第155回 参議院 国土交通委員会(平成14年11月28日)からの抜粋です。このシリーズは、基本的に時代が古いほうへ遡っているのですが、この頃では「改正区分所有法」や「マンション管理円滑化法」の立法趣旨のような議論が中心です。
○谷林正昭君 (略)先日、八十分やらせていただきまして、今度は、管理の適正化について今日はやらせていただきたいというふうに思います。
まず一点は、大規模修繕、これが二分の一になったということでございます。それから、形状又は効用の著しい変更は四分の三以上の決議、こういうことになっております。
法文上「形状又は効用の著しい変更」というのはなかなか不明確、法文上不明確であるというふうに思いますし、例えばバリアフリー化をした場合には、階段のスロープを付けた場合はどうなる、階段をスロープにした場合はどうなるのか、あるいは階段に手すりを付けた場合は二分の一でいいのか、四分の三必要なのか、そういうようなことも含めて、私は事例集積集みたいなものを作るべきだと、そして国民に周知するべきだというふうに思いますが、法務省の考え方はいかがでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) お答えいたします。
今回、改正によりまして、マンション管理の典型例である大規模修繕、これにつきまして、従来は多額の費用を要するということから四分の三以上の決議が必要とされるという解釈でございましたのを改めまして、
著しい形状又は効用の変更がない限りは二分の一の多数決で決められるということといたしました。この趣旨としましては、マンションの維持管理に不可欠であるそういった修繕をより容易に行ってマンションを長く使えるようにすると、こういう観点から行ったわけでございます。
法文上定めております形状又は効用の著しい変更というのがどういう場合に当たるかということでございます。ここで共用部分と申しておりますのは専有部分以外の建物の部分、典型例としては、廊下、階段等の構造上区分所有者の全員又はその一部が共用する部分、それから屋根、外壁、支柱など建物全体の基本的構造部分をいうわけでございますが、これらについて、
その形状、要するに外観、構造等を変更する、その程度が著しい場合、あるいはその機能や用途を著しく変更する、こういったものが法律で定めております形状又は効用の著しい変更に当たるわけでございます。典型的な例といたしましては、
例えば階段、これをエレベーターに変えると、こういうような場合には形状が著しく変更されております。あるいは共用部分として例えば集会室に用いていたもの、これを用途を変えまして賃貸店舗にしてしまうと、こういったような場合は効用の著しい変更に当たると思います。
今申し上げたようなのは典型的な例でございますので間違えるおそれはないわけでございますが、確かに微妙な場合もあろうかと思います。総合的には、この変更を加える箇所、範囲、変更の態様及び程度、こういうものを総合して個別的に判断をしていかざるを得ないわけでありますが、御指摘のように、
この判断を的確に行うためにはそういった事例を集積するということは非常に効果があるのではないかと思っております。私どもとしても今後そういった事例の集積あるいはその周知ということに努めてまいりたいと考えております。
○谷林正昭君 事例の集積、蓄積、こういうものは、安心を持って、あるいはいろんな決議のときに非常に参考になるというふうに思いますので、よろしくお願いをいたします。
そこで、今ほど公団の話をしましたけれども、これが十年目だったから、そして公団も、ああ、これは手抜きだった、失敗だったと認めていますからいいんですが、仮にこれが
二十年目ぐらいで、そして雨漏りがしてきた、そういったときにこれは正に大規模修繕をしなきゃならぬということになります。そのときに、大規模修繕するときにこの四分の三に当てはまらないところ、二分の一でできるというようなときに、もう非常に大きなお金が掛かる、個人負担になるといったときに、その過半数、いわゆる二分の一というのはどういう妥当性があるのか。私は、金額で決めるというのは難しいかも分かりませんけれども、非常に大きな金額になったときの二分の一の妥当性、これをお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(房村精一君) 今回、大規模修繕につきましては、その費用を問わずに二分の一で決められるということといたしましたのは、御指摘のように、例えば雨漏り等が激しいと、こういう場合に、これはマンションを維持しようと思えば修繕というのは不可欠でございます。そのときに多額の費用があるから四分の三の人たちの決議がないと修繕ができないんだということになってしまって、しかも住民の方々が過半数は超えているけれども四分の三に達しないと、こういう場合になりますと、みすみすマンションが修繕ができずにどんどん劣化するのを放置しなければならないと、こういう事態になってしまうと。
