管理人のコンドーです。今回は平成14年11月15日に行われた建物の区分所有等に関する法律及びマンションの
建替えの円滑化等に関する法律の一部を改正する法律案の審議模様(3/4)です。
Q.中古マンション等で建物の瑕疵等が存在した場合、売買で次の区分所有者に権利が移ってしまうと損害賠償請求ができなくなってしまうのではないか。
A.損害賠償請求権もあわせて譲渡してそしてその通知をするという任意の方法は当然とり得るわけですから、そこはそれぞれの事情に応じて売買当事者が合理的に判断してもらうというしかない。
(国から)
・建築基準法の定期報告制度などを用いましてそれらの把握をした上で、マンション管理組合にいわば指導するというようなこともこれから必要なのではないか。
155 - 衆 - 国土交通委員会法務委員… - 1号
平成14年11月15日
○一川委員 では次に、これは国土交通省に関係することかもしれませんけれども、今回の法律改正の一つの背景の中で、現状、マンションの管理が非常にやりづらくなってきているとか、あるいはまた建てかえを円滑にしたいという一つの問題意識の中で、区分所有者間のいろいろな紛争が最近はいろいろとふえてきておるとか、そういう中で非常に管理組合そのものが運営しづらくなってきておるとか、だんだん管理組合としての機能が働かなくなってきているというような傾向があるというふうなことを時々聞くわけでございます。私も、このマンションというものの、非常に快適なマンションで、スムーズにいっているところが大方だというふうには思いますけれども、しかし、近年のマンションの管理運営というこの段階が非常に深刻な問題を抱えてきておるというのを、片やそういう御意見もいろいろと聞くわけです。
最近の傾向としましても、東京でいえば、郊外にあった大規模マンションが、だんだん都心部に割と割安の良好なマンションがふえてきたということかもしれませんけれども、郊外のマンションから都心部のマンションに移転してくる、それで、従来自分が住んでいたマンションは賃貸に切りかえていくというような傾向がある。ですから、そこに住んでいた人がだんだん賃貸に切りかえることによって、逆にまた、自分のそれまでの投資分を回収するにはむしろその方がいいんじゃないかというようなことを思っておる人たちもだんだんふえてきておるということもあって、そういう傾向にこれからも拍車がかかっていくんじゃないかということを心配しておる専門の方もいらっしゃるわけです。
そのように、実際問題、マンションの居住形態といいますか利用形態もだんだん場所によっては変わってきておるということも含みまして、今現状のマンションというものが、本当に善良に管理組合を通じてしっかりと管理されている、そういう組合と、管理組合という組織があっても、あるいは組織すらつくれないところもあるのかもしれませんけれども、あってもなかなかしっかりとした管理運営ができていないというところもあるように聞くわけです。
現実問題、なかなか必要な
管理費といいますか積立金的なものがしっかりと徴収できないという話とか、さっきちょっと触れましたように、区分所有者間であるいは入居者の間でもっていろいろなトラブル、紛争が絶えないというようなこともお聞きするようになってまいりました。
そういう今のマンションの管理の実態というものをどうも正確に余りつかみ切っていないんじゃないかなというところをちょっと気にするわけですけれども、そういった、
特に問題が多いような、管理組合が余り十分機能していないと思われるような実態というものをどのように掌握されているのか、そのあたりを御説明願いたいと思います。
○松野政府参考人 マンションは、そのストック総数が既に四百万戸、居住者が一千万人という大変大きなシェアになってきております。都市の重要な居住形態となってきていると思います。
マンションの管理につきましては、
扇大臣もたびたび、マンションは管理を買えということをおっしゃっております。この区分所有者みずからの財産であるマンションを管理組合を通じて適正に管理するということは大変重要でございます。
委員御指摘のとおり、郊外で空き家になる、あるいは
リゾート地でマンションの区分所有者が別の場所に本拠を構えているとか、そういうケースがございます。それに伴いまして管理組合による適正な管理が行われていない場合があるというふうに認識しております。
平成十一年度にマンションの総合調査というのを実施いたしました。その結果を見ましても、一般的なマンションにおきましても、ある程度一定の区分所有者がマンションの管理状況に不満を持っているという結果も出ているところでございます。
