東北のマンション管理組合が情報交換するブログ。

福島県福島市在住のマンション管理士が書いてます。管理費の節約・修繕積立金の不足・理事会・リプレイス。マンションは快適ですが、未解決の問題も山積みです。文章が長くて申し訳ないです。

国会会議録からマンション管理を考える。8-2/4 

管理人のコンドーです。今回は平成14年11月15日に行われた建物の区分所有等に関する法律及びマンションの建替えの円滑化等に関する法律の一部を改正する法律案の審議模様(2/4)です。

前回取り上げた審議内容の抜粋も興味深いものでしたが、今回は「大規模修繕の一時金が負担できない住戸はどうなるのか」その辺りについてもコメントされています。



Q.修繕積立金を超えてしまうような定期的な大規模修繕の場合に、負担できない区分所有者が出た場合はどうなるのか。
A.最悪のケースとしては競売になる。

(政府側の見解)
・(修繕積立金の不足が出た場合、)マンションの区分所有者で構成されている管理組合との間でもございますので、分割支払いにするとか、それはそれなりの適切な解決が図られて、理論的にはもちろん区分所有の競売ということもあり得るわけですが、その額と区分所有の額とを比較いたしますと、そのようなところまで進むということは通常はないのではないかというぐあいに考えている。

(委員の経験談)
・私の阪神大震災の経験からいいますと、あれだけマンションが被害を受けて、もう半分壊れている、大規模な被害を受けている状況の中であっても、五分の四の合意形成というのは大変難しいものがあった。


(※コンドー注記)
相当老朽化したマンションが大規模修繕をする場合、区分建物の価額より、修繕積立金の不足に対する一時金の方が多額になるケースは、地方都市では十分想定されます。



155 - 衆 - 国土交通委員会法務委員… - 1号
平成14年11月15日

○赤羽委員 公明党の赤羽一嘉でございます。
 私は、八年前の阪神・淡路大震災の折に、震度七の激震が襲いました神戸市東灘区のマンションに住んでおりまして、あのときの経験を通して、実は、マンションの建てかえというものは遠い将来いつかは来るだろうと。コンクリートは六十年ぐらいもつということでありますから、まだまだ先の話と思っていたマンションの建てかえ、または大規模修繕というものが、現実のものとして一挙に大量に起こった。いまだに、そのときのルールづくりが明確でないがために、まだ裁判で争われている例もある。そういった混乱の中で、私たちは二つのことを非常に教訓といたしました。
 一つは、マンションというのは、いかに維持管理が大事なのか、どういうふうに維持管理のレベルを上げていくのか。もう一つは、大変なダメージを受けた場合、また、老朽化といっても、相当な老朽化になると思いますが、そのときに大規模修繕にするのか、または建てかえをするのか、そういった合意形成または合意形成後の段取りを進めていく枠組みをどのようにつくっていくのか。こういったことを問題点としながら、我が党もマンション問題研究会というものを設立して、そして二〇〇〇年十二月にマンション管理適正化法、そして通常国会にマンション建替え円滑化法、そしてこの臨時国会で区分所有法の二十年ぶりの改正がなされるということは、私も阪神・淡路大震災のマンション居住者の被災者の一人として、感慨深いものがあるわけでございます。
 この中身、もう委員会でも随分質疑、議論を繰り返しておりますが、まず質問の前に、私の考えを一点申し上げておきたいのは、今回の区分所有法で建てかえの決議要件が五分の四以上の賛成ということになった。このことについて、要するに少数派に対する保護はと、こういったことが指摘され、それはもちろん当然なことでありますが、私の阪神大震災の経験からいいますと、あれだけマンションが被害を受けて、もう半分壊れている、大規模な被害を受けている状況の中であっても、五分の四の合意形成というのは大変難しいものがあった。建てかえをするというのは、やはりそれだけ経済的な要因、大変大きな圧迫になります。生涯で一回の買い物のはずのマンションをもう一度買いかえなければいけないというのは、大変な困難が伴う。
 その中で、私は逆の考えで思うんですが、今後、老朽化という中で建てかえを希望する区分所有者というのは、恐らくほとんどいないんじゃないか。基本的には、やはり大規模修繕、リフォームでやっていこうとするのが当たり前の話だと思います。
 しかし、最終的な区分所有者の希望として、やはりこうなった以上建てかえをしなければいけない、こういう希望者が区分所有者全体の八割以上を占めるという状況というのはどんなものなのか、想像をすることもできないような恐らく大変な状況になるのではないか。そのときに、建てかえをしようという人が五分の四以上いるのにもかかわらず、その人たちの思いが、要求が通らないというのは、これは弱者保護というのももちろん大事でありますし、我が党もすごく真剣に考えておりますが、それ以上に、多数の皆さんの希望が通らないというのは、この民主主義の社会の中でどうなのかな、こういう思いがいたしまして、通常国会からもこういった議論を重ねた中で、今回、区分所有法の建てかえ決議が非常にシンプルに五分の四以上の賛成があるということに絞られ、それから先はやはり私的自治ということにゆだねられるというのは、私は、この改正はよかったのではないかということをまず申し上げておきたいと思うのでございます。
 同じ中で、マンションの現状維持とか原状回復ですね、外壁の補修とか屋上防水、給排水管の定期的な修繕。マンションを維持管理していく、状況をよくしていくためのいわば定期的な大規模修繕の決議要件が、今回、これまでの四分の三以上ということから二分の一以上に要件緩和されたわけでございます。
 私はここでこの前もちょっと質問をしたんですが、大規模修繕といってもやはり相当な金額になる場合がある、そのために修繕積立金というのが積み立てられているわけでございますが、修繕積立金を超えてしまうような定期的な大規模修繕の場合に、やはり負担できない区分所有者というのは出てくると思うのです。そういった方たちはどうなるのか。これについて、前回民事局長の御答弁では、一般論としての御答弁だったと思いますが、究極的には、最悪のケースとしては競売になるというような形の御答弁がありました。
 これについては、私は前回の委員会でも申し上げましたが、やはり何らかの手だてがないと、大規模修繕はやりたい、積立金も積んできた、しかしそれを超える負担が発生する、こういった場合に今のルールではどうなるのか、ちょっとまず局長からもう一度御答弁をいただきたい。局長、よくわかっていると思いますが、よろしくお願いいたします。

