東北のマンション管理組合が情報交換するブログ。

福島県福島市在住のマンション管理士が書いてます。管理費の節約・修繕積立金の不足・理事会・リプレイス。マンションは快適ですが、未解決の問題も山積みです。文章が長くて申し訳ないです。

高齢者と住むマンション 

今日は少々ウェットな管理人のコンドーです。マンションという居住環境は、既に日本では一般的なものとなりました。老若男女、多種多様な方々が住むようになり、「マンションはニューファミリーが住むもの」という意識は過去のものとなりました。現在ではむしろ、郊外の一戸建てに住んでいたご年配の方が、利便性の高い都心に居を移す傾向があるという話もよく聞きます。

ここで考えたいのは、マンションの管理組合の運営について、高齢者に同じ負担を求めるのは酷ではないかという事です。管理組合の理事や役員を輪番で担当しているマンションは多いですが、これをご高齢の方にも強制するのは無理があると思うのです。

もちろん、若い方も高齢の方も管理組合員として同じ責務を負いますが、例に挙げると、築後25年目の「大規模修繕委員」などはとてもじゃないが高齢者は実効としてできない。しかし、その分を若い方々がすっかりサポートする、というのも素直に受け入れられない時代であることも承知しています。

解決策として、輪番の役員を有償で他の管理組合員に委託できるとすることや、外部のマンション管理士等に委託できる規約を整えるのはいかがでしょうか。そういった委託制度は、高齢者も若年層もわだかまり無く一緒に暮らせる基盤つくりとなるのではないかと考えました。



また、管理組合の運営という面以外でも、マンション生活におけるお年寄りの負担があるとの事です。 『超高層マンション、暮らしてみれば… http://condo.blog89.fc2.com/blog-entry-13.htm』 に筆者がお年寄りと一緒に暮らした実体験がありましたが、高層居住に不慣れなことによる体の不調や、外出が億劫になってしまう等の弊害もあるそうです。

家庭内のみならずマンション内でのコミュニケーションも必要であることから、管理組合の対応策としては区分所有者名簿や居住者名簿の作成、緊急連絡先の把握といったことも検討するべきかもしれません。

マンション内の競売物件を管理組合法人で競落すること 

稀に同じマンション内の住戸が裁判所の競売にかけられる、という状況に遭遇することがあります。実は私もマンションの住戸の競売に入札したことがあり、数万円差での次順位で競落できず、涙を呑んだ経験があります管理人のコンドーです。

そのマンションの住戸のように通常の応札がある物件であれば、区分所有者が替わるだけのことで何の問題も無いのですが、物件によってはいつまでも応札されないものもあります。管理費等の滞納が多額なために、買い受けたい人が現われない物件です。

住戸が競売になる場合に多く見られるケースですが、元の区分所有者が管理費や修繕積立金を長期で滞納していることがあります。一般的な住宅の競売では、市場価格や競売による割引のような諸々を勘案して最低入札価額が設定されていますが、マンションの場合はその価額から管理費の滞納分と修繕積立金の滞納分が差し引かれます。

というのも、元の区分所有者の債務は買受人である新しい区分所有者に「法律上当然に」承継されますので、新しい区分所有者が滞納分の管理費と修繕積立金を支払う必要があるからです。それでは、もしその競売のマンションが不動産価格に較べて滞納している管理費等が大きいとどうなるか考えてみます。

これは同じマンションの管理組合の皆さんにとっても由々しき問題です。マンションの住戸の新しい所有者が決まらないことには、今までの管理費等の滞納分ばかりか、今後の収入も見込めないのです。そんなことになっては管理組合の運営に大きな打撃です。今回はそんな応札されないマンション住戸の競売物件について解決策を考えました。


<例>
 ・マンションの住戸の市場価値 : 500万円 ここから差し引く費用として、
 ・管理費等の滞納金 : ▲180万円 (管理費1万円+修繕費2万円x12ヶ月x5年)
 ・マンションのリフォーム費用 : ▲50万円
 ・不動産取得税その他 : ▲30万円

首都圏の方は信じられないかもしれませんが、福島市ではこの価格帯の物件は築20年以上なら実際に存在します。細かく詰めれば滞納金の遅延損害金なども生じますし、リフォーム費用は市場価値の増大に繋がる事もありますが、その辺の検討は省きました。

この程度では物件の残存価値はまだ240万円有り、競売であったら応札が見込めます。しかし、ここに大規模修繕工事の一時負担金が加わる場合はどうなるでしょうか。もしも修繕一時金が240万円以上であったら、この物件の残存価値がマイナスになり買い手が現われない状況に陥ります。

競売に買い手が現われない問題点は前述した今後の収入が見込めないことに加えて、管理費等の消滅時効が5年(判例)であることから、これまでの滞納分が未収に終わってしまうことも挙げられます。従って、私はマンション内の競売不落問題は管理組合にも無関係ではないという立場です。