こういった状況を踏まえまして、平成十二年にマンション管理適正化法が制定されたところでございます。管理組合に対し指導助言等を行いますマンション管理士制度を導入いたしますとともに、マンション管理に関します情報提供を行うということにしております。
こういった委員御指摘のような事態が生じたときに管理がうまくいかないというようなことになりますと、最終的にはやはりマンションの資産価値の低下ということが生じてまいります。そういった区分所有者自体にも大きな影響があるということを認識していただくというためにも、その
マンション管理士制度あるいは地方公共団体の情報相談窓口といいますか、そういったところも通じまして情報提供を進めていくということでマンション管理の適正化を進めてまいりたいと考えております。
○一川委員 今、局長の方からの御報告を聞いておりましても、最近、やはりそういうような実態がだんだんふえてきておるというふうに思います。
私は、こういった法律の整備、いろいろな法律も、割と管理が円滑にいっているといいますか、管理組合が管理組合らしい仕事をやっているところを対象にしたような法整備になっているような気がするわけです、それはそれでやむを得ないという面もあるわけですけれども。これからのいろいろな管理上の、あるいは建てかえに当たってのマニュアルづくりといいますか、いろいろな基準づくりといいますか、そういうマニュアルというのは、そういう管理組合が割と円滑にうまくいっているところは、もちろんそれはそれでいいんですけれども、むしろ、うまくいっていない、管理組合が非常に機能を低下してきておるというようなところを対象にしたようなマニュアルというのは、ある面では非常に大事だと思うんですね。
それを放置することによって、本来大規模修繕なりあるいは建てかえに持っていかざるを得ないようなマンションというものは、建築上も大規模な修繕を計画的にやらざるを得ない、あるいはまた、建てかえ計画をもうそろそろ皆さん方に提示せざるを得ないという段階に来ているにもかかわらず、そういうことをお世話するそういう組合がなかなか機能しないということは大変なことでございますので、むしろ、管理組合なるものが本来のそういう働きが十分できないというような現状があった場合には、そういうことに対するいろいろなマニュアルをもっとしっかりとつくっていただきたいというふうに考えるわけですけれども、そのあたりの基本的なお考えをお聞かせ願いたい、そのように思います。
○松野政府参考人 基本的には、先ほど申し上げましたマンション管理適正化法を制定いたしまして、マンション管理士制度というようなものをつくりました。それから、地方公共団体の窓口も設置するということを進めております。
こういったことを通じて適正なマンション管理を進めていきたいと考えておりますが、本当にその管理組合がうまく機能していないというようなところについては、そもそもその維持管理がうまくいかないで、結果として問題が生じているというふうなことがあり得ると思います。
建築基準法の定期報告制度などを用いましてそれらの把握をした上で、マンション管理組合にいわば指導するというようなこともこれから必要なのではないかというふうに考えております。
○一川委員 ありがとうございました。
以上で私の質問を終わります。
○阿久津委員 民主党所属の国土交通委員をしております阿久津幸彦でございます。
私は、国土交通委員会の中でもう既に一度質疑をさせていただいております。質疑に立たせていただいております。
その中では、私は、区分所有法は、初めに建てかえありきではなく、定められた法に、ルールにのっとりまして、居住者が争い事なく仲よく協力し暮らしていく中でマンションの長寿命化への道が開かれる法律でなければならない、また、高齢者など社会的、経済的弱者の財産権もしっかりと守られなければならない、そういう質問あるいは意見を述べさせていただきました。
さらに、高経年マンションについて、建物全体を建てかえる建てかえだけでなく、マンションの構造躯体はそのまま保全しつつ、内部改善や増改築を行う再生という選択肢も与えるべきではないかという意見も述べさせていただいたところでございますが、既に扇国土交通大臣の方からは、この法律は初めから建てかえありきという趣旨ではないということをはっきりと明言いただいております。