○房村政府参考人 御指摘のように、大規模修繕は、今回、四分の三から二分の一にという改正をいたしました。その趣旨は、もう御指摘いただいたとおり、マンションにとって、これを長もちさせるためには大規模修繕が必要だ、それが現在四分の三という非常に重い決議をしなければ本来必要な修繕ができない、こういうことからこれを二分の一に軽減したものでございます。
 もちろん、そういう建物全体の維持に必要な費用でございますので、この大規模修繕にかかりました費用というものは、それぞれの区分所有者の方々がその持ち分に応じて負担をしていただくということになります。
 場合によると払えない場合が出るのではないかという御指摘でございます。確かにそういう懸念もございますが、通常の大規模修繕というもので、例えば外壁塗装工事であるとか屋上防水工事であるとか給排水管工事であるとかというものが念頭に置かれて、これをある程度の年数ごとに計画的に行っていくわけでありますが、そのかかる費用としては、大体高いものでも一戸当たり数十万ということになっております。また、当然修繕積立金もありまして、それで賄っていくのが原則でございますので、仮に修繕積立金で賄えない場合というものがあるとしても、その額は、一戸当たりについて見ればさらに少額になるのではないか。
 この負担でございますが、これは同じマンションの区分所有者で構成されている管理組合との間でもございますので、分割支払いにするとか、それはそれなりの適切な解決が図られて、理論的にはもちろん区分所有の競売ということもあり得るわけですが、その額と区分所有の額とを比較いたしますと、そのようなところまで進むということは通常はないのではないかというぐあいに考えているところでございます。

○赤羽委員 多分、極端な事例ということでの前回の御答弁だったと思うんですが、ですから私は、この二分の一緩和のその前提として、その総額が修繕積立金の額におさまる場合はというふうなことを一項目つけた方がよりよかったのではないか、こういう御指摘をさせていただいたところでございますし、そういったことで基本的には運用していただきたいと思いますが、仮に、少額というのは、額が大きい少ないというのは、非常に主観的なというか、局長の場合少額かもしれないけれども、私にとっては多額だということも十分あるわけでありまして、なかなかそういったことは難しいのですが、負担ができないから、分割にしても何とか融資を受けなきゃいけない。国土交通省、住宅金融公庫の中に、リバースモーゲージ制度を活用した融資制度、マンション建てかえの強い味方、こういう制度もつくられましたけれども、こういったことはこの大規模修繕においては活用できるのか、対象となるのかどうか確認させていただき、この制度以外にもバックアップするような支援制度があるのかどうか、御答弁いただきたいと思います。

