こんにちは、管理人のコンドーです。今回は割りと皆様の関心も高いと思われます『地上波デジタルとマンションの電波障害対策』について調べたので、記事を書こうと思います。
マンションはその高層性によって、周囲の低層の建物(主に住宅)に対して、電波の受信障害をもたらしてしまうことが度々あります。一般的には高層建物を建築する前に行政から何らかの指導があって、電波障害が予想される場合はその対策(共聴アンテナの設置やケーブルを引く等)をします。さらにディベロッパーが電波障害を受ける近隣住居や行政と結んだ協定が、マンションの区分所有者に重要事項説明に含まれていて、管理規約等の一部として引き継がれていると思います。
ですので結ばれた協定の内容によるのですが、地上波デジタルに移行する事で変わる電波障害に対しても、マンション側での対応が求められるケースが多いと思います。地デジ化による電波障害は『結局のところは個別に症状を見るしかない』という話も聞くのですが、それでは何の参考にもならないので、基本的な情報として進めたいと思います。
一番に気になるのは、マンションが原因となって電波障害が発生している場合に、地上波デジタル化されることで障害の程度が緩和されるか・悪化するかだと思います。それについては電波障害のタイプによって違うようです。というのも電波障害には二種類のタイプがありまして、
・遮蔽障害(スノーノイズ)・・・画面のザラつき。マンションの陰に発生する。
・反射障害(ゴースト)・・・二重映り。マンションの前方に発生する。
に分類されます。
私の経験では、電波の来る方向の陰に起きる障害である『遮蔽障害』は、マンションの高さにも拠りますが多少離れた位置にも発生する傾向があると思います。以前に関わった高層の建物は、川をはさんだ向こう岸に電波障害を発生させていました。一方の反射障害はマンションのすぐ近くに発生することが多いんじゃないかと感じています。
地デジ化によって、この内の遮蔽障害は緩和されるとは言いきれないと聞きますが、後者の反射障害は幸いなことに解消される模様です。それがどういう原理なのかはgoogleさんで調べていただけるようお願いしたいところですが、もし皆さんのマンションで反射障害の対策をしていたとしてその費用がかからなくなるとしたらとても嬉しいですね。
次に、不幸なことに地デジによってさらなる障害対策を必要とするケースについて話を進めようと思います。
そもそも、なぜマンション側が電波障害の対策と費用負担をしなければならないかと言う話ですが、電波障害の発生原因がマンションであるケースでは、近隣居住者とディベロッパーとが結んだ協定の権利義務を管理組合がその承継しているからという事は先ほど述べたとおりです。(もしディベロッパーが近隣の方々と協定を結んだのにも拘らず、重要事項説明等で区分所有者に承継されていない=区分所有者が善意の第三者である場合は、是非ディベロッパーにケツを持ってもらいたいと思います、常識的に考えて。)
という訳でともかく近隣との協定書の存在、及びその文言の確認が一番最初の作業です。それでは次に、対応が必要であった場合の近隣居住者が地デジ化後も受信するための対策と費用負担について方策を列挙してみます。
- ・アンテナ・混合機・増幅器(ブースター)の設置、配線を敷設する。
- 維持費は約12年ごとに2〜8万円。
- ・電力柱・NTT柱に共架して近隣へケーブルを配線する。
- 共架料金として、柱の本数ごとに1,200〜1,800円。
- 電力柱・NTT柱の移設に伴って改修工事費が1回6〜50万円。
- (気の毒なケースでは一年間に10回も移設の費用負担をしたマンションもあるそうです。)
- ・ケーブルテレビを引いてしまう。
- すでにケーブルテレビへの加入者が多い場合に有効。
- 将来的な電波障害対策のコストカットが見込める。
地デジ化によって今までより電波障害が緩和されることも予想されます。しかし先ほどの話を繰り返しますが、既に受信されている首都圏などの地域から聞く所によると、受信してみてその程度を個別に判断するしかないようです。でもそれってマンション側の主観や近隣居住者側の既得権意識が混じるでしょうから、判断は面倒そうです。しかし、近隣の居住者の立場を思えば真摯な対応を心掛けなきゃって思います。
(参考資料)
結構昔の話になりますが、マンションの電波障害に関しての設備の費用の負担については、1976年3月6日の郵政省電波管理局長通達の「高層建築物による受信障害解消についての指導要領」が基本になっていると思います。
(以下本文)