そこで、せっかくの法務委員会との合同審査でございますので、本法の趣旨が初めから建てかえありきではないことを法務大臣にも確認させていただきたいと思います。できれば法律的な解釈も交えながらお話をいただければ幸いでございます。よろしくお願いいたします。
○森山国務大臣 最近の百年マンションという言葉にあらわれておりますように、できる限り長期間にわたって建物が利用できるよう適切な維持管理に努めるべきであるという考え方も一般的になっております。
改正法案は、区分所有建物の建てかえ決議の要件の見直しを行っておりますが、これは個別の事情を離れて一律に建てかえを推進しようとするものではありませんで、あくまでも各区分所有者、各建物の実情に応じて、建てかえるか計画的に修繕を行い建物を維持するかについて、十分な情報を与えられた上で自主的に判断すべきことを当然の前提としているものでございます。
このように、改正法案においては、十分な配慮に基づき建てかえの要否が判断されるよう手当てがされておりますので、委員が御心配なさっているようなことは全くないものと考えております。
○阿久津委員 しっかりと確認をさせていただきました。ありがとうございます。
続きまして、前回私が国土交通委員会で質問をさせていただいたときにちょっと質問できなかった細かい点について、一点だけお伺いをしたいと思うのです。
二十六条に関連しまして、
中古マンション等で建物の瑕疵等が存在した場合、売買で次の区分所有者に権利が移ってしまうと損害賠償請求ができなくなってしまうのではないかという心配があるのですが、この点、いかがでございますでしょうか。
○房村政府参考人 御指摘の二十六条でございますが、今回の改正によりまして、建物の共用部分について生じた損害賠償金、これを管理者が区分所有者を代理して請求することができる、あるいは受領することができる、こういうことを定めております。
ただいまの御質問は、そういう損害賠償請求権を持っている区分所有者が区分所有権を他の者に譲渡する、そうすると新しい人が区分所有者になりますが、手当てをしておかないと損害賠償請求権そのものは売った前の持ち主のところに留保されてしまうので、管理者が区分所有者全員を代理して請求しようと思っても新しく買い受けた人の分は請求できなくなるのではないか、こういう御質問だと思います。
これは、実は、法制審議会でもいろいろ議論したんです。確かに、おっしゃるように、
新しい買い主のところに自動的に移るようにすれば管理人がすべて請求できるということになって便利であることは間違いないんです。ただ、問題は、瑕疵があって損害賠償請求権がある、それを買う人の立場から見ると、瑕疵があるものであれば瑕疵相当分を引いた値段でないと買いたくないというのが普通だろうと思います。そういう値段で買い受けた人が損害賠償請求権も来てしまうということになりますと、売った人は、瑕疵があって高く売れなかったその損害をだれにも請求できなくなってしまうということになるわけですね。
ですから、そういう
損害賠償請求権を新しい買い主に移そうと思えば、売り主の方は、本来瑕疵がなかったときと同じ値段で、いわば損害賠償請求権の価格相当分も代金に含めて売らないと元が取れなくなってしまう。そうなると、今度は買い受けた人は、観念的にはその損害賠償請求権という権利は来ますが、それで回収できるかどうかという保証はどこにもないわけです。それを行使して結局取りっぱぐれてしまったら、買い受けた人が損を強制されることになる。
そういういうことで、瑕疵のあるものの売買の場合には、瑕疵に基づく損害の危険をだれが負担するかということが常に問題になります、片方を保護しようと思えば片方が損害をこうむるという関係になりますので。
民法では、この点については当事者の話し合いに任せます、ですから損害賠償請求権も含めて買い主が行使します、こういうことであれば、売り主としてはその損害賠償請求権相当額も代金としてもらわないと売れない。それで、買う方とすると、逆に、いや、瑕疵のあるものはそんな高い金は払えないということになれば、損害賠償請求権は売り主に留保して、それで瑕疵のあるものとしてそれ相応の価格で買う。そういう合理的な判断を売買当事者の双方がそれぞれの事情を考慮して適切に判断していただく、これが民法の原則になっています。そういう民法の原則を、管理者に代理行使させるという必要性だけで簡単に覆していいか、これが非常に大問題でございます。
そういうことで、結局法制審議会の中でも、やはり、確かにそうすれば便利なことは便利だけれども、その行使を考えて、
