東北のマンション管理組合が情報交換するブログ。

福島県福島市在住のマンション管理士が書いてます。管理費の節約・修繕積立金の不足・理事会・リプレイス。マンションは快適ですが、未解決の問題も山積みです。文章が長くて申し訳ないです。

管理会社が手配する工事の費用(見積書)の信頼性 

管理人のコンドーです。私が関係していますマンションで小修繕を行うことになったのですが、マンション管理に関するなかなか象徴的な事例でしたので、詳細をぼかして記事にしました。



マンション内のとある小修繕に対して、管理会社が手配してくれた見積書(甲社=管理会社の関連会社)は、
建材A21,500円/m2(材料のみ)
施工費4,000/m2
諸経費直接工事費の10%程度
というものでした。

理事会からは、私も他社から価格比較のために見積書を徴収するよう指示がされていまして、私の手配した見積書(乙社)ですと、
建材B7,000円/m2(材工共)
施工費(上記に含む)
諸経費(上記に含む)
というものでした。

・・・材料費と施工費を合わせた材工で比較すると、その差3倍以上。確かに建材Aと建材Bは他社製品で、建材Aの方が高価という評判です。さらに私が見積を依頼した乙社はその工種の専門会社なので自前の職人さんを抱えていまして、下請け・孫請けを必要とする甲社より割安でしょう(そこを見込んで見積を依頼しているので)。

それでも、これ程の差が生じることは考えにくいです。

見積を手配した管理会社に好意的に考えると、一般的に管理会社のフロントさんは工事に関する専門性が著しく低いので、管理組合に求められている工事の仕様を把握できず、『オーバースペックな見積を手配してしまった。』という事が想定されます。

ここで、もし建材Aと建材Bのスペックが違いすぎて比較不可能なものであったら、私の手配した見積書自体が妥当なのか管理組合の役員の方々も判別できませんので、建材Aについて乙社に問い合わせました。 、、、驚きました。

「モノによりますが、建材Aならメーカー公表の材工の定価で7,800〜12,000円/m2ですが、それは定価なので実際はもっと安くできるでしょう。在庫状況によりますが、前回の金額で施工できるものもあるでしょう。」との事。

そうですか、市場価格の3倍以上ですか。管理会社さんは定価よりも高く工事をしますか。

よほどの小規模である場合や現場の特殊事情がない限り、メーカー公表の定価を超えるというのはありませんし、それでも定価の30%増程度です。ということで好意的に考えた部分はやはり撤回せざるを得ない結果でした。実はこういう例は枚挙に暇が無く、当該管理会社では日常の消耗品の購入に至るまで、同様の高設定が散見されます。



皆さんのマンションではこの様な事は無いと思いますが、工事費等が疑問の際は他社の見積りと比較するのもご一考下さい。管理組合の中に工事に詳しい方がいらっしゃらない場合は外部の技術者を利用する事になるかも知れませんが、上記の例では管理組合はかなり楽々と外部への委託費用を吸収できました事を申し添えます。
[ 2007/08/24 13:01 ] 理事会の運営 | TB(0) | CM(1)

マンションの区分所有者名簿、居住者名簿はお作りでしょうか?(続き) 

こんにちは、管理人のコンドーです。前回はマンションにおける管理組合員名簿および居住者名簿の必要性について述べました。続いて、今回はその名簿の取扱い方法についてまとめます。

マンション内で「名簿を作ろう」という話になっても、必ず議論されるのは『作った名簿を誰が保管して、誰が閲覧できるか』という問題と、『個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)上の問題はないのか』ということです。



1.『作った名簿を誰が保管して、誰が閲覧できるか』

多くの方が心配されている名簿の流出には、もちろん充分な注意が必要です。対策として、名簿の保管者を最低限に抑えることが挙げられます。例えば『管理組合員名簿(区分所有者名簿)』は理事長と管理会社のみが保管するというマンションも多いです。