現在の状況といたしましては、できるだけマンションには手を加えて長く使う、こういうことが社会的にも要請されている、こういう社会状況を考えまして、私どもとしては、その費用の点をおいて、やはり必要な大修繕というのは過半数でできるようにしよう、これがマンションの長命化につながると、こういう考え方を持ちまして、今回、費用の点を除いて、著しい形状あるいは効用の変更がない限りは過半数でできるとしたものでございます。
それと、もう一点、
一般的に申し上げまして、形状とか効用を著しく変えないという程度であれば額的にはそう多額にはならないのではないか、それが通常であろうと、そういうようなことから今回この改正をお願いしているわけでございます。
○谷林正昭君 おっしゃるとおり、要はそのマンションを長もちさせるためには修繕が必要だという観点から、その二分の一というのは私も妥当ではないかなというふうに思っていまして、再確認のためにちょっと問いをさせていただきました。
しかし、
今度は問題は、どうしてもやっぱりお金払えないと、積立金もそうないといったときに、負担できない場合、しかし出ていってくれとは言えないと、そういったときに何か知恵を絞って、共有持分の割合を増減する形でだれかに譲り渡すとか譲り受けるとかいうような形で穏便にそこにまた住み続けるというようなことも私は必要ではないかと思いますけれども、そういうことができるのかどうか、お聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(房村精一君) ただいま申し上げましたように、修繕というのは不可欠なことでございますので、これはできるだけそういうことに備えて積立金をきちんと積んでいただくということが望ましいことは間違いないと思っておりますし、そういう点の周知を私どもとしても今回改めて努力をしたいと思います。
ただ、御指摘のように、ぎりぎりのところ、修繕をしたら相当の費用が掛かったという場合もあろうかとは思います。そういう場合どうするかということでございますが、一般的には、修繕の費用ですので全く復旧工事を大々的に行うとか建て替えをするという場合に比べれば額としては比較的少額で、特に持っておられる専有部分の価額に比べればそう多額にはならないのではないか。そう思いますと、一般的には、基本的に管理組合、同じマンションの住人同士の間のことでございますので、長期分割にするとか、適切な対応ができるのではないかと思っております。
自分の持っている所有権の一部を他の人に譲渡することによってその負担を変えるということは、一般的に言えば、所有権の一部を譲渡して代物弁済として債務の弁済に充てるということは民法の一般原則としてはあり得ますので、そういうこともあり得ようかとは思いますが、ただ、それを取るとかなり法律関係が複雑になるのではないかという気はしておりますが、全く不可能ということではないようには思います。
○谷林正昭君 不可能ではないということですね。あとは難しいだけだと、法律的に。しかし、法律的に言ってもできるという判断でございますね。はい、よく分かりました。確認をさせていただきました。
次に、管理組合、先日もちょっと質問をさせていただいたんですが、区分所有法を読んでいきますと、第三条の法文に区分所有者の団体というのが出てまいります。よくよくそれを読み返していきますと、それは管理組合のことだということが分かります。そして、四十七条には管理組合法人というのが出てまいります。しかし、お話を聞くところによりますと、この法人化された管理組合はほんのわずかしかないというふうな話にも聞いております。そういう意味では、これらの修正をしてくれということになったらちょっと面倒かも分かりませんけれども、私は今度の見直しのときに、次の見直しのときに、あるいは何かの流れの中で、
