東北のマンション管理組合が情報交換するブログ。

福島県福島市在住のマンション管理士が書いてます。管理費の節約・修繕積立金の不足・理事会・リプレイス。マンションは快適ですが、未解決の問題も山積みです。文章が長くて申し訳ないです。

地域居住論の講演を読みました。 

私が紹介するまでもないことなのですが、私の住んでいます福島市には福島大学があります。その福島大学には理学・工学・社会科学を融合した『共生の科学・技術』に根ざした『共生システム理工学類』があります。

その学問とは、私の興味のある「マンションやら建築の問題を理系的に、文系的に、社会学的に総合的に解いていきたい」という話も含まれるんだと思います。、、、現役の時は同級生の大半が院に行ったのに興味がなくて院試を受けすらもしませんでしたが、この歳になって大学院に行ってみたいと思ってしまった管理人のコンドーです。

その福島大学の中でも『環境システムマネジメント』というところに、かなりストライクの先生がいらっしゃいまして『生活環境論・地域計画概論・地域計画論』を展開していらっしゃいます。私がブログで取り上げるのも本当におこがましいとは思うのですが、リンクのURLを貼りますのでご興味を持たれた方は是非そちらを。

 ・今回のご本尊、鈴木教授のご紹介のページ
 ・環境システムマネジメント専攻HP
 ・福島大学HP

とは言ってもURLを貼っただけでは私も芸がないので、ネット上で見つけて感銘を受けた(多分レアだと思う)先生のご講演の内容をご紹介いたします。2003年の『住宅政策における公共性の再構築をめざして』(リンク先 http://www.jichikyo.com/2003toitukodo/gakushukai.htm)という題のもので、開催の趣旨は分からないのですがどうやら公団住宅関連の団体が主催のようです。

ちなみにこの講演が有った2003年から現在(2007年)までは首都圏の景気も堅調に推移しまして、特に不動産関連の世情は大きく変わった感もあります。しかし、地方の実態はこの講演の内容が古びる気配もありません。と言いますか政策レベル・住民レベルの両面から指摘の内容は益々顕在化してきているのじゃないかと思います。今後もこの傾向が続くのだろうと思います。

前置きが長くなりました。それでは全文の抜粋では余りにもアレなので、中でもマンションについてコメントされている中盤をご紹介します。

◆ニュータウンの衰退とマンションの老朽化

 (・・・前略)4番目にマンションの問題、一般的にいうと集合住宅ですが、きわめて老朽化してきています。建て替えあるいは修繕は大きな問題で、みなさんの住んでいる団地でも抱えている問題だと思います。

 それと同時に大都市近郊のニュータウンはたいへんな状況になっています。大都市だけではなく30・40年代に福島など全国の主要都市にニュータウンを作りました。大都市ですとニュータウンを作ると鉄道などの交通機関を充実させますが、地方では公共輸送機関が全くない山の中に作りました。したがって車がないと生活ができません。当時30・40歳代の方が今は70・80歳代になっているわけで、医療機関がないショピングセンターがない「離れ小島」になっているのです。

 これが日本のニュータウンです。イギリスで100人が住むニュータウンを作る場合にはその70%の人がそこで職場を得られる。職場をきちんと確保するというのがニュータウンです。文字通り職場と住居がワンセットになっているからタウンです。日本の場合は職場がずっと離れたところにあるのでベッドタウンです。ニュータウンと呼んではいけないのです。ベッドしかないというのが現実の姿です。

 これがニュータウンを作る時の外国と日本の違いです。年代層の変化によって本当におかしな姿になっている、というのが今のニュータウンの姿です。これをどうするか、欧米の知識をそのままというわけにはいきませんが援用してくると、働き場所がある、いろんな年齢層がそこに住めるように工夫をする、公共輸送機関を充実させる、こういうことが基本的な問題として提起されている。今の都市計画の分野ではこういう議論が出てきています。

 分譲マンションの老朽化の問題、集合住宅の中で1戸ごとに所有権が違う、これはきわめて日本的な発明です。集合住宅で所有権が違うのは、商品として展開するためにあみ出した区分所有法という法律の下に成り立つものです。

 イギリスには「区分所有」という考え方がまったくありませんでした。集合住宅というのは基本的に家主さんがいて、これから借りるという賃貸住宅が原則だったのです。管理や居住者の一体感が生まれます。

 今、老朽化した分譲集合住宅の建て替えをする時に合意形成がうまくいかない。当たり前です、収入の水準がまったく違うのですから、ある人は早く建て替えたくてもある人は年金生活だったりする。建て替えといってもそんなお金はありませんとなります。これを強行突破するための法律整備が、実は区分所有法の改正として行われているのです。居住者が自発的に合意をして建て替えをするのではなくて、そこにマンション業者が入り込み業者の発言権を強くし、建て替えるようにしようという法律に徐々に変わってきています。これが今の日本全体の流れと合致しているわけです。居住権だとかの保証ではない。

 念のため申し上げますが、集合住宅は基本的に賃貸住宅であるべきだと思います。これは集合住宅の特性にマッチした住宅のありかただろうと思っています。その時に管理者と居住者の問題は絶えず起きてくる。これは集合住宅のもっている必然性です。

 イギリスの経験では、管理における住民参加というのが歴史的に築かれていて、管理そのものに居住者が参加をしていくというようなことが、かなり明確に打ち出されています。その中に地域社会をきちんと守っていく建築家運動があって、集合住宅の維持管理をするために近隣に住んでいる。建築家が集合住宅の管理や住民参加を、お手伝いをする建築家グループがたくさんいます。

 これは日本でも考えた方がいいと思いますが、団地ごとの管理をする時に第三者、大学の先生が多いのですが、友人が集合住宅の管理委員会のメンバーになっています。住民代表はもちろん、管理者、それに第三者、多くは住宅問題を専門にしている学者、弁護士たちがメンバーになって、この団地の管理をどうすべきかということで委員会を作っています。そこの年次報告書を見ますと、かなり激しい議論をしながらその団地の管理をどうすべきか話し合っています。こういうことも管理をする上では重要なことです。

ここに挙げました以外の内容もとても面白く読ませていただきましたが、上記の内容を中心に私の解釈を述べたいと思います。

集合住宅の中で1戸ごとに所有権が違う、これはきわめて日本的な発明です。(中略)イギリスには「区分所有」という考え方がまったくありませんでした。

私の知る範囲ですと、アメリカには区分所有法が存在していて、制度は州によって多少違うみたいだけど日本の先行例になっていると聞いていました。同様に欧州にも普通に区分所有法があるのだろうと思っていたのですが、イギリスには区分所有が無かったというのが意外でした。これを機会に諸外国の区分所有法の存在を調べてみようと思いました。

ここで興味深かったのが、「集合住宅には基本的に家主さんがいるという賃貸住宅が原則」という考え方です。私が最近感じていたことなのですが、日本のマンションは「所有型」であることより「賃貸型」であることをより求められているのではないか、という思いがあります。もちろん「分譲マンションは賃貸なのか持ち家なのか?」と問われれば持ち家の範疇に入ると思います。しかし、所有して住まれている方々もマンションを所有物として積極的に管理していくモノと考えるよりは、管理会社を大家さんのようにみなして住まう方が多いと思います。先に報道がありました『管理会社への一括管理委託』というのは、管理の主導権までも委託しようという意味でその最たるものだと思います。

さらに面白いのは、イギリスでは賃貸住宅が原則だったのに「管理や居住者の一体感が生まれます。」というところです。日本的に考えると賃貸住宅では管理や居住者の一体感は生まれないと思うのです。日本では管理側は提供者であり資本側であり、居住者は消費者で受益側という一方的な関係に落ち着きそうです。

今、老朽化した分譲集合住宅の建て替えをする時に合意形成がうまくいかない。当たり前です、収入の水準がまったく違うのですから(中略)。これを強行突破するための法律整備が、実は区分所有法の改正として行われているのです。

