東北のマンション管理組合が情報交換するブログ。

福島県福島市在住のマンション管理士が書いてます。管理費の節約・修繕積立金の不足・理事会・リプレイス。マンションは快適ですが、未解決の問題も山積みです。文章が長くて申し訳ないです。

管理業務委託のモニタリング(公募プロポーザル・長期委託の続き) 

前回、マンションの管理業務を長期委託契約にすることでコストダウンが図れるのではないかという記事を書きました。そこでの懸念事項として、複数年契約の事業中に管理業務の質が落ちたり、契約内容が履行されないという『契約不履行の可能性』を挙げました。その解決策を考えています。


長期で契約しているために契約不履行が起こっても解約が難しい、となっては本来のリーズナブルに業務をしてもらう目的が達成されません。そこで必要なのが事業中のモニタリングです。先日参照したPFIという手法の中でも事業のモニタリングは重要な仕組みとして採用されています。

モニタリングで意図することは、契約内容のサービスがキープされているかを定期的に確認することです。具体的には、
・管理会社が契約内容のチェックシートに記入したものを提出する。
・一方で管理組合側からもチェックシートを提出する。
・双方にギャップが無いかを確認する。
これを理事会において3ヶ月に1回程度実施してはどうかと考えました。そこで、管理組合側からのチェックシートには管理組合の皆さんやマンションに住む方々からの意見の反映が大事でので、コメントを随時受けられる「ご意見箱」のようなものの設置も検討できないでしょうか。

さらに長期契約するリスクを低減する仕組みとして考えたことがあります。
・支払いは、年・又は月の割賦として、金銭的リスクを抑える。
・サービス低下時の支払いの減額措置、契約解除に関する条項を定める。
これらを併せて行うと、管理組合・管理会社ともに安心して長期契約の管理事業を実施できるのではないでしょうか。
[ 2007/03/23 09:13 ] 管理方式について | TB(0) | CM(0)

マンションの管理委託契約で公募プロポーザル方式を考えました。 

こんにちは。管理人のコンドーです。今回は数ヶ月あたためていたネタを披露いたします。複数年契約を前提に管理会社への委託費の低減を図る、というものです。

長期間の契約にする換わりに金額を抑えるというのは一般的な構図で、今までもマンションの管理組合の中で採用されていると思います。この考えの基本は、
 ・契約期間を複数年にして、契約金額を高額にまとめる
 ・高額にまとめることで受託希望者を増やし、競争効果を高める
です。

今回、ここに付け加える仕組みとして考えたのが、入札による『価格評価』と事業提案書による『事業評価』で総合評価することです。これは、公共事業におけるPFI(又はPPP)の契約の仕組みを参考にしています。

このPFIの説明は省きますが、PFIの契約方法には大きく『総合評価一般競争入札方式』と『公募型プロポーザル方式』があり、今回大きく参考しているのは公募型プロポーザル方式』です。2つの方式の比較は下記サイトが分かりやすいです。詳しくお知りになりたい方は是非どうぞ。
 ・岡山市PFI活用指針のP.23辺り
 ・宮城県PFI活用指針のP.24辺り


それでは具体的な手続きを順を追って説明します。
1.募集要項の作成
応札条件のたたき台として、管理組合が管理会社に求める要求水準や契約書案、契約金額の上限を概算で提示します。
2.質疑応答
参加希望の事業者が募集要項に対して「募集要項の○条は具体的に何を指すのか?」「(安く提案するために)こうしてもいいか?」といった質問・提案を行います。管理組合は質問への回答、及び提案を採用するかしないかを判断し、より自分たちの希望に沿った募集要項にすることができます。大規模な事業(大規模改修工事など)ではこの作業を2回行うことも検討します。
3.公募
『2』によって詰められた最終的な募集要項により公募を行います。
4.入札及び事業提案
事業者は募集要項で示された概算の上限金額より安い金額で応札するのが条件です。さらに募集要項に上乗せした独自の提案を加えて事業提案書を作成すします。
5.事業者ヒアリング
事業提案書の内容の説明を事業者から受けます。提案内容に疑問点があった場合の質疑応答もあわせて行います。
6.優先交渉権者・次順位優先交渉権者を選定する
『4』『5』の結果から入札価格・事業提案書の評価を行い、順位付けを行います。
7.契約条件の詰め
『6』で選ばれた優先交渉権者(1位)と契約条件の詰めを行います。ここでは入札の公平性を確保するために募集要項、契約書案の骨子、事業提案書の骨子の変更は行いません。条文の文言レベルや支払い日の設定といった修正程度のすり合わせを行います。入札条件が厳しくなるネゴシエーション(値下げ交渉・業務の付加)を行うことも稀にあるようです。
8.契約、事業の開始
以上で完了します。お疲れさまでした。