やっぱりこの管理組合というのは日ごろの重要性も含めて法文にしっかり位置付けるべきだ、そういうふうに感じます、思います。そうすることによって、管理組合というのは、あるかないか分からないような状況だとか、理事長が毎年替わるとか、お世話をなかなかだれもやりたがらないとかということではなくて、そのマンションの自治、いわゆるコミュニティーの醸成、そういうようなことも含めて、管理組合をしっかりしたものにするためにも法文上しっかり位置付けるべきだというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) 御指摘のように、マンションの維持管理、あるいはそれのみならず、そこの住民のコミュニティーにとっても管理組合というのは極めて重要な役割を果たすということだろうと思います。この存在なくしては適切なマンションの管理というのはできないと思っております。そういうことで法律の方も、管理組合の結成を当事者の任意に任せませんで、法律上当然に区分所有者は管理組合を構成するんだと、こういうことを定めたわけでございます。そういう意味では、法律としては管理組合の重要性を非常に重視するがゆえにもう当然の団体としたわけでございます。
ただ、そういう具合に
条文上書いたものですから、特に名前を付けなくても条文上は問題がないものですから、現行の条文では何の名前も付いていないわけでございます。ただ、それが仮に管理組合ということの重要性を国民の方が理解していく妨げになっているのだとすれば、私どもとしても今後そういった名前を付けるということも考えてまいりたいとは思いますが、現段階では法律的にはこれでも十分でございますので、この管理組合の重要性、特に今回の法改正によりまして今まで以上に重要な権限が与えられておりますので、そういう点を改めてマンションの住民の方々にも理解していただけるように周知の努力をしてまいりたいと、こう考えております。
○谷林正昭君 是非、管理組合の重要性というものを周知をする、できれば法文的にもしっかりしたものにしていただきたいなというふうに要望させていただきます。
次に、規約についてお尋ねをいたしますが、おとついも原始規約について少し議論がされました。この規約について、非常に、購入される方はうっかり思って、規約のことをうっかり思っているんですね。買ったときに、マンションを買うと同時に規約に判こを押して入ってくると、こういうことになっております。判こを押した以上は全員がその規約に合意したということになるわけでございますが、特に原始規約というのは非常に不公平な部分がたくさんあるんではないかというふうに思います。
例えば、地主さんが、土地を提供した地主さんはいつでもそこの駐車場を使えるようにするとか、あるいはそこに看板を立てる権利を自分が持ってしまうとか、そういうことが実は原始規約に仮にあったとした場合、それを後で気が付いて、これはちょっとおかしいよと、この人は入居もしていないのにどうしてそういう権利があるのと、こういうような話に必ず私はなると思います。
そこで、一つは、そういう不公平な規約を、気が付いたときにその規約は無効にできるのかどうか、これが一点。それからもう一点は、この原始規約を、どういうんですかね、みんなで決める規約に変更するときはどういう手続を経ればいいのか、新しいマンションに入ってくるのを全室埋まらなかったらそれができないのか。それとも、百人が入るマンションに五十人入ったら、その五十人の四分の三でみんなで決めた規約に切り替えられるのか、そこら辺りを少しお聞かせいただきたいというふうに思います。
○政府参考人(房村精一君) 規約の問題につきましては、御指摘のように、規約が公平さを欠いているということから訴訟に持ち込まれた事例もございます。そのようなことから、今回の改正に当たりましても規約を適正なものとすることが必要だということで、今回三十条に、規約につきましては、専有部分あるいは共用部分、建物の敷地若しくは附属施設について、「これらの形状、面積、位置関係、使用目的及び利用状況並びに区分所有者が支払った対価その他の事情を総合的に考慮して、区分所有者間の利害の衡平が図られるように定めなければならない。」、こういうことを明文で規定をいたしました。これは様々な事情がございますので、そういったものを総合的に判断してなおかつ公平を欠くんだ、こういうものは規約としては許さないということを法律の立場から明らかにしたものでございます。したがいまして、
規約が著しく公平を欠くような場合には、この条文に照らしまして無効とされるということも今後はあり得るということを考えております。
このことによりまして、規約をめぐる紛争に適切な解決が与えられるようになるのではないか、また、法律がこういうことを明定することによりまして、分譲に際して原案を作成する分譲業者等も適切な規約の案の作成を心掛けるようになることが期待されると思っております。そのようなことを通じて規約の適正さを図っていきたいと考えております。