政府側からは決して聞けない内容です。ここでは論点を分かりやすく『建替え』に焦点を当てていますが、これは日常の管理や保存行為であっても合意形成がうまくいかないというのは皆さんのご存知の通りです。それはここで指摘があるように「収入の水準が違うから」というのももちろんありますし、「長く住みたい」「数年で転売したい」という考えが違う方同士でもスタンスが異なります。例えば世代交代してマンションを相続した時にも「自分で住みたい」「賃貸に出して利回りを得たい」「転売したい」と立場が異なれば、共用部分の維持管理にかけるお金についての基本的な考えは当然に一致しないでしょう。

それを法である程度ばっさりやれるように整備した。それが区分所有法である、と。なるほどです。繰り返しになりますが先ほどの『一括管理委託』の報道で私はある違和感を感じました。それは区分所有法の改正を繰り返して、所有者間の自治を可能に整備してきた思想ってなんだったのかなって事です。そこまでしながら一方で一括管理委託を規定するのは矛盾していると感じたのです。もしかするとここで言われるように、区分所有法の整備は『入り込みの業者の発言権を強く』するものという思想で一貫されていたのかもしれない。それなら先の報道も悲しいけど納得がいきます。

団地ごとの管理をする時に第三者(中略)が集合住宅の管理委員会のメンバーになっています。住民代表はもちろん、管理者、それに第三者、多くは住宅問題を専門にしている学者、弁護士たちがメンバーになって、この団地の管理をどうすべきかということで委員会を作っています。

・・・どうやらこの辺で『住民意識の差』というものに気付きました。先に挙げました「居住者側が同じ立場の者で一体感を持って住民参加する」というのもここに由来しているのだと思い至りました。そして、有識者が居住環境というものに積極的にコミットメント(かかわり合い)していこうという姿勢、住民同士の責任感のある行動に成熟した社会の力を感じます。今の日本ですぐにこの姿勢をみんなで身に付けようというのは土台無理な話ですが、だからといって諦める訳にもいきません。というのも日本では区分所有がばっちり普及していて、きっと理解が一致しないと予想される『建替え』も『共有部分の維持管理』も我々区分所有者の手に既に預けられているのです。それはもう既に逃げられない現実なのです。

私が心配していることは、近い将来、多くのマンションで管理組合の財政が破綻したり、破綻までしなくても区分所有者が「結局高い買い物だったな・・・」と肩を落としたり、そういうのが続出しちゃう事です。そうならない一番の対策は区分所有法の知識とか建物や設備の知識より、何よりも区分所有していること、集合住宅に住んでいることに積極的にコミットメントしていくことだと思います。それさえあればどんな問題も解決に向かうと思います。逆説的にはそれがないとどんな問題も解決しないと思います。。。


、、、といった所ですが、引用した部分以外の文章も、細切れになって仕方なくなっちゃう地方都市の不動産の相続は法人でやってみたら?みたいな内容(資産継承の限界のところ)とか、もう一本記事を書きたくなるくらい面白いので是非ご一読されてはいかがでしょうか。 
[ 2007/02/25 21:15 ] リンク集・参照URL | TB(0) | CM(0)

管理会社の評価方法・選定基準についての考察 

こんにちは。管理人のコンドーです。今日はちょっとおこがましい感じもしますが、マンションの管理業務を受託されています管理会社さんの評価についてのお話です。

自分のマンションの管理会社さんが、客観的にどれくらいの水準なのかって判断しがたいだろうと思います。しかし、それを何らかの手法で比較したり数値化しないと、自分達の満足度が高いのか低いのかも相対的に分かりませんし、管理業務の契約先の変更(リプレイス)を検討する際も取っ掛かりの比較軸がなくて困ってしまう、と考えていたところで下記の記事を読みました。これをこのまま採用するかは別問題としても、とても参考になる内容だと思います。

マンション管理センター通信 第254号(2007年02月) P.4 から趣旨が変わらない程度に簡略化して抜粋しました。有限責任中間法人 首都圏マンション管理士会さんの作成による評価基準との事です。
コレを使用して(あくまで例えですが)『Aが10点、Bが5点、Cが0点』とか配点をして、「満点が150点だから100点以上だと合格!」みたいな使い方もできると思います。

では早速、、、
   01.基幹事務の受託実績 (A:5年以上ある、C:5年未満である)
マンションの管理業務の実績は、会社の信用および能力の基本的なポイントである。

   02.管理戸数(A:5万戸以上、B:1万戸以上、C:1万戸未満)
管理戸数の多少は、人材の確保や経営基盤の安定、会社のバックアップ体制などに反映される。

   03.建築士・施管士等の一人当たりの組合数(A:15未満、B:20未満、C:20以上)
建物・設備の修繕対応や長期修繕計画の作成・見直しについてこれらの人材の活用が反映される。

   04.管理業務主任者一人当たりの組合数(A:7未満、B:10未満、C:10以上)
管理組合の運営の補助等について、管理業務主任者の一人当たりの組合数が少ないほど、きめ細かい対応が期待される。

   05.事務所(支店・営業所)が30キロ圏内に存在(A:ある、C:ない)
事務所が遠隔地にあると、日常の管理業務が手薄になる。

   06.休日・夜間における緊急対応窓口が整備されているか(警備会社を除く)(A:ある、C:ない)
災害・トラブル等の派生時における緊急対応が迅速にできるかどうか、居住者の不安解消の決め手である。

   07.基幹事務(3つ)の受託の内容(A:3つとも直接受託、B:1つは再委託、C:2つは再委託)
管理会社の事務処理能力の最も重要なチェックポイントである。

   08.管理業務委託契約書の内容(A:標準委託契約書に準拠、C:準拠していない)
管理会社の管理業務に対する基本的な姿勢が問われるものである。

   09.管理会社の過去3年間の決算(A:3年黒字、B:1〜2年黒字、C:3年赤字)
管理会社の倒産による管理組合のリスクを避けるための必要なチェック項目である。

   10.会計報告書の管理組合への提出サイクル(A:毎月、B:2〜3ヶ月ごと、C:3ヶ月以上)
会計報告書の提出が遅いと、管理費等の未納対策にも遅れを取る子なる。また、管理会社が収納禁を一部流用している可能性がある。(社)高層住宅管理業協会では、会員会社に対し毎月の報告を指導している。

   11.管理費等の3ヶ月以上の未収戸率(A:2.0%未満、B:4.0%未満、C:4.0%以上)
管理費等の未納率には、管理会社の日頃の督促事務の対応が反映される場合が多い。

   12.理事会・総会の運営補助が適切になされているか(A:ある、C:ない)
理事会や総会の議題選出や議事録の作成などへの積極的な協力、新任の役員に対する助言などが組合運営にとって重要である。

   13.管理組合・居住者からの意見・苦情の情報の共有化(A:ある、C:ない)
他のマンションでのトラブル発生原因や対応策は、自分が担当しているマンションについても参考になる情報である。社内のホームページ等で情報公開されていることが重要である。

   14.最低年一回、満足度調査の実施(A:ある、C:ない)
受託左記の管理組合の評価を委託業務の改善に反映する努力をしているかどうかの、チェックポイントの一つである。

   15.(社)高層住宅管理業協会への加入(A:ある、C:ない)
協会の加入には資格審査があり、また保証機構の保証も受けられる。ちなみに現在の加入会社は約500社である。


結構、詳しい項目の設定だと思います。とても面白く読ませていただきました。そして、私も自分のマンションの管理会社さんがA・B・Cのどこに当たるのか分からない項目がありました。「御社は直近の三期で赤字は何期ありますか?」みたいな担当者さんに聞くのもためらわれるような設問もありますし。

この貴重な記事を引用するだけで充分かとも思うのですが、私自身ならこの項目に対してどこを重視するかという感想を述べますと、、、

   01.基幹事務の受託実績 (A:5年以上ある、C:5年未満である)
これは、長くやってるからどう、とかいう事じゃなくて技術の蓄積という観点から重視されるのかなと思います。