この契約方法を取ることの事業者側のメリットとしては、
 ・複数年にわたる経常的な売上げを確保できる。
 ・公平な競争と、自社独自の強みを発揮できる。
ということが挙げられます。

マンション管理組合側のメリットとしては、
 ・大きな金額にすることで、入札の競争性・各社の工夫を見込む
 ・管理業務委託費の価格比較のみならず、業務内容も併せて比較検討できる
 ・コストダウンの方策の提案を事業者から受けることができる
ということがあります。

この公募プロポーザルによる事業者選定は、事業者が熱意を持って参加してくれることが最も重要な要素です。ですので、管理組合側の誠意が伝わるように公募に参加してくれた事業者の上位数社に、数万円の気持ち程度でも参加費用を負担するのは効果的と思います。


ただ、この方法で心配なことは二つあります。一つはこの契約を執り行う『手間』です。二つ目は、複数年契約したが契約期間の途中で管理会社の業務の質が落ちたり、契約書の内容が履行されないという『契約不履行の可能性』という問題です。

前者の『手間』の心配は管理組合側にコンサルタントのような方が入れば解決するのですが、後者の『不履行の可能性』はやっかいで困ります。それに対する仕掛けとしてマンションの管理組合側での準備についても考えております。次回はその事業中のモニタリングを取り上げようと思います。
[ 2007/03/14 23:41 ] 管理方式について | TB(0) | CM(1)

管理会社の評価方法・選定基準についての考察 

こんにちは。管理人のコンドーです。今日はちょっとおこがましい感じもしますが、マンションの管理業務を受託されています管理会社さんの評価についてのお話です。

自分のマンションの管理会社さんが、客観的にどれくらいの水準なのかって判断しがたいだろうと思います。しかし、それを何らかの手法で比較したり数値化しないと、自分達の満足度が高いのか低いのかも相対的に分かりませんし、管理業務の契約先の変更(リプレイス)を検討する際も取っ掛かりの比較軸がなくて困ってしまう、と考えていたところで下記の記事を読みました。これをこのまま採用するかは別問題としても、とても参考になる内容だと思います。

マンション管理センター通信 第254号(2007年02月) P.4 から趣旨が変わらない程度に簡略化して抜粋しました。有限責任中間法人 首都圏マンション管理士会さんの作成による評価基準との事です。
コレを使用して(あくまで例えですが)『Aが10点、Bが5点、Cが0点』とか配点をして、「満点が150点だから100点以上だと合格!」みたいな使い方もできると思います。

では早速、、、
   01.基幹事務の受託実績 (A:5年以上ある、C:5年未満である)
マンションの管理業務の実績は、会社の信用および能力の基本的なポイントである。

   02.管理戸数(A:5万戸以上、B:1万戸以上、C:1万戸未満)
管理戸数の多少は、人材の確保や経営基盤の安定、会社のバックアップ体制などに反映される。

   03.建築士・施管士等の一人当たりの組合数(A:15未満、B:20未満、C:20以上)
建物・設備の修繕対応や長期修繕計画の作成・見直しについてこれらの人材の活用が反映される。

   04.管理業務主任者一人当たりの組合数(A:7未満、B:10未満、C:10以上)
管理組合の運営の補助等について、管理業務主任者の一人当たりの組合数が少ないほど、きめ細かい対応が期待される。