それから、規約がいつ成立するかということですが、これは、分譲が一応済みまして区分所有関係が成立すれば、その時点でこの規約が成立しますので、仮に空き室があって残っている部分があっても、それは規約として成立したということになります。以後は規約改正の手続で、区分所有者の四分の三で規約の改正をしていただくと、こういうことになります。
○谷林正昭君 この規約というのは非常に微妙でありまして、例えば、新しいマンションに入るときに、このマンションでペットを飼ってはいけないと、こういうことを書いていないとしますね。そして、そこへ入る。そして、お年寄りが、例えば孤独を紛らわすためにペットを飼い始めた。ところが、周りの人たちはペットを飼ってもらっちゃ困る、だから規約でしっかり、ペットを飼わない規約を作りましょうということになったとします。そうしたときに、最初の原始規約はペットを飼ってはいけないということが書いていない、ところが、みんなで、四分の三でしたっけ、規約を作る、新しい規約を作ったときにはペットを飼ってはいけないと、こういったときに、そのペットを飼っている人はどうしたらいいのか。ペットを捨てなきゃならないのか、それとも出ていかなきゃならないのか、あるいはそのペットを買い続けてもいいのか。私は非常にその辺はこれから問題が出てくるというふうに思いますが、この具体的な例に対してお答えいただきます。
○政府参考人(房村精一君) 実は御指摘のような事件が裁判で争われたことがございます。
そこで問題となりますのは、まず第一に、マンションで、規約でペットの飼育を禁止するということができるかどうか、それから第二に、仮にそれができるとして、最初の原始規約でそう決めてしまえばよろしいわけでしょうが、御指摘のような当初規約がなくて、現にペットを飼っている人がいるときに、その規約を変更してそういった禁止ができるかと、二つの点が問題になりました。
裁判所で現在まで出ております裁判例では、まず最初のペットの禁止を規約で定められるかという点については、これは定められるという、合理的な制約として区分所有者は多数決の決定に従うべきであると、こういう判断が示されております。
それからもう一つ、じゃ、
現に飼っている人がいるときに規約の変更をして禁止できるかと、こういう点についても争われまして、高裁まで行った例もございますが、そこでは、確かに個別の事情はあるけれども、マンションという共同体で生活をする以上、やはり多数の意思でそういうことが決められれば、これに従わざるを得ない。例えば、盲導犬であるとか、そういう生活上必須の場合であれば格別、通常のペットの場合には、この区分所有法で言っている特別の影響、本人の同意がなければ変えられないと、こういう場合には当たらないということで、多数決で決められればそれに従わざるを得ないというのが現在までの裁判例としては出ているものの考え方でございます。
○谷林正昭君 裁判にまでなるということですから、私はちょっとこの規約というのは非常に厳格なものにしていかなきゃならぬのではないかなというふうに思います。
次に、
既存する不適格マンションについて国土交通省にお尋ねをいたします。
不適格マンションの事実を知らずに購入して、そして後で問題を認識する状況が多々あろうかというふうに思います。
中古市場の適正化、活性化、こういうものを図る上においても何らかの対策が必要だというふうに思います。
その対策の現状と今後の取組について、私は評価制度の検討、もし評価制度を入れますと、あのマンションは値打ちが下がるとか、こういうことになろうかとは思いますけれども、そういうことは横に置いたとしてでも、やはり評価制度みたいなものが必要ではないかなというふうに思いますが、いかがでしょう。
○政府参考人(松野仁君) 御指摘のような
既存不適格、特に容積率の不適格というマンションがあるわけでございます。これが中古市場で売られると、それを買う方がいらっしゃいますが、ただ、そのときに、購入者が契約に当たって、容積率が現行規制に合っているのかどうか、そのマンションの敷地延べ面積などを把握して将来の建て替えに備えるという場合もあろうかと思います。そのようなことのために、将来の建て替えに関する相談の適切な窓口を公共団体に設置していただくというつもりでおりますが、そういったところで相談していただく、あるいは建築士等の専門家の方々にも相談できるような情報提供体制などを整備するということを考えております。