   02.管理戸数(A:5万戸以上、B:1万戸以上、C:1万戸未満)
マンションの管理業って、地元の不動産会社のような小さい会社でも良質なサービスを提供しているところはあると思うので、この項目は配点を抑えたい印象を持ちました。何となく自分の理想では、地方都市の地元密着の管理会社かいいなっていうのがあるので偏見かもしれません。管理会社の大手さんで、常に評価が素晴らしいってところを知らないからかもしれないです。

   03.建築士・施管士等の一人当たりの組合数(A:15未満、B:20未満、C:20以上)
これは大事だと思います。激しく同意をするのですが、実際に管理会社さんに建築士さんや建築施工管理技士さんっているのでしょうか?よく分かりませんけど本社にしかいなそうな想像をしてしまいます。それでどうやって長期修繕計画を作ったり、小修繕の見積りを指示したりしてるのかとも思いますから、ある程度は抱えていらっしゃるのかもしれません。全然いなかったりして。

   04.管理業務主任者一人当たりの組合数(A:7未満、B:10未満、C:10以上)
法的には管理業務主任者一人当たりの管理組合数の上限は30なのですが、それじゃ多すぎるということなのでしょうね。私のマンションでも、最初の頃は管理業務主任者の方とお二人で恐らく管理業務主任者じゃないと思われる方がいらしてたのですが、最近は管理業務主任者さんが欠席気味でその方がお一人で来てるようです。しかし残念ながら基本的なマンション管理の知識も怪しいんで困ります。とても気さくで人が良い方なのですが。

   05.事務所(支店・営業所)が30キロ圏内に存在(A:ある、C:ない)
   06.休日・夜間における緊急対応窓口が整備されているか(警備会社を除く)(A:ある、C:ない)
これら二つの項目は内容が近いものでして、全くおっしゃる通りでしょうね。マンションの居住に関する漠然とした不安って、管理会社が距離的に近いことで心理的にもサポートされると思います。トラブルで急遽お越しいただかなくてはならない時も、隣県から100kmとかだったら来てもらえないような事もあると思います。

   07.基幹事務(3つ)の受託の内容(A:3つとも直接受託、B:1つは再委託、C:2つは再委託)
この項目は僕は重視していないです。仕事も価格もリーズナブルできっちりやってくだされば再委託は問題ないと思うのですが、甘い意見かもしれないです。

   08.管理業務委託契約書の内容(A:標準委託契約書に準拠、C:準拠していない)
これは管理会社の『管理業務に対する認識』を計るのに良いチェックポイントでしょう。世の中が「こういう方向にフェアにやっていこうよ」という時に旧体前の契約書をお使いになっていたらちょっと首を傾げます。

   09.管理会社の過去3年間の決算(A:3年黒字、B:1〜2年黒字、C:3年赤字)
管理費等の保全という意味から重視されるのでしょう。会社が損するほど管理組合にメリットがあるからOK、という訳では無いのでしょうね。

   10.会計報告書の管理組合への提出サイクル(A:毎月、B:2〜3ヶ月ごと、C:3ヶ月以上)
『(社)高層住宅管理業協会では、会員会社に対し毎月の報告を指導している。』これは初めて知りました。確かに3ヶ月目に来た報告書で、すでに三ヶ月目の滞納があったらがっかりですね。しかも管理業務委託契約書で「管理費の滞納への督促は三ヶ月を限度とする」なんてなってたら超脱力します。

   11.管理費等の3ヶ月以上の未収戸率(A:2.0%未満、B:4.0%未満、C:4.0%以上)
これはとても大事な評価項目だと思うのですが、こういうデータって聞けば教えていただけるのでしょうか?さらに正確もしくは正直に教えていただけるのか、そこが不安ですが今度思い切って聞いてみます。

   12.理事会・総会の運営補助が適切になされているか(A:ある、C:ない)
残念なことですが基本的な項目なのに、これが適切にされていないケースが多いのでしょう。しかしこの評価は主観的にならざるを得ないのが難しいところです。

   13.管理組合・居住者からの意見・苦情の情報の共有化(A:ある、C:ない)
『社内のホームページ等で情報公開されていることが重要である。』コメント内の言葉でして誤植なのかもしれないですが、『ホームページで公開』はプライバシーの保護的にどうなんでしょう、されると困るかも。社内ネットワークでの情報共有と蓄積、という事を指していらっしゃるなら賛同するところです。

   14.最低年一回、満足度調査の実施(A:ある、C:ない)
良い項目だと思います。こんな素敵なアンケートをやってらっしゃる管理会社さんって実在するのですか?もしあったら教えていただきたいです。とても羨ましい話です。

   15.(社)高層住宅管理業協会への加入(A:ある、C:ない)
『保証機構の保証』の財政基盤はいづれお話したいと思っていますので割愛しますが、私はそんなに重視しない項目です。あくまでも『仕事きっちり』であれば所属団体とかは気にしない性格なんです。

長々と失礼しました。評価項目の批評をしたかったわけではなく、評価軸に対する自分の考えを述べたかったのです。その辺の趣旨を汲み取っていただけるとありがたいです。
[ 2007/02/21 23:56 ] 管理方式について | TB(4) | CM(0)

地上デジタル放送と電波障害の近隣協定 

こんにちは、管理人のコンドーです。今回は割りと皆様の関心も高いと思われます『地上波デジタルとマンションの電波障害対策』について調べたので、記事を書こうと思います。

マンションはその高層性によって、周囲の低層の建物(主に住宅)に対して、電波の受信障害をもたらしてしまうことが度々あります。一般的には高層建物を建築する前に行政から何らかの指導があって、電波障害が予想される場合はその対策(共聴アンテナの設置やケーブルを引く等)をします。さらにディベロッパーが電波障害を受ける近隣住居や行政と結んだ協定が、マンションの区分所有者に重要事項説明に含まれていて、管理規約等の一部として引き継がれていると思います。

ですので結ばれた協定の内容によるのですが、地上波デジタルに移行する事で変わる電波障害に対しても、マンション側での対応が求められるケースが多いと思います。地デジ化による電波障害は『結局のところは個別に症状を見るしかない』という話も聞くのですが、それでは何の参考にもならないので、基本的な情報として進めたいと思います。

一番に気になるのは、マンションが原因となって電波障害が発生している場合に、地上波デジタル化されることで障害の程度が緩和されるか・悪化するかだと思います。それについては電波障害のタイプによって違うようです。というのも電波障害には二種類のタイプがありまして、
 ・遮蔽障害(スノーノイズ)・・・画面のザラつき。マンションの陰に発生する。
 ・反射障害(ゴースト)・・・二重映り。マンションの前方に発生する。
に分類されます。

私の経験では、電波の来る方向の陰に起きる障害である『遮蔽障害』は、マンションの高さにも拠りますが多少離れた位置にも発生する傾向があると思います。以前に関わった高層の建物は、川をはさんだ向こう岸に電波障害を発生させていました。一方の反射障害はマンションのすぐ近くに発生することが多いんじゃないかと感じています。

地デジ化によって、この内の遮蔽障害は緩和されるとは言いきれないと聞きますが、後者の反射障害は幸いなことに解消される模様です。それがどういう原理なのかはgoogleさんで調べていただけるようお願いしたいところですが、もし皆さんのマンションで反射障害の対策をしていたとしてその費用がかからなくなるとしたらとても嬉しいですね。


次に、不幸なことに地デジによってさらなる障害対策を必要とするケースについて話を進めようと思います。

そもそも、なぜマンション側が電波障害の対策と費用負担をしなければならないかと言う話ですが、電波障害の発生原因がマンションであるケースでは、近隣居住者とディベロッパーとが結んだ協定の権利義務を管理組合がその承継しているからという事は先ほど述べたとおりです。(もしディベロッパーが近隣の方々と協定を結んだのにも拘らず、重要事項説明等で区分所有者に承継されていない=区分所有者が善意の第三者である場合は、是非ディベロッパーにケツを持ってもらいたいと思います、常識的に考えて。)