損害賠償請求権もあわせて譲渡してそしてその通知をするという任意の方法は当然とり得るわけですから、そこはそれぞれの事情に応じて売買当事者が合理的に判断してもらうというしかないのではないか、法で強制しようと思うと検討すべき課題がさまざまなものがあるということから、今回は従来どおりの扱いにしようということになったわけでございます。
〔佐藤(剛)委員長代理退席、久保委員長着席〕
○阿久津委員 せっかく便利にした法改正ですので、そこのところ、運用面でこれからも気遣っていただければというふうにお願いしたいと思います。
続きまして、私どもは、再生という、先ほどもお話をした概念で、大規模修繕への道をどうやって開いていくかということを一つのテーマにしておりますけれども、物理的耐久性の高い構造躯体、スケルトンというんですが、それと、可変性を有する内装、間仕切り、インフィルとを分離することにより長寿命の集合住宅の供給を可能とする
スケルトン・インフィル住宅について、この住宅を広く活用するお考えはあるかどうか、中馬国土交通副大臣の方にお伺いしたいと思います。
○中馬副大臣 戦後の木造賃貸住宅等に入っていらっしゃった方が市営や公団の二DKに移ったときには、これはもう本当に一つのステータスのようなものでございまして、もちろん、これがすぐに建てかえということではなくて、物理的には六十年もつものだということの認識の上でそこにお住まいになっておったと思います。しかし、その後、経済成長の中で、それまでは手回しの洗濯機であったのが大型の電気洗濯機になってくる、電気の冷蔵庫がと、そしていろいろと家庭の備品もふえてくると、到底それは狭くて、経済的な耐用年数に合わなくなってきている。それどころか、物理的にも、配管が腐ってくるとかあるいはまた目詰まりするとかいろいろなことで、少しそれを広げよう、あるいは改造しようとしましても、それはもう改造するよりも建てかえた方が安いんじゃないか、こういったようなことになってきて、現在のいろいろな問題が起こってきていることは御承知のとおりと思います。
そういうことで、我が建設省といいましょうか、国土交通省に今なっておりますが、建設省の時代から、建設省の建築研究所におきまして、総合技術開発プロジェクト、ネーミングは長期耐用都市型集合住宅の建設・再生技術の開発という長い名前でございますが、こうしたプロジェクトを立ち上げまして、平成九年から十三年、研究してまいりました。その研究結果を踏まえまして、先ほど委員御指摘のこのスケルトン・インフィル住宅というのを実用化に向けて今実行を始めているところでございます。
やはり、長期にわたり良質なストックとして活用していくことが望ましいわけでございますから、一つの躯体部分がしっかりとした形で、あと内装はその時々によっていろいろと変えることができる、転売した方も、またそこで買われた方も、そこの中で、自分に合った形での間取りだとか室内改装できる、そういう形のものをこれからは目指していく所存でございます。
百年住宅とも申しますけれども、こうしたことにおきまして、品確法におきましても極力劣化をおくらせる対策や、維持管理のしやすさについて表示して情報提供を行うことを義務づけておりますし、住宅金融公庫融資におきましても、耐久性を有する住宅に対しての優遇措置を講じておることは御承知のことかと思います。
今後とも、こうした施策を通じまして、SI住宅を含めました耐久性の高いマンションの普及を推進してまいる所存でございます。
○阿久津委員 スケルトン・インフィル住宅は、ある意味でイージーオーダーの再生への道を切り開く一つの手段かなというふうに私は考えています。
最後に、オーダーメードの再生に成功した例を紹介しまして、終わらせていただきたいと思うんです。
柿ノ木坂東豊エステートというマンションが世田谷区にあるんですけれども、これは一九七〇年に建てられたものでございます。御存じのとおり、一九七一年に大規模法改正がありましたから、それより前の住宅ということになります。この住宅は、一九八七年、十七年目にコンクリート躯体の修繕という大規模修繕を行いました。さらに、一九九九年、三十年目に大規模修繕を行ったんです。このときは、耐震補強、それから居住者の高齢化に伴ってバリアフリーの整備を行いました。さらに、御婦人方の要望を取り入れて、エントランスのところを真っ赤におしゃれに改装したんです。非常に満足度も高い再生の成功例だと思っています。
大体お金が幾らぐらいかかったのですかという話を伺ったんですけれども、これはちょっとなかなか難しいんですが、最後の三十年目の修繕のときは百万円強ぐらいで済んだそうでございます。
