_03:Aに71万、Bに29万 の試算
  残額 金利 期間 返済額/月 総返済額 金利分 お得分
loan_A 4,290,000 5% 8.2年 53,033 5,952,865 952,865 411,066
loan_B 4,710,000 3% 13.9年 34,529 6,057,441 1,057,441 157,794
合計 9,000,000 87,562 12,010,305 2,010,305 568,861



(数年前に書いたコンテンツなので、金利などの情報が非常に古く、参考にならないかもしれません。どうかご容赦ください。)

管理組合という名称は区分所有法上には無い 

管理人のコンドーです。ここのところ記事の下書きは続けておりながらも、ブログの更新のペースが落ちていたのですが、先日ふとアクセス数を確認してみたら、以前より格段に増えており、俄然やる気を出しました。皆様ご訪問ありがとうございます。

今回は、区分所有マンションの管理を考える上で不可欠な用語である『管理組合』という単語についてです。なんとこの用語は、巷ではマンション法といわれる区分所有法には記載・定義がありません。

ということで、これはどういうことだと法務省に聞いた方がいました。



(要旨抜粋)
Q.管理組合というのは日ごろの重要性も含めて法文にしっかり位置付けるべきである。
A.条文上書いたものですから、特に名前を付けなくても条文上は問題がないものですから、現行の条文では何の名前も付いていない。



155 - 参 - 国土交通委員会 - 6号
平成14年11月28日

○谷林正昭君 不可能ではないということですね。あとは難しいだけだと、法律的に。しかし、法律的に言ってもできるという判断でございますね。はい、よく分かりました。確認をさせていただきました。

 次に、管理組合、先日もちょっと質問をさせていただいたんですが、区分所有法を読んでいきますと、第三条の法文に区分所有者の団体というのが出てまいります。よくよくそれを読み返していきますと、それは管理組合のことだということが分かります。そして、四十七条には管理組合法人というのが出てまいります。しかし、お話を聞くところによりますと、この法人化された管理組合はほんのわずかしかないというふうな話にも聞いております。そういう意味では、これらの修正をしてくれということになったらちょっと面倒かも分かりませんけれども、私は今度の見直しのときに、次の見直しのときに、あるいは何かの流れの中で、やっぱりこの管理組合というのは日ごろの重要性も含めて法文にしっかり位置付けるべきだ、そういうふうに感じます、思います。そうすることによって、管理組合というのは、あるかないか分からないような状況だとか、理事長が毎年替わるとか、お世話をなかなかだれもやりたがらないとかということではなくて、そのマンションの自治、いわゆるコミュニティーの醸成、そういうようなことも含めて、管理組合をしっかりしたものにするためにも法文上しっかり位置付けるべきだというふうに思いますが、いかがでしょうか。

○政府参考人(房村精一君) 御指摘のように、マンションの維持管理、あるいはそれのみならず、そこの住民のコミュニティーにとっても管理組合というのは極めて重要な役割を果たすということだろうと思います。この存在なくしては適切なマンションの管理というのはできないと思っております。そういうことで法律の方も、管理組合の結成を当事者の任意に任せませんで、法律上当然に区分所有者は管理組合を構成するんだと、こういうことを定めたわけでございます。そういう意味では、法律としては管理組合の重要性を非常に重視するがゆえにもう当然の団体としたわけでございます。

 ただ、そういう具合に条文上書いたものですから、特に名前を付けなくても条文上は問題がないものですから、現行の条文では何の名前も付いていないわけでございます。ただ、それが仮に管理組合ということの重要性を国民の方が理解していく妨げになっているのだとすれば、私どもとしても今後そういった名前を付けるということも考えてまいりたいとは思いますが、現段階では法律的にはこれでも十分でございますので、この管理組合の重要性、特に今回の法改正によりまして今まで以上に重要な権限が与えられておりますので、そういう点を改めてマンションの住民の方々にも理解していただけるように周知の努力をしてまいりたいと、こう考えております。

○谷林正昭君 是非、管理組合の重要性というものを周知をする、できれば法文的にもしっかりしたものにしていただきたいなというふうに要望させていただきます。

マンションの解体、超高層ビルの解体の補足 

(当記事は自ブログ内でのトラックバック・補足記事です。)

以前にマンションの解体についてのQ&Aの記事がありましたが、マンションの解体や超高層ビルの解体についての追加情報を見つけたので2件補足します。



マンションの解体について参考になる記事を見つけました。
http://jp.fujitsu.com/group/fri/report/research/2005/report-239.html