ただ、先生お話しになりました住宅性能表示制度のようなもの、これで表示できないかというお話でございましたが、この制度は住宅単体のいわゆる物理的性能を主として評価するという制度でございまして、この性能評価機関が過去の経緯あるいは法改正の改正経緯までずっとフォローして調べなきゃいけないということになると、これはちょっと無理があろうかと思います。そういうことで、評価を一律に義務付けることはこの制度についてはちょっと無理ではないかと思っております。
○谷林正昭君 次に、この不適格マンションを建て替えるとき、建て替え促進ですね、これはいや応なしに都市再生だとかあるいはまちづくりの観点で建て替えざるを得ない場合が出てくるというふうに思います。ところが、不適格マンションですから、三十人住んでおれば三十人ともそこへまた住み続けるというのは非常に私は難しいと思うんですね。そうなってくることも予測されますので、この
不適格マンションの建て替え促進策、これについてあればお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(松野仁君) 御指摘のような問題がございまして、建て替える際に現在の容積率に適合させようとしますと大変小さな、今の床面積を下回る規模の建築計画とせざるを得ないというようなことが起き得るわけでございます。サンプリング調査の結果によりましても、例えば東京都内ですと、都市計画が実際に施行されました、容積率規制が一般的に施行されました、四十八、九年でございますが、
五十年以前に竣工した既存マンションにつきましては、その約六割程度が不適格と推計されるというような調査がございます。
こういったものの建て替えを積極的に進めていくためには、敷地内の空地の整備をして良好な建築計画にする場合には容積率を割増しをするという総合設計制度というのがございます。東京都におきましても、既存不適格マンションの建て替え問題に対応するという意味で、この総合設計制度を活用するというふうに表明されております。こういった制度を利用していただきたいというふうに考えております。
また、前回、さきの通常国会で
建築基準法等の一部改正がございまして、一定の要件を満たす場合には容積率制限の緩和が建築確認でできるという制度も作りましたので、この制度が有効に機能するのではないかと思います。
また、今回の改正案で、敷地の同一性要件を緩和するということで、隣接地を買収して不適格マンションの建て替えを更にスムーズに進めるということが可能になったということがございまして、この制度も活用していただきたいというふうに考えております。
○谷林正昭君 是非、私は、この不適格マンションの建て替えというのは不可欠だというふうに思っていますし、進めなければならない問題だというふうに思います。そのときには、そこに入居をされている方々のやっぱり権利だとか人権だとか、そういうものはしっかり守ってあげなければならないというふうに思いますので、そこら辺りの配慮を今後も要請をさせていただきたいというふうに思います。
そこで、一点提案でありますけれども、さきの六月のマンション
建替え円滑化法を成立したときに附帯決議が付いております。最後の方に、
「国土交通省と関係行政機関との十分な連携を行うことにより、マンションの管理、建替え等に係るマンション法制の有機的な運用が図られるようにすること。」という附帯決議を実はこの委員会で付けさせていただきました。
そこでお尋ねをするわけでございますが、今、マンション関係の法律が三本あります。法務省、それと国土交通省二本、法務省一本。こういうことについて、私は、共管といいますか、マンション法制一本化するべきではないか、そういうふうに思っておりますが、お考えがあればお聞かせいただきたいというふうに思います。
○国務大臣(扇千景君) さきの国会で皆さんに御賛同いただいて通りましたマンションの
建替えに関する円滑化法、この法案のときに、今おっしゃったように附帯決議で、おっしゃいましたけれども、少なくとも今のマンションに関します法制度ということから考えれば、今おっしゃいましたように円滑化法、それから区分所有法、そういう、マンション管理適正化法、こういうセットができているわけでございますけれども、少なくともマンションの
建替えの円滑化法、これに関しましてはいろいろ御論議いただきましたけれども、マンションを建て替えるために円滑に進めるための事業手法ということでございまして、これは