つまり、知恵を使っていけば、マンションは使い込むほど価値が出てくるというふうにもとらえられるわけで、社会経済情勢や建物の状況に応じた的確な管理を実施することによって、マンションの建てかえの道とともに、マンションの有する効用が可能な限り維持増進されるという道も、この法改正の中でぜひ適切に運用されますよう最後にお願い申し上げまして、私からの質問とさせていただきます。
どうもありがとうございました。
○一川委員 では次に、これは国土交通省に関係することかもしれませんけれども、今回の法律改正の一つの背景の中で、現状、マンションの管理が非常にやりづらくなってきているとか、あるいはまた建てかえを円滑にしたいという一つの問題意識の中で、区分所有者間のいろいろな紛争が最近はいろいろとふえてきておるとか、そういう中で非常に管理組合そのものが運営しづらくなってきておるとか、だんだん管理組合としての機能が働かなくなってきているというような傾向があるというふうなことを時々聞くわけでございます。私も、このマンションというものの、非常に快適なマンションで、スムーズにいっているところが大方だというふうには思いますけれども、しかし、近年のマンションの管理運営というこの段階が非常に深刻な問題を抱えてきておるというのを、片やそういう御意見もいろいろと聞くわけです。
最近の傾向としましても、東京でいえば、郊外にあった大規模マンションが、だんだん都心部に割と割安の良好なマンションがふえてきたということかもしれませんけれども、郊外のマンションから都心部のマンションに移転してくる、それで、従来自分が住んでいたマンションは賃貸に切りかえていくというような傾向がある。ですから、そこに住んでいた人がだんだん賃貸に切りかえることによって、逆にまた、自分のそれまでの投資分を回収するにはむしろその方がいいんじゃないかというようなことを思っておる人たちもだんだんふえてきておるということもあって、そういう傾向にこれからも拍車がかかっていくんじゃないかということを心配しておる専門の方もいらっしゃるわけです。
そのように、実際問題、マンションの居住形態といいますか利用形態もだんだん場所によっては変わってきておるということも含みまして、今現状のマンションというものが、本当に善良に管理組合を通じてしっかりと管理されている、そういう組合と、管理組合という組織があっても、あるいは組織すらつくれないところもあるのかもしれませんけれども、あってもなかなかしっかりとした管理運営ができていないというところもあるように聞くわけです。
現実問題、なかなか必要な
管理費といいますか積立金的なものがしっかりと徴収できないという話とか、さっきちょっと触れましたように、区分所有者間であるいは入居者の間でもっていろいろなトラブル、紛争が絶えないというようなこともお聞きするようになってまいりました。
そういう今のマンションの管理の実態というものをどうも正確に余りつかみ切っていないんじゃないかなというところをちょっと気にするわけですけれども、そういった、
特に問題が多いような、管理組合が余り十分機能していないと思われるような実態というものをどのように掌握されているのか、そのあたりを御説明願いたいと思います。
○松野政府参考人 マンションは、そのストック総数が既に四百万戸、居住者が一千万人という大変大きなシェアになってきております。都市の重要な居住形態となってきていると思います。
マンションの管理につきましては、
扇大臣もたびたび、マンションは管理を買えということをおっしゃっております。この区分所有者みずからの財産であるマンションを管理組合を通じて適正に管理するということは大変重要でございます。
委員御指摘のとおり、郊外で空き家になる、あるいは
リゾート地でマンションの区分所有者が別の場所に本拠を構えているとか、そういうケースがございます。それに伴いまして管理組合による適正な管理が行われていない場合があるというふうに認識しております。
平成十一年度にマンションの総合調査というのを実施いたしました。その結果を見ましても、一般的なマンションにおきましても、ある程度一定の区分所有者がマンションの管理状況に不満を持っているという結果も出ているところでございます。
こういった状況を踏まえまして、平成十二年にマンション管理適正化法が制定されたところでございます。管理組合に対し指導助言等を行いますマンション管理士制度を導入いたしますとともに、マンション管理に関します情報提供を行うということにしております。