(コンドー注記)
富士通総研(FRI)のレポートです。区分所有マンションの建替え、解体が必ずしも円滑には進まないという懸念は、全く思いを同じくするところです。リンク先にはさらに詳細なPDFがあり、つくば方式、定期借地権付マンション(定借マンション)、スーパートラストマンション等の解説もなされています。

(要旨)
全国のマンションストックはすでに500万戸近くに達しているが、今後はこれらの老朽化が急速に進展していく。老朽マンションの処理については、これまでは建て替えを円滑に進める方向で、政策措置がとられてきた。しかし、容積率を割り増した上、保留床に分譲することによって費用を賄う方法で建て替え可能なマンションは限られている。

今後、建て替えができずスラム化する可能性があるマンションは潜在的に多数あると考えられる。このようなマンションについては、区分所有権を解消し、建物を解体して土地を売却する処理方法が現実的となる。解体費用さえ賄えないマンションも続出する可能性があるが、区分所有権解消の枠組み作りに加え、解体費用の公的支援が必要になる。

このような問題が発生するに至ったのは、そもそも共同住宅を区分所有という形態で保有させるという仕組みに原因があったと考えられる。マンションを区分所有権の分譲で持たせる仕組みは、不動産価格上昇が持続する中、一戸建ての取得がかなわない層にも、持ち家保有のメリットを享受させる仕組みとして機能してきた。しかし現在は、将来の値上がり益は見込めない上、建て替えもままならず、マンションの資産価値は失われている。

もはやマンションを区分所有することのメリットは失われており、それどころか現在では、区分所有権がマンション終末期の処理で足かせになるという弊害が現われている。今後は、分譲マンションに代わる、所有より利用を重視した共同住宅の新たな供給システムを普及させる必要がある。定借マンションや、証券化を活用した賃貸マンションの供給などが考えられるが、今後はこうした仕組みを政策支援していくべきである。



超高層マンションの解体シミュレーションがあった!
http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/mansion/20070912/511291/

(コンドー注記)
将来的には確実に解体が見込まれる定期借地権付マンションのみならず、仙台・郡山・福島でも見られるようになった超高層マンション、一般のマンションでも大いに参考になる記事です。

(要旨)
・ 鉄筋コンクリート(RC)造のタワーマンションは、工場でつくったプレキャストコンクリート製の柱と梁と壁を現場で組み立てて部材を完全に接合するので、解体するときはワイヤーにダイヤモンドを付けた「ワイヤーソーマシーン」などを使って細かく切断し、その切れ端をクレーンでひとつずつ吊り下ろす。

・ シミュレーションの結果、30階建てのタワーマンションの場合、解体には杭処理を除いて18カ月かかる。同じ建物を新築する場合は26カ月かかる計算なので、解体にはその7割に相当する時間がかかることになる

・ 敷地に余裕のある郊外の5階建て・延べ床面積2000m2、24戸のマンションを解体するケースでは、調査と計画に約1カ月、解体工事に約2カ月、合計で約3カ月かかり、解体工事費は延べ床面積当たりの坪単価で5万円程度、新築工事とセットで行う場合は4万円程度になる。つまり、解体単独であれば工事費は3000万円になる

・ 上記と同規模ながら敷地に余裕が無い場合は、屋上から地上に向かって順番に取り壊す。工期は1カ月以上延び、工費は坪単価で5万〜9万円程度(新築工事とセットの場合は4万〜7万円程度)になる

・ この数字をそのまま超高層マンションに当てはめた場合は、40階建て・延べ床面積5万m2、300戸クラスのタワーマンションでは、おおむね解体に約24〜26カ月、解体工事費は新築とセットにした場合で6億〜11億円程度かかると推測できる。

(コンドー追記)
ここまででも非常に参考になる記事ですが、この記事の続きでは解体のみならず、超高層マンションにおける建替えについても触れています。

(再び要旨)
・ 場合懸念されるのが工期の延び方であり、新築と合わせると建物の解体から完成まで、工事だけで約59〜64カ月、5〜6年近くかかる計算になる。

・ 建替え決議が成立して建て替え組合に移行し、権利変換の処理がスムーズに進んだとしても、全員が退去して建物の解体に取りかかってから同規模の新しい建物が完成するまでに、5年以上の時間がかかり、その間の仮住居の費用だけでも、おそらく相当な額に上る。

・ 超高層マンションの建て替えは、現状の区分所有法や建替え円滑化法、市街地再開発の手法の延長上ではかなり無理があるように感じられ、解体を前提にするよりも、その諸機能をスムーズに更新してできるだけ延命させる方法を考えるほうが、はるかに現実的ではないか。

・ 超高層マンションはこうした面でも、いままでのマンション建設やマンション管理の常識・経験が全く通用しない、新しいタイプの建物なのかもしれない。