東北のマンション管理組合が情報交換するブログ。

福島県福島市在住のマンション管理士が書いてます。管理費の節約・修繕積立金の不足・理事会・リプレイス。マンションは快適ですが、未解決の問題も山積みです。文章が長くて申し訳ないです。

地方都市でのマンションの選び方の一考 

こんにちは。管理人のコンドーです。今日はマンションを購入する時に、巷であまり言われていないポイントをご紹介いたします。特に地方都市では参考いただけるんじゃないかと思います。また、建替えが近づいているような中古マンションにも当てはまると思います。

まず、地方のマンションの背景です。例えば仙台市を除いた東北地方ですが、市街地の周囲には土地が余っています。私の住む福島は最近もマンションがたくさん建っていますが、一方では市街化区域内でも郊外ではなんぼでも土地が余っています。正直なところ、ここと同じお金で戸建てが買えるんだから郊外の戸建てでもいいんじゃないですか?と思わなくもないマンションの物件もあります。

ところで近年の経済状況を見ると、首都圏を始めとした三大都市圏は地価が上昇に転じ、マンション用地の需要増加が顕著です。一方、地方では地価はまだ下落続行中です。それでも首都圏のマンション開発は敷地が枯渇してきた感もあるのか、ディベロッパーの開発の熱い視線が地方にも向けられています。

私の住む福島県内でも幾つものディベロッパーが毎年数棟のマンションを新築・分譲しています。正直なところ、こんなに需要があるのかなという気もしますが、中心市街地に近い物件では高額なものから売れているという情報もあります。しかし、さすがに竣工前から全戸完売というマンションはあまり無いようで、完成後には完成前の値引きより多く値引かれて分譲されています。余談になりますが、地方都市では住みたい階数の希望があるとか角部屋がいいとかの希望が特別無い場合は、完成を待ってから大きく値引き交渉されるのがお得かもしれませんね。

さて本題ですが地方都市のマンションの選ぶポイントです。古めの中古マンションにも当てはまるので、建替えを含めた長い目で見た資産価値のポイントという事になるかもしれません。
マンションの資産価値というと一番は立地(地価)が大きなファクターですが、『地方都市の地価が今後上昇に転じるか』についてはかなり主観が入ってしまうので判断は控えます。ですので地価は大きく変動しないという前提で、地方都市でマンションを購入する場合に私ならこの辺をチェックする、というお話しをしたいと思います。

それは敷地が建替えにアドバンテージがあるかです。
 ・用途地域は何か?(都市計画法)
 ・その他の地域・地区の指定があるか。(都市計画法・建築基準法)
それを主に上記の二点からそれでは各項目を紐解いていきます。
用途地域は何か?(都市計画法)
  商業地域・近隣商業地域
用途地域というのは、敷地に建てられる建物の用途を制限するものですが、この「商業地域・近隣商業地域」という商業系の用途地域は競争力のある用途地域です。一般的に商業地域は建蔽率・容積率が用途地域の中では最強です。商業地域の建蔽率は一般に80%で、容積率は200〜1,300%までの数値が定められています。これはどういうことかというと、例えば2,000m2の敷地があってそこにマンション1棟を建てようとする時は、建築面積(大雑把に屋根の面積)が敷地の建蔽率の80%の1,600m2と結構ぎっしり建てられるということです。下のほうの階を屋根付き駐車場にして、上階に住戸を持ってこようとかの計画もしやすいです。さらに容積率が800%の土地だとすると、敷地の800%の16,000m2まで延床面積(大雑把に住戸の面積)を計画できます。すると先ほどの建築面積が1,600m2でしたので10階建てが建てられるようだ、となるわけです。これが容積率が400%だと5階建ての8,000m2までしか建てられない、となります。 ちなみに近隣商業地域は建蔽率は60〜80%で、容積率は100〜500%です。具体的に福島市では商業地域の容積率は400〜700%、近隣商業地域の容積率は200〜400%の範囲で場所ごとに定められています。

  第一種中高層住居専用地域・第二種中高層住居専用地域・
  第一種住居地域・第二種住居地域・準住居地域
これらはマンションの敷地として一般的な用途地域です。上記の商業地域なんては、商業の利便を増進するための地域ですから、大雑把に言うと工場みたいなのはダメだけど風営法の対象のキャバレーみたいなのでもOKですよっていう地域です。しかし、そういう地域は都市の健全な発展と秩序ある整備を図る都市計画上は制限されてしまうので、駅周辺や繁華街や主要道路沿いに定められていて、市街化区域全体に占める面積の割合としては少ない用途地域です。一方で、この住居系と言われる用途地域は、良好な住居の環境を保護しましょうっていう地域ですので、繁華街のど真ん中とかには定められません。これら(一中高・二中高・一住・二住・準住居)は建蔽率が30〜80%、容積率は100〜500%までの数値が定められています。