という訳でともかく近隣との協定書の存在、及びその文言の確認が一番最初の作業です。それでは次に、対応が必要であった場合の近隣居住者が地デジ化後も受信するための対策と費用負担について方策を列挙してみます。
   ・アンテナ・混合機・増幅器(ブースター)の設置、配線を敷設する。
維持費は約12年ごとに2〜8万円。

   ・電力柱・NTT柱に共架して近隣へケーブルを配線する。
共架料金として、柱の本数ごとに1,200〜1,800円。
電力柱・NTT柱の移設に伴って改修工事費が1回6〜50万円。
(気の毒なケースでは一年間に10回も移設の費用負担をしたマンションもあるそうです。)

   ・ケーブルテレビを引いてしまう。
すでにケーブルテレビへの加入者が多い場合に有効。
将来的な電波障害対策のコストカットが見込める。
地デジ化によって今までより電波障害が緩和されることも予想されます。しかし先ほどの話を繰り返しますが、既に受信されている首都圏などの地域から聞く所によると、受信してみてその程度を個別に判断するしかないようです。でもそれってマンション側の主観や近隣居住者側の既得権意識が混じるでしょうから、判断は面倒そうです。しかし、近隣の居住者の立場を思えば真摯な対応を心掛けなきゃって思います。


(参考資料)
結構昔の話になりますが、マンションの電波障害に関しての設備の費用の負担については、1976年3月6日の郵政省電波管理局長通達の「高層建築物による受信障害解消についての指導要領」が基本になっていると思います。

(以下本文)
・共同受信施設(電波障害対策設備)の設置の責任及び費用負担の在り方について 共同受信施設の設置については、建築物の建設が受信障害発生の原因であること、受信障害解消についての当事者間解決の事例においては、建築主の責任と負担で解決している場合が大部分であることからみて、受信障害発生の原因である建築物の建築主の責任と負担においてこれを行うことが適当である。なお、設置する共同受信施設は、テレビジョン放送の再送信が可能な範囲で10年程度の耐久年数が見込まれるものとすることが適当である。

・維持管理(更改を含む)責任及び費用負担の在り方について
1) 家屋軒先に設置される保安器の出力端子からテレビジョン受信機までの屋内配線部分 この部分については、通常の場合にも受信者が自ら管理することが予定されており、かつ受信者の家屋内のものであるため、受信者の責任と負担で維持管理を行うことが適当である。
2) 共同受信アンテナから各戸の保安器までの設備及びこれらに附帯する設備 (混合器、分岐器、ブースター等、配線、共架電力(NTT)柱)
この部分については、基本的には受信障害発生の原因となっている建築物の建築主の責任と負担で維持管理を行うことが適当である。 しかし、共同受信施設を設置した場合、受信者は家庭用アンテナの更改費等テレビジョン放送の受信に通常必要とする経費の支出を要しないこととなるため、この経費に相当する額は受信者が負担することが適当である。 なお、建築主の責任において維持管理を行うことが著しく困難又は不適当な事情があり、受信者側において組合を結成するなどして維持管理にあたることとなる場合も考えられるが、この場合においても維持管理の費用の負担についての考え方は前記と同様である。

・その他 (共同受信施設の設置に対する受信者側の協力について) 共同受信施設の設置による受信障害の解消を円滑に推進するためには、共同受信アンテナの設置、ケーブル類の通線、私有地内の電柱設置等についての受信者側の積極的協力も必要である。 (後住者について) 共同受信施設が設置された後、新たに受信障害地域に家屋等を建築した住民(以下「後住者」という)が共同受信施設の利用を希望する場合、有線テレビジョン放送法第16条の規定による役務の提供義務のない場合であっても、共同受信施設の設計者は、後住者に対しこれを利用させることが望ましい。この場合、付加的設備(引込線、保安器、屋内配線等)に要する経費は後住者が負担することが適当である。 (個別アンテナ対策について) 受信障害の程度が比較的軽微である等の理由により、共同受信施設によらず受信アンテナの位置、高さの変更等、いわゆる個別アンテナ対策により受信障害を解消できる場合においても、その対策は受信障害の原因となっている建築物の建築主の責任と負担により行うことが適当である。


すっきりとした結論めいた話ができなくて申し訳ありませんでした。お詫びというアレでも無いのですが、今回の記事を書くに当たって大幅に参照させていただいたサイトをご紹介しますのでご容赦ください。

 ・ボクにもわかる地上デジタル 導入偏-Q&A(ノウハウ)集
 ・ITmedia News:地上デジタル マンション住民に思わぬ出費も
 ・Sankei Web:地上デジタル マンション住民に思わぬ出費も
 ・田邊文夫:BS、CS、地上波デジタル化への対応
 ・マンション 管理組合 NPO集住センター地上デジタル放送問題
 ・おしえて!HOME'Sくん 既存の一戸建てにて全部屋にて地デジ視聴する ...
 ・教えて!goo マンションの電波障害、後住者への対応は?
 ・マンション管理新時代 地デジ化対応はもうお済みですか?


なお、マンションによる電波障害と、地上波デジタル化の関係について詳しく記述されている本があります。以前にご紹介した日経の本なのですが、よろしければその記事もご参照いただけると幸いです。
[ 2007/02/18 23:48 ] 日常生活で困った! | TB(0) | CM(1)

マンション建設現場のウラ話・ここまでバラせばクビがとぶ  

何とも物騒なタイトルの本です。と言いつつもそのタイトルで買っている人(自分)がいるのだから、マーケティングは成功ですね。こんにちは。結構本はタイトル買いする管理人のコンドーです。

今回もちょっと前置きが長くなって済みません。私はマンションの購入前に、一番不安だったのがこのマンションの工事現場・施工です。建設業界に身を置いている者として、現場の施工レベルでは良い所と悪いところには結構な差があることや、施工会社の大小に関わらず現場ごとの丁寧さにバラつきがあることを感じていたためです。

そんな訳で私が契約するときは、工事現場の書類や写真を見せて貰って、担当したゼネコンの監督さん(別な仕事でご一緒したことがあった)がどんな感じの人か知っていた(信頼してる人だった)とか、そこの現場で下請していた鉄筋屋さん等の業者さんから現場の雰囲気を聞いたりして決めたのですが、それもそうしたからといって絶対安心できるというモノでもありません。

実際は買主がマンションを買う前に工事現場を見ることはできず、一般には下請の職人さんから話を聞くことも、現実的にはまず無理だろうと思います。施工会社と工事監理をした建築士を信じて、建築基準法や住宅の品確法や民法の庇護を期待するしか方法は無いのですが、この辺はどうにかできないものでしょうか。

例えばマンションの買主さんが、現場で第三者の建築士に工事を観察させたいとしても、ディベロッパーがそれを許すとは考えられませんし、建設中には買主さんは決まっていない場合も多いですから、その建築士のコストを誰が負担するのかという問題も残ります。もちろんマンションが出来てからの、購入前に工事現場の写真や施工管理記録を建築士がチェックするというのも有効ですし、引渡し前の建物をチェックするというのは大事です。その業務なら私がお請けすることも可能でしょうけど、それは所詮は施工後の安心の担保です。果たして施工中の安心の担保はどうすれば良いのでしょうね、、、

(ちなみにこの辺の内容についてはこちらの記事→マンションの構造、耐震偽装は見抜けるか?でも取り上げています。)


マンション建設現場のウラ話・ここまでバラせばクビがとぶ

amazonでの商品の説明
私は見た。手抜き控除と欠陥マンション完売の一部始終。耐震強度偽造問題で揺れる建設業界の裏側。高層マンションの人には言えない光景、欠陥マンション完売の一部始終、所長と業者の強請り・たかりなど、耐震強度偽装問題で揺れる建設業界の裏側を、実際に建設現場で大工として働く著者が暴露する。

(以下、読書感想です。)
タイトルから想像するに、建設工事の手抜きの工事の生々しい暴露本なのかと思ったのですが、そうでもないです。ショッキングな工事現場の手抜きの実態はほとんど無くて、どちらかというと建設工事現場の雰囲気や職人さんの面白い話、ディベロッパーやゼネコンのちょっと滑稽な話が中心です。