○松野政府参考人 大規模な修繕に積立金を超える費用がかかるという場合に、不足額の調達の必要性が出てまいります。この場合には、住宅金融公庫によりますマンションの共用部分リフォームに対する融資制度がございます。これを活用していただきたいと思います。
 それ以外の助成制度というお尋ねでございますが、一般的な修繕ですと、今申し上げましたような融資制度、公庫の融資制度を使っていただくということですけれども、それとあわせて、耐震改修をやるというようなことがあったときは、優良建築物整備事業というような、耐震改修に対する補助制度もございます。そういうことが活用できるケースもあろうかと思います。

○赤羽委員 十月三十日に経済財政諮問会議が発表されました構造改革を加速するための総合対応策の中に、実はいろいろなメニューがあるんですね、バリアフリー化のまちづくりを進めるんだとか。その中に、マンション建替え円滑化法並びに区分所有法の改正が構造改革の加速策、民需活用の加速策になるというような発表があったわけですが、これは私はちょっと筋が違うんじゃないかなと。今回の法改正というのは、あくまで土俵ができることであって、この法改正によってマンションの建てかえが進むということは現実にはあり得ないんじゃないか、建てかえとか大規模修繕のときの土俵づくりにすぎない、私はそう思うわけなんです。
 しかし、そういった流れの中で、このデフレの中で実際建てかえをするといっても、先ほどから言いましたが、経済的な負担ということを考えますと、区分所有権を担保にして融資を受けられるという話がありますが、地価がこれだけ下落してマンションの価値もこれだけ下がっていて、どれだけ区分所有権を担保に融資を受けることが実効性を伴うのか。
 それと、この前の答弁でも、住宅金融公庫に都市居住再生融資ですか、こういうものがあると言われていましたが、そもそも住宅金融公庫というのは将来なくなっていくという話の中で、民間だけの金融機関になってこういったことが、同じようなものが措置されるのかどうか。制度はできたけれども、ルールは決まったけれども、現実に経済的な支援制度がないがゆえに、この法律改正をしたものの実効性が何もなかったというのでは余りにも寂しいなと思いますので、この点について、よろしく。

○松野政府参考人 まず、共用部分のリフォームにつきまして、デフレの中で担保価値は下がっているのではないかというお話でございます。
 この制度は、実は共用部分を担保にするということ自体が余り実務的でないということもありまして、無担保で融資できるという制度にしてございます。そういう制度でございますので、ぜひ活用していただきたいと思います。
 それから、住宅金融公庫がいずれ廃止されて独立行政法人に切りかわるということが閣議決定をされておりますが、こうした公庫の融資制度そのものが将来どうなるか、都市再生融資も含めてどうなるかというお尋ねでございますが、その辺につきましては、将来、独立行政法人が設立されますが、金融公庫の従来担ってきた機能が民間のローンでどれだけ担える状況になっているかということを踏まえてその時点で判断するということになっておりまして、それはその時点で改めて全体の情勢を見るということになっております。

○赤羽委員 時間も限られてきておりますのでもう最後にしたいと思いますが、今回の法改正はできましたが、マンション問題というのは、まだまだ、耐震補強をどうしていくのかとか、先ほど大臣の答弁にもありましたスケルトン・インフィル住宅化促進というか、百年マンションを目指してどのような形にしていくのかとか、相談窓口をどう充実していくのかとか、実態では、やらなければいけないことはたくさんあると思います。
 この区分所有法につきましても、団地式の建物の一括建てかえ決議要件も各棟三分の二にしたというのは、実はこれは、それを進めるためにということなんでしょうけれども、ここについてもいろいろ御意見があるところでありまして、今回はこういう改正をいたしますが、現実のものとして出てくるのはこれからだと思うんですね。そのときにおいて、現場の皆さん、全国のマンション管理組合の連合会とか、本当にまじめに取り組まれているところもたくさんあると思いますので、今回の改正にとどまらず、現場の皆さんの声を聞いてよりよいものにしていっていただきたいということを強く念願し、増田副大臣にきょうは質問通告もしていてちょっと質問できなかったんですが、その部分だけ、今回の区分所有法の改正にとどまらない今後のことについて簡単に御決意をいただいて、質問を終わらせていただきたいと思います。

(続く)
[ 2008/04/25 14:54 ] 法律と判例 | TB(0) | CM(0)
コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する