   05.事務所(支店・営業所)が30キロ圏内に存在(A:ある、C:ない)
事務所が遠隔地にあると、日常の管理業務が手薄になる。

   06.休日・夜間における緊急対応窓口が整備されているか(警備会社を除く)(A:ある、C:ない)
災害・トラブル等の派生時における緊急対応が迅速にできるかどうか、居住者の不安解消の決め手である。

   07.基幹事務(3つ)の受託の内容(A:3つとも直接受託、B:1つは再委託、C:2つは再委託)
管理会社の事務処理能力の最も重要なチェックポイントである。

   08.管理業務委託契約書の内容(A:標準委託契約書に準拠、C:準拠していない)
管理会社の管理業務に対する基本的な姿勢が問われるものである。

   09.管理会社の過去3年間の決算(A:3年黒字、B:1〜2年黒字、C:3年赤字)
管理会社の倒産による管理組合のリスクを避けるための必要なチェック項目である。

   10.会計報告書の管理組合への提出サイクル(A:毎月、B:2〜3ヶ月ごと、C:3ヶ月以上)
会計報告書の提出が遅いと、管理費等の未納対策にも遅れを取る子なる。また、管理会社が収納禁を一部流用している可能性がある。(社)高層住宅管理業協会では、会員会社に対し毎月の報告を指導している。

   11.管理費等の3ヶ月以上の未収戸率(A:2.0%未満、B:4.0%未満、C:4.0%以上)
管理費等の未納率には、管理会社の日頃の督促事務の対応が反映される場合が多い。

   12.理事会・総会の運営補助が適切になされているか(A:ある、C:ない)
理事会や総会の議題選出や議事録の作成などへの積極的な協力、新任の役員に対する助言などが組合運営にとって重要である。

   13.管理組合・居住者からの意見・苦情の情報の共有化(A:ある、C:ない)
他のマンションでのトラブル発生原因や対応策は、自分が担当しているマンションについても参考になる情報である。社内のホームページ等で情報公開されていることが重要である。

   14.最低年一回、満足度調査の実施(A:ある、C:ない)
受託左記の管理組合の評価を委託業務の改善に反映する努力をしているかどうかの、チェックポイントの一つである。

   15.(社)高層住宅管理業協会への加入(A:ある、C:ない)
協会の加入には資格審査があり、また保証機構の保証も受けられる。ちなみに現在の加入会社は約500社である。


結構、詳しい項目の設定だと思います。とても面白く読ませていただきました。そして、私も自分のマンションの管理会社さんがA・B・Cのどこに当たるのか分からない項目がありました。「御社は直近の三期で赤字は何期ありますか?」みたいな担当者さんに聞くのもためらわれるような設問もありますし。

この貴重な記事を引用するだけで充分かとも思うのですが、私自身ならこの項目に対してどこを重視するかという感想を述べますと、、、

   01.基幹事務の受託実績 (A:5年以上ある、C:5年未満である)
これは、長くやってるからどう、とかいう事じゃなくて技術の蓄積という観点から重視されるのかなと思います。

   02.管理戸数(A:5万戸以上、B:1万戸以上、C:1万戸未満)
マンションの管理業って、地元の不動産会社のような小さい会社でも良質なサービスを提供しているところはあると思うので、この項目は配点を抑えたい印象を持ちました。何となく自分の理想では、地方都市の地元密着の管理会社かいいなっていうのがあるので偏見かもしれません。管理会社の大手さんで、常に評価が素晴らしいってところを知らないからかもしれないです。

   03.建築士・施管士等の一人当たりの組合数(A:15未満、B:20未満、C:20以上)
これは大事だと思います。激しく同意をするのですが、実際に管理会社さんに建築士さんや建築施工管理技士さんっているのでしょうか?よく分かりませんけど本社にしかいなそうな想像をしてしまいます。それでどうやって長期修繕計画を作ったり、小修繕の見積りを指示したりしてるのかとも思いますから、ある程度は抱えていらっしゃるのかもしれません。全然いなかったりして。