折に触れ、3K職場といわれる型枠大工である著者の職人としてのプライドや、仕事に対する姿勢がアピールされていまして、むしろマンションの建設工事現場に好意すら抱いたのは、タイトルからすると逆効果と思うほどほのぼのとした本です。

確かに手抜き工事の悪い物件もあるけど、それを見抜くのは素人には難しいというスタンスでした。著者が躯体工事の職人さんなんで、仕上げ(内装とか)で隠されてしまえば、躯体の瑕疵は床をはがして壁を剥かないと分からないです、って事のようでした。またその現場の下請さん職人さんから聞き込むとか、工事中の現場を見学するとかしないと本当のところは分からないだろうというのは、上記のように私も同じ意見です。

上階に仮設トイレ(スカイトイレ)が無いマンションの工事現場では、職人さんたちが耐えかねて立ちションしているというのは、正直業界の人間としてショックでしたが。そんな感じの内容なので、住宅性能評価の制度や構造の用語に齟齬があるのはご愛嬌です。

そんな感じで、読んでも何かのためにはならないけど、楽しい本でした。
[ 2007/02/13 02:01 ] 参考書の紹介 | TB(0) | CM(2)

修繕積立金の値上げは困ります。 

Q:マンション購入を考えて、戸建て所有の知人に相談してみました。 結果は毎月の修繕積立金がネックで「勧めない」って答えでした。 この修繕積立金ってのは、購入時は納得できる金額の範囲内です。でも値上げは困ります。住民の一人が反対すると値上げなしであって欲しいのです。マンションを売るとき70〜100年は安心!!で売るから修繕積立金のアップに納得がいきません。

A:やはり戸建てとマンションを比較すると、「管理費」と「修繕積立金」がローンに付加されるので、マンションに二の足を踏まれる方は多いと思います。まず修繕積立金の位置付けですが、修繕積立金というのは誰かに取られるわけではないのです。マンションの所有者のみんなの財布に、「建物を直す時はこのお金を使いましょうね」と貯めておくイメージのものです。

もちろん修繕積立金は最小限に抑えたいですし、そこからの支出もリーズナブルにしたいとどなたも考えると思います。そこでその裏付けとなるのがこの記事で書きました「長期修繕計画」です。

ですので、長期修繕計画の精度が高くて、それに基づいた現在の修繕積立金なら、ご心配なさっている値上げも許容範囲なのじゃないかと思います。しかし、長期修繕計画が甘い場合や、修繕積立金が将来的な値上げを見越した設定になっている(ワタシのところ)場合は、値上げはほぼ確実です。

ですので、もし検討されているのが新築のマンションでしたら、売主さんから「長期修繕計画」を貰ってはいかがでしょうか。将来的な値上げを見越していれば、それもいつからでどの程度なのか、その長期修繕計画でわかりますよ。

売主さんによっては長期修繕計画や管理規約の案は書面で渡してくれない場合もありますが、高い買い物ですのでそこを含めてご契約やローンを検討されるのがよろしいかと思います。長くなって恐縮ですが、その長期修繕計画の精度がいいのか分からんという場合は、もしお見せいただけるなら私の考えもお伝えできます。

ところで、最近私が見せていただいた長期修繕計画で大変立派なものが有りました。新築時には一般的な範囲の修繕積立金の額なのですが、その後の値上げが無くても30年後の積立金に不足が無いのです。長期修繕計画には多少のつっこみどころはあったのですが、全然許容範囲だと思いました。そういう安心できるケースもありますので、是非長期修繕計画をご要望されるといいと思います。(そのケースは別記事にも起こしたいと思っております。)

ご検討されているのが新築のマンションだと決めてかかって私はコメントしてますが、もし案件が新築じゃない場合は再度コメントいただけると幸いです。その場合は再度拙論申し上げます。

最後に、「住民の一人が反対すると値上げなしであって欲しい」件ですが、残念ながらマンションの大体のことは1/2〜3/4の賛同が得られる方針で進んでいきます。ただ、おっしゃる主旨は「お金を無駄にしたくない」ということだと思いますので、大きな出費の際は信頼できる専門家にご相談なさるとかで、健全なマンション管理組合の運営ができると思います。



(以下は余談です)
再Q:さっそくの返信ありがとうございます。修繕に関して、独断と偏見が通るから、知人が言う戸建てに軍配ありと判断いたしました。

私自信、マンション生活が理想です。でも、土地の安い僻地だとマンションは惨敗です。例えば、マンソンは諦めましたけど、ぢゃ、戸建!な、時にも貴殿のお力をお借りすることはできるのでしょうか?

再A:まず誤解させてしまったかもしれないので、先ほどの補足をさせてください。私も一概に「マンションの方が戸建てより優れる」とはもちろん思っていません。実はリアルワールドでの私は、戸建ての世界により近い業界にいたりします。ただ「独断と偏見が通るから」の件ですが、774号室さんのようにマンションの将来の大規模修繕を心配される方は住人の皆さんの中にもいらっしゃると思うのです。確かに、そう考える方々が多数意見である確約はできないのが心苦しいのですが。それと蛇足ながら、住宅もいい状態をキープするためには、多少の経費がかかることも付け加えます。

「土地の安い僻地だとマンションは惨敗」の件ですが、私も全く同じ考えです。地価が安い土地では、マンションより戸建てが有利ですよね。ただ、どちらも良いところのある「住み家」ですので、この機会に774 号室さんの「どういうところに住みたい」や「どんな風に住みたい」のイメージが具体化するといいですね。

「マンソンは諦めましたけど、ぢゃ、戸建!な、時」の件ですが、そもそもどうしてそこで私なのかが不明なのが正直な気持ちですが、ありがたいお話です。またまた長文になってしまいそうで恐縮ですが私の気持ちを申し上げます。そもそも私は建築や住環境に興味を持つものです。ただ住宅となると、例えば住宅雑誌を見ると目移りするように、最適解は施主さんの数かそれこそ無限大にあると思います。私自身もその世界のほんの入り口に立って、口をあんぐり開いている身の上です。

そんな折に私自身がマンションに住むことになりまして、地場の建築業界の者の視点からマンションに住んでみたら、実にこれが興味深かったのです。面白いことや不思議な事が沢山ありました。それで数年の期間このマンションというものを勉強してきました。そのようにして感じたのが、マンションは多くの人が集まって住まうところである故に、発生する問題はある程度カテゴリー化されると思ったのです。もちろん個々のマンションごとに細かい事情に合わせた解決が重要なのですが、代表的なパターンや傾向はあるな、と。その時に振り返って自分の住んでいる地域を見ると、そういう問題を身近で情報交換したりサポートする団体が今は無いようだと感じました。そのようにして、本当に微力ですがこのブログもそんなきっかけで開設されました。

さて本題ですが、戸建てについて私がご期待に添えるかというと、正直確信はありません。もし774号室さんが福島市近郊にいらっしゃるなど、直接お会いしたりできるのであれば精度は高まると思いますし、もし考え方などを気に入って頂けたら建物の敷地の選択から、もしかしたら住宅の設計(もしくはもっと最適な設計者の紹介)、工事までお付き合いいただけるかもしれません。しかし、そのように戸建てはとても個別的で濃密なものだと思いますので、こちらも気軽に「全然楽勝っす」とは言えないのです。アドバイスといえども、影響力があるのであればそれくらいの責任を感じます。

もちろんマンションが楽勝というわけではないです。ただ、個別のマンションの最適解はあるとしても、パターン化された傾向に対しては何か言えるであろうと思っております。しかし戸建ては本当に一般解の無い、究極にプライベートなものだと思うので、もし密にコンタクトを取っていただけるのであれば、ご期待に沿えるよう頑張りたいと思います。もしそうではなくて、気軽な一般的なお話ということであれば、私の知る範囲では幾らでも(断られるくらい)お話させていただけます。

[ 2007/02/08 19:41 ] 寄せられたQ&A | TB(0) | CM(2)

古くて住めなくなったマンションの行方 

Q:思ったんですが、古くなって誰もすまなくなったマンションを解体する時、解体ににかかるお金より、敷地の土地代が安いときってどうなるんですか?だれも手をつけないですよね。

A:「スラムになる」と思います。非常に鋭いご質問だと思います・・・

例えば、敷地1,000m2(300坪)で建物が3,000m2の小規模マンションで考えてみます。敷地の坪単価が福島でも安めの20万円/坪だとすると、 土地が6,000万円の価値です。建物の解体費は、2万円/m2だとして6,000万円。これでは差し引きチャラなので事業にはなりません。もっと土地が高いか、解体費を安くあげるかしないと買い手がいません。

実際はマンションが建つような敷地は、もう少し高い地価だと思うのですが、もしかすると地域によっては上記の例に近いマンションもあるかもしれません。

[ 2007/02/08 19:40 ] 寄せられたQ&A | TB(1) | CM(1)

マンションの構造、耐震偽装は見抜けるか? 