こういった委員御指摘のような事態が生じたときに管理がうまくいかないというようなことになりますと、最終的にはやはりマンションの資産価値の低下ということが生じてまいります。そういった区分所有者自体にも大きな影響があるということを認識していただくというためにも、その
マンション管理士制度あるいは地方公共団体の情報相談窓口といいますか、そういったところも通じまして情報提供を進めていくということでマンション管理の適正化を進めてまいりたいと考えております。
○一川委員 今、局長の方からの御報告を聞いておりましても、最近、やはりそういうような実態がだんだんふえてきておるというふうに思います。
私は、こういった法律の整備、いろいろな法律も、割と管理が円滑にいっているといいますか、管理組合が管理組合らしい仕事をやっているところを対象にしたような法整備になっているような気がするわけです、それはそれでやむを得ないという面もあるわけですけれども。これからのいろいろな管理上の、あるいは建てかえに当たってのマニュアルづくりといいますか、いろいろな基準づくりといいますか、そういうマニュアルというのは、そういう管理組合が割と円滑にうまくいっているところは、もちろんそれはそれでいいんですけれども、むしろ、うまくいっていない、管理組合が非常に機能を低下してきておるというようなところを対象にしたようなマニュアルというのは、ある面では非常に大事だと思うんですね。
それを放置することによって、本来大規模修繕なりあるいは建てかえに持っていかざるを得ないようなマンションというものは、建築上も大規模な修繕を計画的にやらざるを得ない、あるいはまた、建てかえ計画をもうそろそろ皆さん方に提示せざるを得ないという段階に来ているにもかかわらず、そういうことをお世話するそういう組合がなかなか機能しないということは大変なことでございますので、むしろ、管理組合なるものが本来のそういう働きが十分できないというような現状があった場合には、そういうことに対するいろいろなマニュアルをもっとしっかりとつくっていただきたいというふうに考えるわけですけれども、そのあたりの基本的なお考えをお聞かせ願いたい、そのように思います。
○松野政府参考人 基本的には、先ほど申し上げましたマンション管理適正化法を制定いたしまして、マンション管理士制度というようなものをつくりました。それから、地方公共団体の窓口も設置するということを進めております。
こういったことを通じて適正なマンション管理を進めていきたいと考えておりますが、本当にその管理組合がうまく機能していないというようなところについては、そもそもその維持管理がうまくいかないで、結果として問題が生じているというふうなことがあり得ると思います。
建築基準法の定期報告制度などを用いましてそれらの把握をした上で、マンション管理組合にいわば指導するというようなこともこれから必要なのではないかというふうに考えております。
○一川委員 ありがとうございました。
以上で私の質問を終わります。
○阿久津委員 民主党所属の国土交通委員をしております阿久津幸彦でございます。
私は、国土交通委員会の中でもう既に一度質疑をさせていただいております。質疑に立たせていただいております。
その中では、私は、区分所有法は、初めに建てかえありきではなく、定められた法に、ルールにのっとりまして、居住者が争い事なく仲よく協力し暮らしていく中でマンションの長寿命化への道が開かれる法律でなければならない、また、高齢者など社会的、経済的弱者の財産権もしっかりと守られなければならない、そういう質問あるいは意見を述べさせていただきました。
さらに、高経年マンションについて、建物全体を建てかえる建てかえだけでなく、マンションの構造躯体はそのまま保全しつつ、内部改善や増改築を行う再生という選択肢も与えるべきではないかという意見も述べさせていただいたところでございますが、既に扇国土交通大臣の方からは、この法律は初めから建てかえありきという趣旨ではないということをはっきりと明言いただいております。
そこで、せっかくの法務委員会との合同審査でございますので、本法の趣旨が初めから建てかえありきではないことを法務大臣にも確認させていただきたいと思います。できれば法律的な解釈も交えながらお話をいただければ幸いでございます。よろしくお願いいたします。
○森山国務大臣 最近の百年マンションという言葉にあらわれておりますように、できる限り長期間にわたって建物が利用できるよう適切な維持管理に努めるべきであるという考え方も一般的になっております。
