東北のマンション管理組合が情報交換するブログ。

福島県福島市在住のマンション管理士が書いてます。管理費の節約・修繕積立金の不足・理事会・リプレイス。マンションは快適ですが、未解決の問題も山積みです。文章が長くて申し訳ないです。

マンション内の競売物件を管理組合法人で競落すること 

稀に同じマンション内の住戸が裁判所の競売にかけられる、という状況に遭遇することがあります。実は私もマンションの住戸の競売に入札したことがあり、数万円差での次順位で競落できず、涙を呑んだ経験があります管理人のコンドーです。

そのマンションの住戸のように通常の応札がある物件であれば、区分所有者が替わるだけのことで何の問題も無いのですが、物件によってはいつまでも応札されないものもあります。管理費等の滞納が多額なために、買い受けたい人が現われない物件です。

住戸が競売になる場合に多く見られるケースですが、元の区分所有者が管理費や修繕積立金を長期で滞納していることがあります。一般的な住宅の競売では、市場価格や競売による割引のような諸々を勘案して最低入札価額が設定されていますが、マンションの場合はその価額から管理費の滞納分と修繕積立金の滞納分が差し引かれます。

というのも、元の区分所有者の債務は買受人である新しい区分所有者に「法律上当然に」承継されますので、新しい区分所有者が滞納分の管理費と修繕積立金を支払う必要があるからです。それでは、もしその競売のマンションが不動産価格に較べて滞納している管理費等が大きいとどうなるか考えてみます。

これは同じマンションの管理組合の皆さんにとっても由々しき問題です。マンションの住戸の新しい所有者が決まらないことには、今までの管理費等の滞納分ばかりか、今後の収入も見込めないのです。そんなことになっては管理組合の運営に大きな打撃です。今回はそんな応札されないマンション住戸の競売物件について解決策を考えました。


<例>
 ・マンションの住戸の市場価値 : 500万円 ここから差し引く費用として、
 ・管理費等の滞納金 : ▲180万円 (管理費1万円+修繕費2万円x12ヶ月x5年)
 ・マンションのリフォーム費用 : ▲50万円
 ・不動産取得税その他 : ▲30万円

首都圏の方は信じられないかもしれませんが、福島市ではこの価格帯の物件は築20年以上なら実際に存在します。細かく詰めれば滞納金の遅延損害金なども生じますし、リフォーム費用は市場価値の増大に繋がる事もありますが、その辺の検討は省きました。

この程度では物件の残存価値はまだ240万円有り、競売であったら応札が見込めます。しかし、ここに大規模修繕工事の一時負担金が加わる場合はどうなるでしょうか。もしも修繕一時金が240万円以上であったら、この物件の残存価値がマイナスになり買い手が現われない状況に陥ります。

競売に買い手が現われない問題点は前述した今後の収入が見込めないことに加えて、管理費等の消滅時効が5年(判例)であることから、これまでの滞納分が未収に終わってしまうことも挙げられます。従って、私はマンション内の競売不落問題は管理組合にも無関係ではないという立場です。

それではどうしたら良いかについて考えました。競売物件をマンションの管理組合で競落(もしくは特別売却の買受)してはどうでしょうか。そして、その住戸を賃貸に出し収益を得るのです。マンション管理組合は賃貸物件のオーナーとして目が行き届く立場なので最適だと思います。廊下の電球切れや清掃といった法定共用部分の管理は、ご自身達にとっても共通の関心でもあるからです。

もちろんそこには不動産を所有するために管理組合を管理組合法人にすることや、税務等のハードルもあります。一方で、管理組合は通常のマンションの管理運営の一部にその住戸の管理を含められることが強みですし、管理費等の滞納分を賃貸の収益事業で積極的に回収できます。



駐車場がマンション内で借り手が無い場合に、余剰の駐車場を管理組合がマンション外に貸し出すことは一般的に有ります。今回の住戸の賃貸事業はその発展型です。

さらに、このマンション管理法人での住戸の賃貸事業は応用が効きそうです。例を挙げると、マンションが遺産相続によって代替わりする時や、転勤による仕事場の関係でマンションの住戸を売却する時に管理組合法人で買い受けることも想定できます。

管理組合法人での積極事業というのは面白いと思うのですがいかがでしょうか。
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