一般論を述べると、管理組合員名簿の閲覧については区分所有法には規定がありません。一方で標準管理規約の第64条において 「理事長は、会計帳簿、什器備品台帳、組合員名簿及びその他の帳票類を作成して保管し、組合員又は利害関係人の理由を付した書面による請求があったときは、これらを閲覧させなければならない。この場合において、閲覧につき、相当の日時、場所等を指定することができる。」 とあります。ですので、基本的な考え方はこれによるのですが、マンションごとに別の規約を定めることももちろん可能です。

では一方の『居住者名簿』はどうでしょうか。管理組合員名簿と同様に、理事長と管理会社のみが保管する規定も可能です。しかしこの場合、居住者名簿を作成した目的であった『緊急災害時の対応』という面で、居住者皆さんの連絡先を把握しているのが、理事長と管理会社だけで緊急連絡が間に合うのか検討が必要です。

また『居住者名簿』の扱いについては、マンションが立地する地域性によると思います。私の印象では、ここ福島市でも20年前なら「マンションの同じフロアは全員知っている」という状況だったと思います。しかし最近のマンションでは「お隣や上下階に誰が住んでいるか、名字と顔は知っている」程度になったと思います。一方、首都圏では「お隣さんの顔も分からなくても結構」という方も多くいらっしゃるでしょう。

さらに『居住者名簿』の扱いはマンションの性格によっても異なります。郊外型のファミリー中心のマンションでは名簿の各戸配布の希望も比較的ありそうですが、単身向けの賃貸中心のマンションでは居住者名簿を必要とする意見は出ないでしょう。

以上から、どちらの名簿の取り扱いも、総会で皆さんの考えを集約するなどマンションそれぞれに決めるしかありません。名簿を作る目的を明確に示して賛同を得る、さらに管理方法を定めた上で情報を集める、というステップが大切です。



2.『個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)上の問題はないのか』

まず、この法律が規制対象とするものを明確にします。

個人情報の保護に関する法律 第二条 第3項 この法律において「個人情報取扱事業者」とは、個人情報データベース等を事業の用に供している者をいう。

とあり、法の対象を事業者としています。従って一般的にマンション管理組合は対象ではありません。マンション管理業の会社は事業者ですので対象です。続いて、

個人情報の保護に関する法律施行令 第二条 (個人情報取扱事業者から除外される者) 法第二条第三項第四号の政令で定める者は、その事業の用に供する個人情報データベース等を構成する個人情報によって識別される特定の個人の数の合計が過去六月以内のいずれの日においても五千を超えない者とする。

とあり、この条項から5,000件を超えないデータベースなら管理会社であっても対象外です。上記から、個人情報保護法の規制対象としては、
・管理組合のみで管理する名簿 → 個人情報保護法は適用されない。
・管理会社も管理する名簿 → 合計で5千件のデータベースなら法対象。
です。

実際に対象となった場合は、、、色々あるようですので首相官邸のサイトをご覧ください。
http://www.kantei.go.jp/jp/it/privacy/houseika/hourituan/030307houan.html



ここで、名簿の管理について法律上の対象から外れたからといって、何でもありとはいきません。対象外の場合であっても個人情報に対する配慮を要します。具体的には、名簿の運用細則を作成し、総会での承認を得るのが適当です。

名簿の運用細則の例は、いずれアップしたいと考えていますが、今日は簡単に記載事項だけ挙げます。

管理組合名簿の運用細則の記載事項
・名簿管理者(理事長・管理会社・各区分所有者に配布)
・閲覧(閲覧不可・区分所有者の求めに応じて)
・記載事項(現住所・議決権行使者の別・緊急連絡先)
・記載事項に変更があった場合の届出
・変更の届出が無い場合の扱い(区分所有法第35条第4項に準ずる、等)

居住者名簿の運用細則の記載事項
・名簿管理者(理事長・管理会社・居住者各戸配布)
・閲覧(閲覧不可・区分所有者の求めに応じて)
・記載事項(居住する人数・連絡先・緊急連絡先)
・記載事項に変更があった場合の届出
・変更の届出が無い場合の扱い(区分所有法第35条第4項に準ずる、等)



最後に、参照サイトのリンクを貼ります。

マンション管理サテライト 居住者名簿とプライバシー
http://sumai.nikkei.co.jp/mansion/kanri/serial_20030521p4000p4.html