住宅とか建築行政を担当する地方公共団体とのこれは連携に加えるわけでございますので、そしてまた公営住宅のあっせん等、少なくとも居住の安定の確保等に関する施策の充実が不可欠であることから、これはマンション管理士という、これも皆さんに御論議いただきましたマンション管理士等について、マンションの管理適正化法とともに、これを住宅とかあるいは建築行政というものを担当して国土交通省がこれを所管しているというのは今おっしゃったとおりでございます。
けれども、一方、今回の区分所有法は所有権という権利でございまして、これは区分所有権という特別の権利に関する基本的なルールを決めるものであり、民法とそして商法、この両面から私人の権利に関する基本ルールを定める法律と同様に、これは民事法制に関する企画立案に関する事務を担当する法務省において今所管されているということでございまして、私は、さきの附帯決議に、おっしゃいましたように、これは車の両輪でございますので、そういう意味ではお互いに十分な連携を取ることが重要であると、そう思っておりますし、また今回の法案に立案に当たりましても、私たちは両者が一致協力して、少なくとも法務省がお書きになって言葉が少し難し過ぎるなという、この間御注文も出ましたけれども、法的には理解し難い、一般の皆さんにはなじみのない言葉がなきにしもあらずだとは思いますけれども、ある意味では法的にはむしろそれがきちんとされているという意味で、今後とも、私たちは両省が一致協力して取り組んできておりますし、また今後も、私はより所有者の皆さん方、別々の省で所管しているということが弊害にならないように、今の、今回の、現行というものを、よく綿密な連携を取って、住んでいる皆さん方が一番、ワンストップサービスという言葉を使うと何か両省一緒になれというふうに聞こえますけれども、皆さん方が迷うことのないように一層連携を取っていきたいと思っています。
○谷林正昭君 是非連携をより強く取って、おとついの審議でも出ましたが、国土交通省が下請をしているという、そういう話はやめましょうね。これはやっぱり連携をしっかり取りながらやっていくということでよろしくお願いをいたします。
最後になりますが、時間の都合で最後になりますが、先日も話ありました住宅の品質確保の促進、いわゆる品確法があります。この
品確法にマンションの評価制度が入っているというふうに初めて先日知りました。私も勉強不足で知らなかったんですが、私はそれをより、さらに、入っているとすれば充実し、普及を図るべきだというふうに思いますし、とりわけ設計性能評価制度、あるいは建設性能評価制度、建設性能ですね、建設の性能ですね、そういうものを、評価制度、こういうものをしっかり私は充実、普及を図るべきだというふうに思いますが、御見解があればお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(松野仁君) この住宅の品質確保の促進等に関する法律、通称品確法と言っておりますが、この性能表示制度、これはマンションも戸建ても両方できることになっております。
この制度を使いますと、先ほどちょっと話題になりました公団の欠陥住宅問題がございましたが、これは
設計段階の評価、これはどのぐらいのグレードになるという評価も当然できますし、それから工事の後の建設評価というのも出せることになっております。その後で評価を出すためには、工事の途中のプロセスを検査するという仕組みになっております。少なくとも、ちょっとした小規模なものですと四回途中で検査をすると。少し階数の大きなものになりますと六回も検査するということですから、欠陥工事のようなことが未然に防げるという制度でございます。これを是非今後も活用していただきたいということで、我々もこの普及啓蒙に努めてまいりたいと考えております。
○谷林正昭君 なぜわざわざこれを言ったかといいましたら、先ほど最初に取り上げた欠陥マンション、それと同じような状況が今私は起こりつつあるんではないか。というのは、
このときはバブルで業者が忙しかったからこうせざるを得なかった。ところが今度はそうじゃなくて、マンションを建て替えするに当たってでも、
もうけを出すためには非常に安い単価で受けざるを得ない。そうなってくると、そこからもうけを出すときにはやっぱりまた手抜きという問題が出てくる可能性が非常に心配だ。したがって、私は最初にこの問題を出して、最後には今のマンション建て替えするときにはしっかりした検査、しっかりした評価制度、こういうものをやっていかなきゃ駄目ですよということを最後に言いたかったわけでございまして、いろいろこの後また議論されると思いますが、私の質問はこれで終わらせていただきます。
ありがとうございました。