改正法案は、区分所有建物の建てかえ決議の要件の見直しを行っておりますが、これは個別の事情を離れて一律に建てかえを推進しようとするものではありませんで、あくまでも各区分所有者、各建物の実情に応じて、建てかえるか計画的に修繕を行い建物を維持するかについて、十分な情報を与えられた上で自主的に判断すべきことを当然の前提としているものでございます。
このように、改正法案においては、十分な配慮に基づき建てかえの要否が判断されるよう手当てがされておりますので、委員が御心配なさっているようなことは全くないものと考えております。
○阿久津委員 しっかりと確認をさせていただきました。ありがとうございます。
続きまして、前回私が国土交通委員会で質問をさせていただいたときにちょっと質問できなかった細かい点について、一点だけお伺いをしたいと思うのです。
二十六条に関連しまして、
中古マンション等で建物の瑕疵等が存在した場合、売買で次の区分所有者に権利が移ってしまうと損害賠償請求ができなくなってしまうのではないかという心配があるのですが、この点、いかがでございますでしょうか。
○房村政府参考人 御指摘の二十六条でございますが、今回の改正によりまして、建物の共用部分について生じた損害賠償金、これを管理者が区分所有者を代理して請求することができる、あるいは受領することができる、こういうことを定めております。
ただいまの御質問は、そういう損害賠償請求権を持っている区分所有者が区分所有権を他の者に譲渡する、そうすると新しい人が区分所有者になりますが、手当てをしておかないと損害賠償請求権そのものは売った前の持ち主のところに留保されてしまうので、管理者が区分所有者全員を代理して請求しようと思っても新しく買い受けた人の分は請求できなくなるのではないか、こういう御質問だと思います。
これは、実は、法制審議会でもいろいろ議論したんです。確かに、おっしゃるように、
新しい買い主のところに自動的に移るようにすれば管理人がすべて請求できるということになって便利であることは間違いないんです。ただ、問題は、瑕疵があって損害賠償請求権がある、それを買う人の立場から見ると、瑕疵があるものであれば瑕疵相当分を引いた値段でないと買いたくないというのが普通だろうと思います。そういう値段で買い受けた人が損害賠償請求権も来てしまうということになりますと、売った人は、瑕疵があって高く売れなかったその損害をだれにも請求できなくなってしまうということになるわけですね。
ですから、そういう
損害賠償請求権を新しい買い主に移そうと思えば、売り主の方は、本来瑕疵がなかったときと同じ値段で、いわば損害賠償請求権の価格相当分も代金に含めて売らないと元が取れなくなってしまう。そうなると、今度は買い受けた人は、観念的にはその損害賠償請求権という権利は来ますが、それで回収できるかどうかという保証はどこにもないわけです。それを行使して結局取りっぱぐれてしまったら、買い受けた人が損を強制されることになる。
そういういうことで、瑕疵のあるものの売買の場合には、瑕疵に基づく損害の危険をだれが負担するかということが常に問題になります、片方を保護しようと思えば片方が損害をこうむるという関係になりますので。
民法では、この点については当事者の話し合いに任せます、ですから損害賠償請求権も含めて買い主が行使します、こういうことであれば、売り主としてはその損害賠償請求権相当額も代金としてもらわないと売れない。それで、買う方とすると、逆に、いや、瑕疵のあるものはそんな高い金は払えないということになれば、損害賠償請求権は売り主に留保して、それで瑕疵のあるものとしてそれ相応の価格で買う。そういう合理的な判断を売買当事者の双方がそれぞれの事情を考慮して適切に判断していただく、これが民法の原則になっています。そういう民法の原則を、管理者に代理行使させるという必要性だけで簡単に覆していいか、これが非常に大問題でございます。
そういうことで、結局法制審議会の中でも、やはり、確かにそうすれば便利なことは便利だけれども、その行使を考えて、
損害賠償請求権もあわせて譲渡してそしてその通知をするという任意の方法は当然とり得るわけですから、そこはそれぞれの事情に応じて売買当事者が合理的に判断してもらうというしかないのではないか、法で強制しようと思うと検討すべき課題がさまざまなものがあるということから、今回は従来どおりの扱いにしようということになったわけでございます。
〔佐藤(剛)委員長代理退席、久保委員長着席〕
○阿久津委員 せっかく便利にした法改正ですので、そこのところ、運用面でこれからも気遣っていただければというふうにお願いしたいと思います。
