こんにちは。管理人のコンドーです。今回は数ヶ月あたためていたネタを披露いたします。
複数年契約を前提に管理会社への委託費の低減を図る、というものです。
長期間の契約にする換わりに金額を抑えるというのは一般的な構図で、今までもマンションの管理組合の中で採用されていると思います。この考えの基本は、
・契約期間を複数年にして、契約金額を高額にまとめる
・高額にまとめることで受託希望者を増やし、競争効果を高める
です。
今回、ここに付け加える仕組みとして考えたのが、
入札による『価格評価』と事業提案書による『事業評価』で総合評価することです。これは、公共事業におけるPFI(又はPPP)の契約の仕組みを参考にしています。
このPFIの説明は省きますが、PFIの契約方法には大きく『総合評価一般競争入札方式』と『公募型プロポーザル方式』があり、今回大きく参考しているのは公募型プロポーザル方式』です。2つの方式の比較は下記サイトが分かりやすいです。詳しくお知りになりたい方は是非どうぞ。
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岡山市PFI活用指針のP.23辺り
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宮城県PFI活用指針のP.24辺り
それでは具体的な手続きを順を追って説明します。
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1.募集要項の作成
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応札条件のたたき台として、管理組合が管理会社に求める要求水準や契約書案、契約金額の上限を概算で提示します。
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2.質疑応答
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参加希望の事業者が募集要項に対して「募集要項の○条は具体的に何を指すのか?」「(安く提案するために)こうしてもいいか?」といった質問・提案を行います。管理組合は質問への回答、及び提案を採用するかしないかを判断し、より自分たちの希望に沿った募集要項にすることができます。大規模な事業(大規模改修工事など)ではこの作業を2回行うことも検討します。
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3.公募
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『2』によって詰められた最終的な募集要項により公募を行います。
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4.入札及び事業提案
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事業者は募集要項で示された概算の上限金額より安い金額で応札するのが条件です。さらに募集要項に上乗せした独自の提案を加えて事業提案書を作成すします。
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5.事業者ヒアリング
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事業提案書の内容の説明を事業者から受けます。提案内容に疑問点があった場合の質疑応答もあわせて行います。
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6.優先交渉権者・次順位優先交渉権者を選定する
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『4』『5』の結果から入札価格・事業提案書の評価を行い、順位付けを行います。
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7.契約条件の詰め
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『6』で選ばれた優先交渉権者(1位)と契約条件の詰めを行います。ここでは入札の公平性を確保するために募集要項、契約書案の骨子、事業提案書の骨子の変更は行いません。条文の文言レベルや支払い日の設定といった修正程度のすり合わせを行います。入札条件が厳しくなるネゴシエーション(値下げ交渉・業務の付加)を行うことも稀にあるようです。
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8.契約、事業の開始
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以上で完了します。お疲れさまでした。
この契約方法を取ることの事業者側のメリットとしては、
・複数年にわたる経常的な売上げを確保できる。
・公平な競争と、自社独自の強みを発揮できる。
ということが挙げられます。
マンション管理組合側のメリットとしては、
・大きな金額にすることで、入札の競争性・各社の工夫を見込む
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管理業務委託費の価格比較のみならず、業務内容も併せて比較検討できる
・コストダウンの方策の提案を事業者から受けることができる
ということがあります。
この公募プロポーザルによる事業者選定は、事業者が熱意を持って参加してくれることが最も重要な要素です。ですので、管理組合側の誠意が伝わるように公募に参加してくれた事業者の上位数社に、数万円の気持ち程度でも参加費用を負担するのは効果的と思います。
ただ、この方法で心配なことは二つあります。一つはこの契約を執り行う『手間』です。二つ目は、複数年契約したが契約期間の途中で管理会社の業務の質が落ちたり、契約書の内容が履行されないという『契約不履行の可能性』という問題です。
前者の『手間』の心配は管理組合側にコンサルタントのような方が入れば解決するのですが、後者の『不履行の可能性』はやっかいで困ります。それに対する仕掛けとしてマンションの管理組合側での準備についても考えております。次回はその事業中のモニタリングを取り上げようと思います。
民法(委任の解除)
第651条 委任は、各当事者がいつでもその解除をすることができる。
2 当事者の一方が相手方に不利な時期に委任の解除をしたときは、その当事者の一方は、相手方の損害を賠償しなければならない。ただし、やむを得ない事由があったときは、この限りでない。
上記規定によって、管理委託契約の委任部分については複数年契約の実効性は無いです、とのご指摘です。皆様のご指摘の通りです。ご指摘ありがとうございました。
ちなみに、管理委託契約の複数年契約というのは「悪い管理委託契約書」のチェック項目に挙げている方もいらっしゃるとのことです。
当記事は、市町村や事務組合などで行っているごみ処理等での長期委託契約をヒントにしたものでしたが、それをそのまま当てはめるのは無理のようで、今後は改善案を練ろうと思っています。皆様お騒がせしました。