Q:耐震偽装がまた新聞を賑わせていますが、購入者視点では偽装を見抜くことはほぼ不可能と思ってよいですか?

A:購入者視点で偽装を見抜くことは、かなり難しいと思います。結局は建築確認と構造計算書をどこまで信用するかという話になるのですが、今までの実績で(行政・民間の)建築確認機関が信用できない、と思われる場合はご自身で納得いくまで確かめるしか無いです。

しかし、購入前の一般のお客さんに建築確認の副本や構造計算書を渡すディベロッパーは皆無でしょうし、再計算する設計事務所への委託費用も数万どころじゃないコストです。

買うか決める直前の購入者側でタッグを組んで第三者に検査させる手もありそうですが、それって本来の確認機関がやらないといけない仕事=完了検査なんですよね。皮肉な話です。



再Q:なるほど。やはり敷居が高いですね。神様頼みにならざるをえないと、、、戸建ての場合は、耐震チェックするサービスが数万〜十数万であると聞きます。それもどこまで信用できるやらですね。

再A:確かに木造200m2位の戸建てでしたら、図面からの計算・施工のチェック共に第三者的なチェックが有効に機能すると思います。現場監督さんに「すじかいのビスが足りないよー」とか言えますし、施主もそれで安心できると思います。

ただもっと規模の大きなマンションは、自分の目で安心できるまでの投資は難しいです。本来はそれを建築確認機関と工事監理者(建築士)が担保するはずなのですが、そこの信頼が揺らいでしまった今、買主は本当に「神様頼み」と思われるでしょうね。我々業界の人間がこれから信頼を回復しなくてはなりません。建物が完成した後の仕上げや下地はいくらでも検査できるし直しようもありますが、命を守る箱の部分(構造)の問題ですものね。

[ 2007/02/08 19:34 ] 寄せられたQ&A | TB(0) | CM(0)

マンション管理組合の理事会、管理会社の代行可能に!? 

いきなりですが、私は日経新聞を取っています。たいていの日は新聞の一面だけは朝イチに見るのですが、日曜は特にニュースが無いことが多いので新聞を取り忘れていたりします。例に漏れず昨日(日曜)もそんな感じで日が暮れてから新聞を読んだのですが、、、衝撃的を受けました管理人のコンドーです。
(注;20070206 IEで見ると、リンクが変&tableがずれるのに気付いたので修正しました。)

マンション管理組合の理事会、管理会社の代行可能に

(2007/02/04 nikkei net 及び 日経新聞一面)

国土交通省はマンションの所有者でつくる管理組合の理事会に代わり、管理会社が業務の大半を請け負える新制度の検討に入る。所有者の高齢化や1人暮らしの増加によって理事会の役員を引き受ける人がいなくなると、計画的な修繕など適切な業務に支障が出る恐れもあるためだ。新制度を利用する管理会社には資格要件を厳しくして、トラブルの発生を未然に防ぐ。

 マンションの管理は日常的な保守・清掃や修繕計画などを、管理組合の総会の決定に基づいて理事会が実行する。管理会社に業務委託する場合も、あくまで理事会が主導するのが基本だ。 (07:00)


だそうです。管理の丸投げ一括委託というのでしょうか。分譲マンションを実態的な賃貸マンションにするかのように読めます。「面倒な役員から解放される」と歓迎する向きもあるでしょう。

その制度の概要は、
 ・管理会社が業務の大半を請け負える新制度の検討に入る。
 ・管理会社が一定の報酬を得る代わりに適正な業務を提供する。
 ・管理会社への外部機関による監査の義務付けなど、適正化法の改正も視野に入れる。

との事ですが、軽く脱力しました。猫に鰹節の番をさせるようなものだと思うのは私だけでしょうか?管理会社って、詰まるところ管理組合と利益が相反すると思うんですが、、、

国が今後検討する内容は、
 ・所有者と管理会社の適切な契約のあり方。
 ・所有者による管理会社の監視体制。
 ・修繕積立金の運用方法などの仕組みづくりを進める。
 ・新制度を利用する管理会社は資格要件を厳しくしトラブルの発生を未然に防ぐ。

とのこと。これを管理会社の業界団体や専門家を交えた研究会で検討するんだそうです。当サイトは行政や政治について熱く語るサイトではないのでそこは割愛しますが、本当に多方面(主に住人保護)からの視点で充分に議論していただきたいと思います。どうしても、違法コピーなどの著作権侵害を防止する制度を新興国自身に作らせるようなものだと思えてならないのです。

また、国のスタンスとして、
 ・住生活基本法で新築の供給より住宅を長期活用する「ストック重視」に政策を転換。
 ・築30年以上は56万戸、10年後には3倍の162万戸までに増える見通し。
 ・機能不全に陥る管理組合が急増する可能性が大きいと見ている。
というのもあるようです。


今回のニュースに至った背景として、
 ・所有者の高齢化や単身世帯の増加で、理事会の役員を引き受ける人がいない。
 ・活動が停滞しがちで、計画的な修繕などの業務に支障をきたす恐れがある。
 ・管理組合の活動が停滞すると、管理費や修繕積立金の滞納を招きやすい。
といったように、今回の制度改正の検討に至った背景には、マンション側の致し方ない事情もあるようです。

現在の制度でも管理会社が直接手がけることは可能で、実際にはリゾートマンションや投資用マンションで管理の丸投げ一括委託が見られますが、合意無しに管理会社ができる業務の範囲が不明確という問題も生じているので、この際きっちり制度化しようという事なのでしょう。

ここでちょっと危ないなと思った点ですが、記事の中で『都内の築30年以上のマンションの17.4%で管理組合が機能していなかった。(東京都2003年調査)』とあります。そういうのが今回の検討の発端になっていると読めます。しかし、2003年に築30年以上のマンションという事は新築が1973年以前ということです。その頃というのは、1982年に最初の標準管理規約が制定される前のマンションで、もしかすると1962年に制定された最初の区分所有法以前のマンションも多少はありそうです。

1962年の最初の区分所有法(その後1983年に大改定されてます。)以前のマンションというのはいわばマンションの黎明期で、『区分所有』という概念すら曖昧な頃です。専有部分/共用部分の境も謎で、誰が管理するかも謎で民法に拠っていた頃です。

1982年の標準管理規約が通達される以前のマンションもそうですが、マンションという住環境が社会的にサポートされていない頃に、管理組合が機能しないのは当然です。そして、その頃分譲されたマンションにおいては今でも管理組合が機能していない、また存在もしていないというのは充分予想できます。

しかし今回の制度改正によって、近年のマンションも黎明期のマンションも一括りにされて、管理組合の責務の丸投げが可能になるのでしょう。管理会社が実態的な大家さんで、区分所有者が店子みたいな関係。冒頭を繰り返しますが、分譲マンションを実態的な賃貸マンションにするかのように読めます。

ここまで区分所有法の改正を重ねた事や、阪神大震災ような経験を経て建替え円滑化法を定めた事、適正化法で管理業とマンション管理士制度を定めた事。やっとマンションの社会環境が成熟できる環境が整った、と思える時代だったので驚きが隠せません。

ある日突然督促状が届いて、「大規模改修で一戸当たり1,000万円必要です」なんて将来になったら、マンション問題は国が憂える今よりも、もっと目の当てられない状況になります。『自己責任』という言葉が流行する時代に逆行するような、所有者の意識のさらなる低下につながる制度にならないことを祈るばかりです。
[ 2007/02/05 08:58 ] 管理方式について | TB(1) | CM(3)

マンション管理士って何する人なんですか? 