続きまして、私どもは、再生という、先ほどもお話をした概念で、大規模修繕への道をどうやって開いていくかということを一つのテーマにしておりますけれども、物理的耐久性の高い構造躯体、スケルトンというんですが、それと、可変性を有する内装、間仕切り、インフィルとを分離することにより長寿命の集合住宅の供給を可能とする
スケルトン・インフィル住宅について、この住宅を広く活用するお考えはあるかどうか、中馬国土交通副大臣の方にお伺いしたいと思います。
○中馬副大臣 戦後の木造賃貸住宅等に入っていらっしゃった方が市営や公団の二DKに移ったときには、これはもう本当に一つのステータスのようなものでございまして、もちろん、これがすぐに建てかえということではなくて、物理的には六十年もつものだということの認識の上でそこにお住まいになっておったと思います。しかし、その後、経済成長の中で、それまでは手回しの洗濯機であったのが大型の電気洗濯機になってくる、電気の冷蔵庫がと、そしていろいろと家庭の備品もふえてくると、到底それは狭くて、経済的な耐用年数に合わなくなってきている。それどころか、物理的にも、配管が腐ってくるとかあるいはまた目詰まりするとかいろいろなことで、少しそれを広げよう、あるいは改造しようとしましても、それはもう改造するよりも建てかえた方が安いんじゃないか、こういったようなことになってきて、現在のいろいろな問題が起こってきていることは御承知のとおりと思います。
そういうことで、我が建設省といいましょうか、国土交通省に今なっておりますが、建設省の時代から、建設省の建築研究所におきまして、総合技術開発プロジェクト、ネーミングは長期耐用都市型集合住宅の建設・再生技術の開発という長い名前でございますが、こうしたプロジェクトを立ち上げまして、平成九年から十三年、研究してまいりました。その研究結果を踏まえまして、先ほど委員御指摘のこのスケルトン・インフィル住宅というのを実用化に向けて今実行を始めているところでございます。
やはり、長期にわたり良質なストックとして活用していくことが望ましいわけでございますから、一つの躯体部分がしっかりとした形で、あと内装はその時々によっていろいろと変えることができる、転売した方も、またそこで買われた方も、そこの中で、自分に合った形での間取りだとか室内改装できる、そういう形のものをこれからは目指していく所存でございます。
百年住宅とも申しますけれども、こうしたことにおきまして、品確法におきましても極力劣化をおくらせる対策や、維持管理のしやすさについて表示して情報提供を行うことを義務づけておりますし、住宅金融公庫融資におきましても、耐久性を有する住宅に対しての優遇措置を講じておることは御承知のことかと思います。
今後とも、こうした施策を通じまして、SI住宅を含めました耐久性の高いマンションの普及を推進してまいる所存でございます。
○阿久津委員 スケルトン・インフィル住宅は、ある意味でイージーオーダーの再生への道を切り開く一つの手段かなというふうに私は考えています。
最後に、オーダーメードの再生に成功した例を紹介しまして、終わらせていただきたいと思うんです。
柿ノ木坂東豊エステートというマンションが世田谷区にあるんですけれども、これは一九七〇年に建てられたものでございます。御存じのとおり、一九七一年に大規模法改正がありましたから、それより前の住宅ということになります。この住宅は、一九八七年、十七年目にコンクリート躯体の修繕という大規模修繕を行いました。さらに、一九九九年、三十年目に大規模修繕を行ったんです。このときは、耐震補強、それから居住者の高齢化に伴ってバリアフリーの整備を行いました。さらに、御婦人方の要望を取り入れて、エントランスのところを真っ赤におしゃれに改装したんです。非常に満足度も高い再生の成功例だと思っています。
大体お金が幾らぐらいかかったのですかという話を伺ったんですけれども、これはちょっとなかなか難しいんですが、最後の三十年目の修繕のときは百万円強ぐらいで済んだそうでございます。
つまり、知恵を使っていけば、マンションは使い込むほど価値が出てくるというふうにもとらえられるわけで、社会経済情勢や建物の状況に応じた的確な管理を実施することによって、マンションの建てかえの道とともに、マンションの有する効用が可能な限り維持増進されるという道も、この法改正の中でぜひ適切に運用されますよう最後にお願い申し上げまして、私からの質問とさせていただきます。
どうもありがとうございました。