東北のマンション管理組合が情報交換するブログ。

福島県福島市在住のマンション管理士が書いてます。管理費の節約・修繕積立金の不足・理事会・リプレイス。マンションは快適ですが、未解決の問題も山積みです。文章が長くて申し訳ないです。

国会会議録からマンション管理を考える。5 

管理人のコンドーです。マンションの管理委託に関しては、現在、新たな方向性が国で検討されているところです。ひとつは、「新たな管理者方式」といわれる全面委託を可能とするもので、マンションの所有者でつくる管理組合の理事会が担ってきた管理業務を全面的に外部委託するのを認め、高齢化などで運営が難しくなっている理事会がなくても、建て替えや修繕が円滑にできるようにするのが狙いです。

この「新たな管理者方式」では、管理組合による修繕積立金の徴収を義務づけることも検討されており、国土交通省は、2009年度から新制度導入を目指し法改正も視野に入れています。ちなみに、この「新たな管理者方式」は、最近(3月23日)の日経新聞の朝刊1面のトップ記事にも取り上げられました。

前置きが長くなりましたが、今回は「信託方式」というものを取り上げます。こちらも大分前ですが、同じく日経新聞のトップ記事を飾った記憶があります。この信託方式とは、マンションの所有者が所有権を信託会社に移転(信託登記)し、信託会社に管理をまかせるというものです。

それではこれに関する平成18年に行われた信託法案及び信託法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の審議からの抜粋です。



(要旨)

・ 区分所有権及び敷地利用権をマンションの管理業者に信託をする事が改正信託法で可能となる

・ マンション管理業者は信託業法の適用を受ける

・ 信託において全部管理権が受託者に属していれば、大規模修繕も受託者が単独で決するとことが可能となる



165 - 参 - 法務委員会、財政金融委… - 1号
平成18年12月06日

○委員長(山下栄一君) これより法務委員会、財政金融委員会連合審査会を開会いたします。
 先例によりまして、私、法務委員長が連合審査会の会議を主宰いたします。
 信託法案及び信託法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の両案を一括して議題といたします。
 両案の趣旨説明及び信託法案の衆議院における修正部分の説明につきましては、お手元に配付いたしました資料により御了承願い、その聴取は省略いたします。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

(中略)

○西田実仁君 続きまして、このやはり信託の活用ということで、マンションの管理ということと信託ということについて若干お聞きしたいと思います。
 今後、これから、分譲マンションでございますけれども、分譲マンションについてはかなり高齢化というものがどんどん進んでいく、そうしますといわゆる管理組合も、なかなか役員等を引き受けようとしない人も増えてくる、そうした社会的な背景があります。また一方で、分譲マンションといいながら賃貸化が進んでいるというような問題もよく指摘されているところでございまして、この分譲マンションの区分所有者全員がすなわち委託者であり受益者になりますけれども、マンションに居住しつつ、その有する区分所有権及び敷地利用権をマンションの管理業者、これが信託の受託者というふうになると思いますけれども、に信託をすると、こういうケースが今後様々、この改正信託法でもやはり活用、利用できるんではないかと思いますけれども、いかがでございましょうか。

○政府参考人(寺田逸郎君) これは、どれぐらい御利用になられるかはまだ何とも判断しかねるところでございますけれども、そういう利用が信託法上可能かという御質問でございますれば、それはそういうことも十分に考えられるということでございます。

○西田実仁君 その場合に、この区分所有者全員とマンションの管理業者との間で、今言われたようにこの改正信託法を使って信託契約が成立した場合これは民事信託になるのか、それとも信託業法に定めるところのいわゆる管理型信託になるのか、どちらになるんでしょうか。

○政府参考人(三國谷勝範君) 信託業法の適用問題かと存じますので、私どもの方からお答えをさしていただきたいと思います。
 御指摘のようなマンション管理業者につきましても、そのマンション管理業者がその信託の引受けを営利の目的を持って反復継続して行うのであれば、信託業法の適用を受けることになると考えております。

○西田実仁君 今後そうしたことがどのぐらい増えるのかという、いろんなニーズというものがどのぐらい増えるかということによるのかもしれませんけれども、いろんな社会的な背景を考えるとこうしたことも必要になってくるんじゃないかというふうに私自身は思っております。
 そうしますと、今の営利を目的として反復継続された場合には業法の規制対象になるということになりますと、やっぱり先ほどの中小企業がこの改正信託法をどう活用するのかという観点とある意味では同じでございますけれども、様々なこと、実態を踏まえながら、いかに活用できるかということも、一方で悪用を防ぐということと同時に考えていかなきゃいけないと、こういうふうに私は思っております。
 ちょっと具体的なことでございますけれども、仮にこの信託契約が成立した場合に、大規模修繕を行うというケースがございますね、マンションですから。その場合には、信託契約が成立していれば受託者、すなわちここの場合でいえばマンション管理業というふうになりますけれども、受託者の裁量のみでこうした大規模修繕を行うことが可能になるのか、それとも委託者、受益者、すなわちそこの居住者ですけれども、その多数決あるいは全会一致によって行うことになるのか、この点はいかがでございましょうか。

○政府参考人(寺田逸郎君) 御承知のように、共用部分の変更に当たるわけでございましょうけれども、そういう場合には、区分所有者の頭数と議決権のそれぞれ四分の三以上の多数による集会の決議でもって事を決するということが区分所有法上の規定になっております、この場合の区分所有者の頭数、議決権というのをどうやっておっしゃるように信託に付されている場合に数えるかでございますけれども、これは基本的には、その信託が行われている場合には全部管理権というのは受託者に属しておりますので、受託者が単独で決するということが原則でございます。
 ただ、この点は、もちろん信託行為、つまり契約でございますけれども、それでいろいろな定めをすることが可能でございますので、最終的にはその定めに従う、つまり例えば区分所有者の意見を聞いて決めるというようなことも十分に可能でございます。

○西田実仁君 じゃ、その信託契約の中身によるということですね。
 委託者や受益者が亡くなった場合、その地位の承継というのはどう考えるべきなんでしょうか。

○政府参考人(寺田逸郎君) 委託者が死亡した場合は、これは規定がございまして、遺言信託の場合を除いては、それは委託者の地位がその相続人に承継されるということになります。
 それから、受益者が死亡した場合には、これは受益権は、むしろ当然のことでございますけれども、受益者の相続人に承継されるわけでございます。

○西田実仁君 いろいろとこれから活用されていく中で、先ほど申し上げましたとおりでございますけれども、業法の参入規制等もいろいろ見直しも必要になってくるんじゃないかというふうな視点でちょっと質問をさせていただきました。

(後略)
[ 2008/04/08 14:15 ] 法律と判例 | TB(0) | CM(0)
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