   04.管理業務主任者一人当たりの組合数(A:7未満、B:10未満、C:10以上)
法的には管理業務主任者一人当たりの管理組合数の上限は30なのですが、それじゃ多すぎるということなのでしょうね。私のマンションでも、最初の頃は管理業務主任者の方とお二人で恐らく管理業務主任者じゃないと思われる方がいらしてたのですが、最近は管理業務主任者さんが欠席気味でその方がお一人で来てるようです。しかし残念ながら基本的なマンション管理の知識も怪しいんで困ります。とても気さくで人が良い方なのですが。

   05.事務所(支店・営業所)が30キロ圏内に存在(A:ある、C:ない)
   06.休日・夜間における緊急対応窓口が整備されているか(警備会社を除く)(A:ある、C:ない)
これら二つの項目は内容が近いものでして、全くおっしゃる通りでしょうね。マンションの居住に関する漠然とした不安って、管理会社が距離的に近いことで心理的にもサポートされると思います。トラブルで急遽お越しいただかなくてはならない時も、隣県から100kmとかだったら来てもらえないような事もあると思います。

   07.基幹事務(3つ)の受託の内容(A:3つとも直接受託、B:1つは再委託、C:2つは再委託)
この項目は僕は重視していないです。仕事も価格もリーズナブルできっちりやってくだされば再委託は問題ないと思うのですが、甘い意見かもしれないです。

   08.管理業務委託契約書の内容(A:標準委託契約書に準拠、C:準拠していない)
これは管理会社の『管理業務に対する認識』を計るのに良いチェックポイントでしょう。世の中が「こういう方向にフェアにやっていこうよ」という時に旧体前の契約書をお使いになっていたらちょっと首を傾げます。

   09.管理会社の過去3年間の決算(A:3年黒字、B:1〜2年黒字、C:3年赤字)
管理費等の保全という意味から重視されるのでしょう。会社が損するほど管理組合にメリットがあるからOK、という訳では無いのでしょうね。

   10.会計報告書の管理組合への提出サイクル(A:毎月、B:2〜3ヶ月ごと、C:3ヶ月以上)
『(社)高層住宅管理業協会では、会員会社に対し毎月の報告を指導している。』これは初めて知りました。確かに3ヶ月目に来た報告書で、すでに三ヶ月目の滞納があったらがっかりですね。しかも管理業務委託契約書で「管理費の滞納への督促は三ヶ月を限度とする」なんてなってたら超脱力します。

   11.管理費等の3ヶ月以上の未収戸率(A:2.0%未満、B:4.0%未満、C:4.0%以上)
これはとても大事な評価項目だと思うのですが、こういうデータって聞けば教えていただけるのでしょうか?さらに正確もしくは正直に教えていただけるのか、そこが不安ですが今度思い切って聞いてみます。

   12.理事会・総会の運営補助が適切になされているか(A:ある、C:ない)
残念なことですが基本的な項目なのに、これが適切にされていないケースが多いのでしょう。しかしこの評価は主観的にならざるを得ないのが難しいところです。

   13.管理組合・居住者からの意見・苦情の情報の共有化(A:ある、C:ない)
『社内のホームページ等で情報公開されていることが重要である。』コメント内の言葉でして誤植なのかもしれないですが、『ホームページで公開』はプライバシーの保護的にどうなんでしょう、されると困るかも。社内ネットワークでの情報共有と蓄積、という事を指していらっしゃるなら賛同するところです。

   14.最低年一回、満足度調査の実施(A:ある、C:ない)
良い項目だと思います。こんな素敵なアンケートをやってらっしゃる管理会社さんって実在するのですか?もしあったら教えていただきたいです。とても羨ましい話です。

   15.(社)高層住宅管理業協会への加入(A:ある、C:ない)
『保証機構の保証』の財政基盤はいづれお話したいと思っていますので割愛しますが、私はそんなに重視しない項目です。あくまでも『仕事きっちり』であれば所属団体とかは気にしない性格なんです。

長々と失礼しました。評価項目の批評をしたかったわけではなく、評価軸に対する自分の考えを述べたかったのです。その辺の趣旨を汲み取っていただけるとありがたいです。
[ 2007/02/21 23:56 ] 管理方式について | TB(4) | CM(0)