マンション管理サテライト 管理組合の個人情報をどのように守るか?
http://sumai.nikkei.co.jp/mansion/kanri/serial_20050801p4000p4.html

マンション管理新時代 長計・報酬制・名簿を1年で整備、ソアール石神井公園
http://blog.nikkeibp.co.jp/mansion/archives/2006/09/1_11.html
(抜粋) 自らで管理をスタートさせたものの、管理組合は所有者全員の住所や名前すら把握していなかった。管理会社から「居住者名簿」を受け取れなかったからだ。プライバシーが理由だった。このままでは、運営は無理だ。

マンション管理新時代 知らなきゃ損するマンションミニ知識
http://blog.nikkeibp.co.jp/mansion/archives/2006/02/8_1.html

[ 2007/04/20 15:39 ] 理事会の運営 | TB(0) | CM(2)

マンションの区分所有者名簿、居住者名簿はお作りでしょうか? 

こんにちは。管理人のコンドーです。今回は2回に渡ってマンション内の名簿について考えます。前半は、そのマンション内の名簿に必要性があるかについてです。後半(2007/04/08現在タイプ中)は、名簿の取扱いについてです。



個人情報の保護に関する法律がもはや社会常識となり、安全やプライバシー保護が重視されています。マンション内の名簿を作成しようとしても、管理組合や居住者の皆さんには名簿の流出の不安から抵抗があるというお話をよく伺います。区分所有者の把握や防災の観点から名簿の必要性を訴えているマンションの理事長さんはご苦労なさっていると思います。

まず名簿の必要性についてですが、マンションで作られる名簿の目的は大きく分けて2種類あり、名簿を整備する目的が異なります。一つは『管理組合員名簿(区分所有者名簿)』であり、区分所有法に定められた事項を守るために必要なものです。もう一つは『居住者名簿』で、災害時の緊急連絡や日常の管理上必要なものです。

管理組合員名簿(区分所有者名簿)の必要性
 1.総会開催の通知をするため
第35条 集会の招集の通知は、会日より少なくとも1週間前に、会議の目的たる事項を示して、各区分所有者に発しなければならない。
とあります。さらに同35条3項、4項では、『区分所有者が管理者に対して通知を受けるべき場所を通知したときはその場所に、これを通知しなかつたときは区分所有者の所有する専有部分が所在する場所にあててすれば足りる。』『規約に特別の定めがあるときは、建物内の見やすい場所に掲示してすることができる。』とありますが、指定された通知先に送付できることがベストです。

 2.原告・被告となった時に通知をするため
第26条 規約により原告又は被告となつたときは、遅滞なく、区分所有者にその旨を通知しなければならない。
とあり、内容は1.と同様です。

 3.総会にて議決権行使者を特定するため
第40条 専有部分が数人の共有に属するときは、共有者は、議決権を行使すべき者1人を定めなければならない。
とありますが、共有者のどなたが議決権行使者かを前もって把握している管理組合は少ないのではないでしょうか。通常の和やかな総会では厳密な議決権行使者かの確認が求められることは稀だと思いますが、高額の改修工事や賛否の数が拮抗している議案では後々決議の有効性が問われることの無いように、議決権行使者を把握する必要があります。

居住者名簿の必要性
 1.災害時の緊急連絡のため
隣接住戸で火災があった場合などの連絡を区分所有者だけではなく、実際の居住者に対しても緊急に行う必要が有ります。

 2.日常の管理のため
消防設備の定期点検やバルコニーの改修などの日常の管理も、どなたが住んでいるか分からなくてはスケジュール調整もできず困ります。

 3.災害時にアシストが必要な方を把握するため
大地震や断水があった時に、お体の不自由な方などがお一人で住まれていてサポートを必要とする場合を想定しています。

上記から、私は管理組合員名簿および居住者名簿の両方が必要と考えます。



続いて(2007/04/08現在タイプ中)、作った名簿を誰が保管するのが適当か、個人情報保護法(個人情報の保護に関する法律)上の位置づけなど、名簿の取り扱いについて述べます。
[ 2007/04/08 18:09 ] 理事会の運営 | TB(0) | CM(0)