・共同受信施設(電波障害対策設備)の設置の責任及び費用負担の在り方について 共同受信施設の設置については、建築物の建設が受信障害発生の原因であること、受信障害解消についての当事者間解決の事例においては、建築主の責任と負担で解決している場合が大部分であることからみて、受信障害発生の原因である建築物の建築主の責任と負担においてこれを行うことが適当である。なお、設置する共同受信施設は、テレビジョン放送の再送信が可能な範囲で10年程度の耐久年数が見込まれるものとすることが適当である。
・維持管理(更改を含む)責任及び費用負担の在り方について
1) 家屋軒先に設置される保安器の出力端子からテレビジョン受信機までの屋内配線部分 この部分については、通常の場合にも受信者が自ら管理することが予定されており、かつ受信者の家屋内のものであるため、受信者の責任と負担で維持管理を行うことが適当である。
2) 共同受信アンテナから各戸の保安器までの設備及びこれらに附帯する設備 (混合器、分岐器、ブースター等、配線、共架電力(NTT)柱)
この部分については、基本的には受信障害発生の原因となっている建築物の建築主の責任と負担で維持管理を行うことが適当である。 しかし、共同受信施設を設置した場合、受信者は家庭用アンテナの更改費等テレビジョン放送の受信に通常必要とする経費の支出を要しないこととなるため、この経費に相当する額は受信者が負担することが適当である。 なお、建築主の責任において維持管理を行うことが著しく困難又は不適当な事情があり、受信者側において組合を結成するなどして維持管理にあたることとなる場合も考えられるが、この場合においても維持管理の費用の負担についての考え方は前記と同様である。
・その他 (共同受信施設の設置に対する受信者側の協力について) 共同受信施設の設置による受信障害の解消を円滑に推進するためには、共同受信アンテナの設置、ケーブル類の通線、私有地内の電柱設置等についての受信者側の積極的協力も必要である。 (後住者について) 共同受信施設が設置された後、新たに受信障害地域に家屋等を建築した住民(以下「後住者」という)が共同受信施設の利用を希望する場合、有線テレビジョン放送法第16条の規定による役務の提供義務のない場合であっても、共同受信施設の設計者は、後住者に対しこれを利用させることが望ましい。この場合、付加的設備(引込線、保安器、屋内配線等)に要する経費は後住者が負担することが適当である。 (個別アンテナ対策について) 受信障害の程度が比較的軽微である等の理由により、共同受信施設によらず受信アンテナの位置、高さの変更等、いわゆる個別アンテナ対策により受信障害を解消できる場合においても、その対策は受信障害の原因となっている建築物の建築主の責任と負担により行うことが適当である。
すっきりとした結論めいた話ができなくて申し訳ありませんでした。お詫びというアレでも無いのですが、今回の記事を書くに当たって大幅に参照させていただいたサイトをご紹介しますのでご容赦ください。
・
ボクにもわかる地上デジタル 導入偏-Q&A(ノウハウ)集
・ITmedia News:
地上デジタル マンション住民に思わぬ出費も
・Sankei Web:
地上デジタル マンション住民に思わぬ出費も
・田邊文夫:
BS、CS、地上波デジタル化への対応
・マンション 管理組合 NPO集住センター
地上デジタル放送問題
・おしえて!HOME'Sくん
既存の一戸建てにて全部屋にて地デジ視聴する ...
・教えて!
goo マンションの電波障害、後住者への対応は?
・マンション管理新時代
地デジ化対応はもうお済みですか?
なお、マンションによる電波障害と、地上波デジタル化の関係について詳しく記述されている本があります。
以前にご紹介した日経の本なのですが、よろしければその記事もご参照いただけると幸いです。
・地デジのインフラ整ってますか - 意外と知られていない受信のツボ:
http://journal.mycom.co.jp/special/2005/digitaltv/008.html
・マンション管理新時代:
http://blog.nikkeibp.co.jp/mansion/archives/2006/09/catv.html
・マンション・ビル向け:地デジ改修工事:
http://www.sun-edi.co.jp/repair/building/index.html
・福島民友 地デジQ&A(福島県内について):
http://www.minyu-net.com/osusume/chidezi/dezitaru.html