今日は、
前回(大規模修繕の契約方法。デザインビルド方式にしてみませんか。(1/3))に続いて、大規模
改修工事の契約手法の提案をいたします。
私が思うことですが、
改修工事というのは多くの工種の集合体です。外壁
改修を例に採ると、モルタルやタイルの浮きの調査、下地の洗浄や下地処理、左官工事やタイル工事、部位によってはエポキシ樹脂の注入といった工種ですが、それぞれの規模は小さいものです。
それでも、小さい工種が集まった大規模
改修工事の工事規模は数千万であったり、数億であることも珍しくありませんので、工事を請負う元請の建設会社は名の通ったゼネコンであることもあります。しかし、多くの場合、各工種を担う下請さんは地元の小さい施工業者がメインだったりします。
つまり、発注側に、施工方法をきちんと理解し熱意を持って工事をサポートする技術者がいれば、請負契約を結ぶ対象となる施工業者は、地元にも多くあるのです。ネームバリューが無くとも信頼できる施工者と契約できれば、工事金額が大きくても良い
改修工事ができると、私は考えます。
契約交渉への参加者が多くなるということは、それだけ多くの技術提案や、妥当な工事金額への収斂も見込めます。
それでは、その契約を結ぶための具体的な仕組みとして、デザインビルド方式(仮称)について述べます。
デザインビルド方式とは、ヨーロッパや韓国の公共事業で実績のある契約手法です。
工場等といった、デザイン性を求められない建物で多く採用されていて、設計・施工を施工者が一括して請負う方法です。日本でも地方自治体のごみ焼却工場などの環境施設の契約で採用される例があります。
発注者側(管理組合側)が要求する性能や仕様を提示して、具体的なところは応札する企業に選定を任せる、というのが大筋です。工事の目的や大枠は守ってもらうけれど、細かい施工方法や材料の選定は施工者側の提案をもらうことで、工事の完成度を上げ、余分なコストをカットすることを意図しています。
大規模
改修工事は、既存の防水や外装の復旧や更新がメインであり、意匠的なデザイン性を求めることは少ないため、このデザインビルドを導入できると考えます。
しかし、契約前に事業者の提案をよく検討しないと、「安かろう、悪かろう」の工事なってしまう危険があります。また、同じく契約前に、工事の施工方法や仕様材料についても詰めておかないと、(一部の業者さんだけだと思いますが、)いざ現場ではやられ放題という恐れもあります。
デザインビルド方式での採用では、
・受発注側双方で、契約前に工事の内容を確定すること
・受注側がしっかり施工すること
・発注側が施工をきちんとチェックすること
がポイントです。
(補足)
このデザインビルドというのは、日本では従来からある契約手法である「仕様書発注(性能発注)」と「プロポーザル(又は簡易コンペ)」とのいいとこ取り、です。その二つの契約手法を分析すると、
仕様書発注(性能発注)は、発注側の要求する水準を入札前に提示する仕様書に盛り込み、それを満たすことを条件として応札者が価格競争する競争入札方法です。入札時はあくまで価格競争だけであり、技術提案などは行われません。
仕様書発注(性能発注)の特徴は、
・価格競争が行われる。
・設計図書を作る費用を抑制できる。
・発注後の変更が柔軟。
・工事のチェックを相当しっかりしてないと、現場ではやられ放題。
といったことが挙げられます。
続いて、プロポーザル(簡易コンペ)は、発注側の要求する水準を募集要項に盛り込み、事業者はそれを満たす案を提示してプロポーザルに参加する方式です。契約価額は、その中で最優秀案に選ばれた事業者と発注者が交渉して決め、もし価格交渉が決裂した場合は次点の事業者と価格交渉します。発注者は、すでに最優秀者のプランに一番魅力を感じていますので、価格交渉のイニシアチブは事業者側にあると言えます。
プロポーザル(簡易コンペ)の特徴は、
・価格競争が無い。
・事業者の持つ技術の中から、最新の提案を受けられる。
・参加する側に計画の費用がかかる→応募者が減る。
・その分の経費が契約価額にのせられる。
といったことが挙げられます。
デザインビルド方式は、仕様書発注方式の特徴から「発注者の手間の最小化」と「価格競争」を採用し、プロポーザル方式の特徴から「技術提案」を採用した、いいとこ取りの契約方式です。
それでは
最後 に、デザインビルド方式を採用する場合の注意点について述べます。
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