今年はかなりの暖冬ですが、ここ数日は私の住む地域も雪が積もったりして、やっと冬も本番という感じになってきました。こんばんは、コタツが欲しい管理人のコンドーです。今日は以前にコメント欄に頂いたご質問について回答します。

Q:マンション管理士って何する人なんですか?

A:『管理組合の運営やマンションの管理の援助を行う人です。』


マンション管理士とは、マンションに住む方々や管理組合と呼ばれるマンションの所有者の皆さんの団体のサポート役です。具体的には、大規模修繕の内容の検討から、マンション内でのペット飼育のルール決めまでなんでもやります。
法的な定義では、『マンションの管理の適正化の推進に関する法律』(いわゆる適正化法)によって、
  マンション管理士:
登録を受け、マンション管理士の名称を用いて、専門的知識をもって、管理組合の運営その他マンションの管理に関し、管理組合の管理者等又はマンションの区分所有者等の相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うことを業務(他の法律においてその業務を行うことが制限されているものを除く。)とする者をいう。
と定義されています。マンションの所有者&住人側の立場に立ったコンサルタントみたいな人を指しているようです。

でも、実はマンション管理士じゃないとできない仕事というのは無いのです。国家資格的にいうと、独占業務(建築士じゃないと建物の設計ができないとか)が無いってやつです。ですので、実際にマンション管理士さんが何の役に立つかって話になると、それぞれのマンション管理士さん個人の能力=得意とする分野に依るところが大きいのです。

もちろん試験を合格して登録されてますから、マンションの法律、マンション管理、建物についての専門的な知識は期待できます。そのマンションに関するオールマイティーな知識の上に、さらにこんな突っ込んだ実務の経験が有るとか、他に持っている専門性(資格)があるとかが相乗効果を発揮して、管理組合を強力にサポートするのが理想だと思います。

そこで全ての方面に万能なマンション管理士がいれば一番良いのですが、残念ながら多分いないです。もしいたとしても、きっとその人に何かを委託したり顧問契約を結ぶとすごく高額になるでしょう。常識的に考えて、弁護士だったらマンション管理士の仕事はしないでしょうし。

ですので、苦手な分野やその人自身だけでは制限がある業務は、マンション管理士は専門家や資格者と協同します。その場合にもマンション管理士は管理組合の最初と最後の窓口になるべきです。なぜなら、マンション管理士のマンションに関するオールマイティーさを活かして、各専門家の考えを個々のマンションへの最適解に総括する役割が重要だと思うからです。

例えば私が得意な分野は建物の工事に関すること(企画・設計・契約・施工)ですが、その中でも消防設備はどっちかというと苦手(知識が少ない)です。簡単な事例ですが、年に2回の消防設備を点検しようとする時に、私は専門業者さんから見積りを取ったり設備系の設計事務所と相談したりするでしょう。しかし、それをそのまま理事会や管理組合に持っていくのでは私の存在価値がありません。ここで私に期待されるのは、その点検にあわせてマンション内の消防設備や防災系の建築設備の使い方を住民にアピールしたり、あやしい噂のある部屋をそれとなくチェックする提案をしたり、個々のマンションの特性に合わせたコーディネートをすることだと思います。

もう一例を挙げると、動物の飼育が禁止されている規約なのに実態的に守っていない住民がいる場合を想定します。その人に対して管理組合が法的措置を検討している場合、マンション管理士は法律職ではありませんので訴訟やらの手続きの委任はお受けできません。でも、いつも協力いただいている弁護士を紹介することもできますし、一般的な解決策として『今のペットは一代限りで容認しますが、今後は規約を遵守しましょう』と協定を結ぶような一般解が多いこともご説明できるでしょう。

それでは、私自身が考えるマンション管理士の理想像についてお話いたします。

一言で言うなら、マンションに関しての『ワンストップサービス』でありたいです。マンションに関して、困ったら&困る前にとりあえず一番最初に声を掛けられる位置にいたいです。

一般にはマンションの管理業者(マンション管理会社)さんがその立場にあると思われていますが、管理組合と管理業者の間には実は埋められない深い溝があるのです。というのも管理業者さんは、、、
 ・熱心な管理組合ほど手間がかかり、管理会社には悪いお客さんである。
 ・所有者間・占有者間といった専有部の問題には立ち入らない。
 ・管理業者のフロントさんは、一般的に専門的な知識を持ってない。
 ・フロントさんは転勤するまでの付き合い。
 ・何といっても管理組合と利益が相反する。
なのです。

話を戻しまして、私が(現時点で思いつく)マンション管理士としてやるべき仕事を列挙します。

 (管理・運営面)
 ・マンション内の苦情を総合的にお受けする(役員さんの過度な負担を無くす)。
 ・理事会へ毎回同席して、議題の問題点を解きほぐす。
 ・理事会の議事録に解説や資料を付けて、マンションの皆さんに広報する。
 ・総会の案内に議案の主旨の解説を添付する。
 ・役員さんが代わっても、継続中の議題を途切れさせない。
 ・マンション管理に熱心な人も浮かないように受け止めて、意見を代弁する。
 ・一つのマンション内に留まらない問題は行政などに働きかける。

 (資産面)
 ・管理組合の財政がさらに健全化する方策を寝る。
 ・改修の企画・設計・契約・工事をリーズナブルに公平に行う。
 ・将来の問題(修繕積立金の不足とか)を未然に防ぐ方策を練る。
 ・資産価値が上がる・利回りが上がる仕掛けを考える。

 つまりは、
 ・マンションにもっと心地よく住める・所有できる方策を練る人。
でありたいです。

最後に、私が勉強させて頂いているマンション管理士関係のサイトさんにトラックバックしましたことをご報告します。マンション管理士の業務にご興味のある方に是非ご覧頂きたいです。

あと、当記事は皆さんからのツッコミや再質問をお待ちしておりますので、お気軽にコメントいただけたら幸いです。
[ 2007/02/05 00:48 ] 寄せられたQ&A | TB(0) | CM(2)

機械式駐車場の維持費・使用料・修繕費はどれくらいかかるのか調べました。 

こんにちは。お金の話ばっかりしている管理人のコンドーです。今日も申し訳ありませんが、機械式駐車場でかかるお金について考えていました。
目下、私の機械式駐車場に関する疑問は、
・管理業者への委託金額や維持コストがどれくらいか?
どんな改修工事が必要か? ・改修長期修繕計画に盛り込まれているか?
費用の負担に不公平感は無いか?
・費用の拠出は将来的にも可能な額で設定されているか?
といったところでした。それを途中まで調べましたのでご報告です。

まず、建設コストを調べました。 (財)東京都道路整備保全公社 駐車場の種類とその特徴 では、次の数字が挙げられていました。
・平面駐車場 30万円/1台
・自走式(プレハブ式) 60-70万円/1台
・自走式(建物式) 100-150万円/1台
・機械式(垂直循環式) 300-350万円/1台
・機械式(多層循環式) 300-400万円/1台
・機械式(エレベータ式) 170-300万円/1台
・機械式(多段式) 100-150万円/1台

、、、イメージで、平面駐車場が一番建設コストが安いというのは思っていましたが、自走式駐車場と循環式の機械式駐車場にこれほどの開きがあるとは思っていませんでした。やはり敷地を高密度に利用する循環式の機械式駐車場は高額なのですね。機械式駐車場の中では、垂直循環式も多層循環式もそんなに値段が変わらないのも意外でした。

続いて維持コストです。
・平面駐車場 0万円/1台・年
・自走式(プレハブ) 1万円/1台・年
・自走式(建物式) 1万円/1台・年
・機械式(垂直循環) 10万円/1台・年
・機械式(多層循環) 10万円/1台・年
・機械式(エレベータ式) 10万円/1台・年
・機械式(多段式) 7万円/1台・年

これも自走式と機械式では結構な開きがある結果となりました。平面駐車場と自走式駐車場は、ほとんど日常的な維持コストはかからないと見て良さそうですが、総じて機械式駐車場は維持コストは見込む必要がありますね。

上記も同じリンク先の数字です。図もあって大変見やすいのでありがたい資料です。さらに各方式の発生音や出庫時間などのメリット・デメリットも挙げてますので大変参考になりました。感謝です。

続いて、委託費用ですが、これも参照サイトでの定義が「維持管理費は、保守・点検費用、保険料(建物、機械)、電力量を想定したものです。」となっていましたので、きっと上記の 維持コストx台数 が年間の委託費用と近いと思いますが、皆さんいかがですか?