ですので商業地域ほどの大規模・高層な建替えは計画できません。建替えを視野に入れた土地の価値としては、商業地域ほどの競争力はないです。しかし、マンションに一般的な用途地域なので、住環境としては優れています。長所短所を差し引いてどうかと申しますと、地方都市の市街地の喧騒なんてたかが知れていますので、私はあくまで建替えだけの面ではデメリットの方が大きいと思います。
なお、市街地の発達に伴って用途地域が変更される可能性はあります。田んぼに国道のバイパスが通ったとかで、沿線の住居系だった用途地域が商業地域になるなんて事も珍しくないです。
その他の地域・地区の指定があるか。(都市計画法・建築基準法)
これは、壁面線の制限があるとか、厳しい地区計画があるかです。商業地域で(後述の)建蔽率が100%なのに、地区計画で壁面線の後退の指定が敷地境界から4mなんていう地区では、実際は建蔽率は使いきれません。
防火地域内かも大事です。防火地域内では、耐火建築物を建てる場合は建蔽率が10%割増しというか緩和されます。さらに街区の角地だったりするとさらに10%の建蔽率の割増しがあったり、合計で敷地の100%(敷地ぎりぎりいっぱい)まで建物を建てられるケースもあります。その角地の緩和には、自治体(特定行政庁)ごとに基準があり、福島市では道路の幅が6m以上であるといったの条件があります
また、建物の設計によっては地区計画などで容積率の割増が受けられる地区もあります。

この辺りが注目したいところです。もうお分かりのことと思いますが、この建蔽率・容積率の上限が大きい程、敷地に建てられるマンションも大規模なものが可能だからです。それはつまり、建替え時に等価交換方式などを選択した時に、分譲できる住戸が増える=元からの所有者の負担が少なくて済む、というメリットがあります。マンションに建替えないとしても、商業地域のような高度利用が可能な 敷地は魅力が高いです。

建蔽率の上限が大きいと、建替え時に建築面積の大きい建物が計画できるだけでなく、横方向への増築も可能です。エレベーターが足りなかった5階建てのマンションにエレベーターを増設するとか、あまり考えにくいですが住戸を増築するとかも可能です。
01
↑現在の建蔽率が40%で上限が60%だと、、、

同様に容積率の上限が大きいと、建替え時に延床面積の大きい建物が計画できます。商業地域の敷地で容積率の上限が400%に対して、今は200%で5階建てしか使ってない場合は、倍の10階建ての規模まで建築が可能です。
02
↑現在の容積率が200%で上限が400%だと、、、

蛇足ですがその他の点では、よっぽど市街地であれば、隣地に同じ頃に建てられたマンションがあるのも良いかもしれません。同じ時期に建替えを迎えるでしょうから、隣地のマンションの敷地と一体化させて再開発するのも見込めると思います。

新築のマンションを買う時ばかりではなく、思い切って建替えが見込まれるような古い中古を買おうという時に、この辺りも検討されてはいかがでしょうか?
フト思ったんですが、古くなって誰もすまなくなったマンションを解体する時、解体ににかかるお金より、敷地の土地代が安いときってどうなるんですか?だれも手をつけないですよね。
[ 2007/01/30 22:51 ] [ 編集 ]
鋭いです・・・コメントありがとうございます。今日は実は一日中この問題を考えていました。結論から言うと、「スラムになる」と思います。

例えば、敷地1,000m2(300坪)で建物が3,000m2の小規模マンションで考えてみます。敷地が福島でも安めの20万円/坪だとすると、6,000万円の価値です。建物の解体費は、2万円/m2だとして6,000万円。これでは差し引きチャラなので事業にはなりません。もっと土地が高いか、解体費を安くあげるかしないとです。

実際はマンションの建つ敷地はもう少し地価は高いと思うのですが、福島市内には上記の例に近いマンションもあるかもしれません。頂いたご質問は大変興味深いので、もしよろしければ記事にしてもいいでしょうか?
[ 2007/01/31 23:36 ] [ 編集 ]
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