例えば、収容規模を30台とすると、
・平面駐車場 0万円/年
・自走式(プレハブ) 30万円/年
・自走式(建物式) 30万円/年
・機械式(垂直循環) 300万円/年
・機械式(多層循環) 300万円/年
・機械式(エレベータ式) 300万円/年
・機械式(多段式) 210万円/年
といったところでしょうか。自走式は実際は車路の電気代くらいでしょうから、こんなにかからないと思います。また機械式でも電力量は管理組合で直接負担することが多いと思いますので、その分委託契約は安い数字でしょう。

もし、「そんな数字は全然遠いぜ」という方がいらっしゃったら、ご一報頂けるとありがたいです。是非よろしくお願いします。

そしてここまで準備したところで、駐車場の費用の負担に移りたいと思います。

駐車場使用料は、上記のコストを回収するだけではなく、駐車していること自体の対価をプラスしますので、近隣の相場次第です。ですので、一般的にこれくらいの数字が正しいとは言えないのですが、最近見つけたマンションの広告から例を挙げて比較してみます。

Aマンション(福島市内、機械式・多段式、3層)・・・1階が9,000円、2階6,000円、3階3,000円
Bマンション(福島市内、平面・露天)・・・1万円/月

どちらのマンションも近隣の相場が「平面の露天駐車場で月1万円」で共通しているので比較しました。Aマンションの方は、近隣の露天が1万円だけど、1階は屋根付きだし敷地内の分のメリットが大きいですから、居住者の皆さんは使いたいと思うでしょう。さらに2階・3階はちょっと出し入れが不便だけど、近隣の相場よりだいぶ安いから借り手は多いと思います。
Bマンションは近隣の相場と一緒だけど、近い敷地内だということで借り手はいるのでしょうね。維持費のかからない平面駐車場だから、値下げ希望の声が出そうな気もしますが。

この2例を挙げるとAマンションはお得で、Bマンションは割高で損な印象を私も持つのですが、どうなのか試算してみます。Aマンションは上記サイトから維持コストとして(30台なら)210万円/年かかるはずです。計算すると駐車場収入は(1階:10台*0.9万*12ヶ月=108万円、2階:10*0.6*12=72、3階:10*0.3*12=36)と合計で216万円となり、上記の参照サイトの数字とちょうど合っちゃいましたね。
一方、Bマンションの30台*1万*12ヶ月=360万円は、実際は数万円しか維持にかかってないでしょうから、残りはきっと管理費に充てられているのでしょう。もしも残りが修繕積立金に充てられていたら、Bマンションの財政は相当優秀だと思います。

話がここで終われれば、非常に平和な結末で嬉しいのですが、Aマンションには悲しいお知らせがあります。それは、機械式駐車場が避けて通れない『機械の更新費用』の負担が考慮されていないことです。

上記のサイトの数字では、多段式の建設コストが100-150万円でしたから、安いほうで見積もっても30台で3,000万円がかかります。そして 機械式駐車場の耐用年数は、法定耐用年数で15年だけどメンテナンスが良ければ25-30年だとか、この辺りで言われてます。今度も有利な30年持ったとして、その後も同じように駐車場を使い続けたい場合は、最低でも1台あたり年に3.3万・月に3,000円弱の積み立てが必要なはずです。さらには駐車場の金属部分の塗装なども見込まれます。とすると先ほどのAマンションの月の駐車場使用料は、、、この先に不安を感じます。

ウェブサイトを色々見ていますと、もっと楽観できる意見や逆に悲観する意見もありますので、参照URLを貼っておきます。

NIKKEI NET マンションの駐車場問題
NIKKEI NET 敷地内駐車場が無料となるカラクリとは?
YOMIURI ONLINE マンションのエレベーターや立体駐車場は長期修繕計画に入れなくていいのでしょうか
分譲マンションの駐車場増設相談窓口
機械式駐車場ってどうですか@マンション掲示板

上記サイトからの一部抜粋です。
一般的な機械式駐車場の場合で説明します。
・維持メンテナンス費用約2〜3千円
・20年後の建替え費用月約2千円
くらいが一般的らしいです。合計5000円ですよね。平均で、これだけ料金取っていれば駐車場の料金(受益者負担)で駐車場維持できるわけです。

参考までに、機械式駐車場(地上1、地下1)57組で
・電気制御部品の交換がで約180万円。
・軸受け交換が約450万円。
他にも、かかったかもしれませんが、手元に資料が無いので。

素人なりにネット上の情報から考えてみる。
参考にするのは、財団法人「東京都道路整備保全公社」のページ http://www.tmpc.or.jp/manual/manual03.html
・多くのマンションで採用されている多段式の機械式駐車場の場合: 1台当たりの建設コスト:100〜150万円、
・維持管理費:7万円/台・年
(注)維持管理費は、保守・点検費用、保険料(建物、機械)、電力量を想定したもの、
・法定耐用年数は15年(ただし雨ざらしでなく適切な維持管理を行っていれば25〜30年持つという情報もあり)
最もシビアに見て、建設コスト150万円、法定耐用年数15年の使用 とした場合、15年間の維持管理費7万円×15年=105万円。
150万+105万=255万円。
255万÷15年=17万円。
つまり1台当たり年間17万円程度(月額14,000〜15,000)、
この辺が厳し目に見た場合の採算ラインだろうか。

(工事費の例)機械式駐車場塗装工事 57基(地下ピット式2段式114台)
工事費総計 1840万円

国土交通省が5年に1度行うマンション総合調査(平成15年)によると、駐車場収入の使途(複数回答)は管理費57.2%、修繕積立金55.0%、その他6.0%という結果が出ている。説明するまでもないが、管理費とはマンション共用施設の保守維持費や管理業者への委託料、また、修繕積立金とは計画的あるいは不測の事故などによる修繕費用のことだ。このことから分かるように、名目上は駐車場使用料と呼んでも、実際は管理費や修繕積立金(以下「管理費等」とする)に充当されているわけだ。つまり、管理会計上の仕訳が異なるだけで、その性格(使途)は管理費等そのものなのだ。
駐車場収入の使途(複数回答可)
管理費 修繕積立金 その他
57.2% 55.0% 6.0%

駐車場使用料を無料にできるのは、本来であれば「駐車場使用料」という名目で毎月徴収すべき金銭を、あらかじめ管理費等に上乗せして回収してしまえばいいだけだ。たとえば、駐車場使用料が有料の管理組合で、以下の収入があるとする。
・駐車場収入:50万円  管理費収入:100万円  修繕積立金収入:100万円
この内訳を
・駐車場収入:ゼロ  管理費収入:140万円  修繕積立金収入:110万円
と振り分ければ、組合としての収入総額は250万円で変わらないにもかかわらず、駐車場を無料にできる。
[ 2007/02/02 03:37 ] 長期修繕計画 | TB(0) | CM(0)