それではどうしたら良いかについて考えました。競売物件をマンションの管理組合で競落(もしくは特別売却の買受)してはどうでしょうか。そして、その住戸を賃貸に出し収益を得るのです。マンション管理組合は賃貸物件のオーナーとして目が行き届く立場なので最適だと思います。廊下の電球切れや清掃といった法定共用部分の管理は、ご自身達にとっても共通の関心でもあるからです。

もちろんそこには不動産を所有するために管理組合を管理組合法人にすることや、税務等のハードルもあります。一方で、管理組合は通常のマンションの管理運営の一部にその住戸の管理を含められることが強みですし、管理費等の滞納分を賃貸の収益事業で積極的に回収できます。



駐車場がマンション内で借り手が無い場合に、余剰の駐車場を管理組合がマンション外に貸し出すことは一般的に有ります。今回の住戸の賃貸事業はその発展型です。

さらに、このマンション管理法人での住戸の賃貸事業は応用が効きそうです。例を挙げると、マンションが遺産相続によって代替わりする時や、転勤による仕事場の関係でマンションの住戸を売却する時に管理組合法人で買い受けることも想定できます。

管理組合法人での積極事業というのは面白いと思うのですがいかがでしょうか。

地方都市でのマンションの選び方の一考 

こんにちは。管理人のコンドーです。今日はマンションを購入する時に、巷であまり言われていないポイントをご紹介いたします。特に地方都市では参考いただけるんじゃないかと思います。また、建替えが近づいているような中古マンションにも当てはまると思います。

まず、地方のマンションの背景です。例えば仙台市を除いた東北地方ですが、市街地の周囲には土地が余っています。私の住む福島は最近もマンションがたくさん建っていますが、一方では市街化区域内でも郊外ではなんぼでも土地が余っています。正直なところ、ここと同じお金で戸建てが買えるんだから郊外の戸建てでもいいんじゃないですか?と思わなくもないマンションの物件もあります。

ところで近年の経済状況を見ると、首都圏を始めとした三大都市圏は地価が上昇に転じ、マンション用地の需要増加が顕著です。一方、地方では地価はまだ下落続行中です。それでも首都圏のマンション開発は敷地が枯渇してきた感もあるのか、ディベロッパーの開発の熱い視線が地方にも向けられています。

私の住む福島県内でも幾つものディベロッパーが毎年数棟のマンションを新築・分譲しています。正直なところ、こんなに需要があるのかなという気もしますが、中心市街地に近い物件では高額なものから売れているという情報もあります。しかし、さすがに竣工前から全戸完売というマンションはあまり無いようで、完成後には完成前の値引きより多く値引かれて分譲されています。余談になりますが、地方都市では住みたい階数の希望があるとか角部屋がいいとかの希望が特別無い場合は、完成を待ってから大きく値引き交渉されるのがお得かもしれませんね。

さて本題ですが地方都市のマンションの選ぶポイントです。古めの中古マンションにも当てはまるので、建替えを含めた長い目で見た資産価値のポイントという事になるかもしれません。
マンションの資産価値というと一番は立地(地価)が大きなファクターですが、『地方都市の地価が今後上昇に転じるか』についてはかなり主観が入ってしまうので判断は控えます。ですので地価は大きく変動しないという前提で、地方都市でマンションを購入する場合に私ならこの辺をチェックする、というお話しをしたいと思います。

それは敷地が建替えにアドバンテージがあるかです。
 ・用途地域は何か?(都市計画法)
 ・その他の地域・地区の指定があるか。(都市計画法・建築基準法)
それを主に上記の二点からそれでは各項目を紐解いていきます。
用途地域は何か?(都市計画法)
  商業地域・近隣商業地域
用途地域というのは、敷地に建てられる建物の用途を制限するものですが、この「商業地域・近隣商業地域」という商業系の用途地域は競争力のある用途地域です。一般的に商業地域は建蔽率・容積率が用途地域の中では最強です。商業地域の建蔽率は一般に80%で、容積率は200〜1,300%までの数値が定められています。これはどういうことかというと、例えば2,000m2の敷地があってそこにマンション1棟を建てようとする時は、建築面積(大雑把に屋根の面積)が敷地の建蔽率の80%の1,600m2と結構ぎっしり建てられるということです。下のほうの階を屋根付き駐車場にして、上階に住戸を持ってこようとかの計画もしやすいです。さらに容積率が800%の土地だとすると、敷地の800%の16,000m2まで延床面積(大雑把に住戸の面積)を計画できます。すると先ほどの建築面積が1,600m2でしたので10階建てが建てられるようだ、となるわけです。これが容積率が400%だと5階建ての8,000m2までしか建てられない、となります。 ちなみに近隣商業地域は建蔽率は60〜80%で、容積率は100〜500%です。具体的に福島市では商業地域の容積率は400〜700%、近隣商業地域の容積率は200〜400%の範囲で場所ごとに定められています。

  第一種中高層住居専用地域・第二種中高層住居専用地域・
  第一種住居地域・第二種住居地域・準住居地域
これらはマンションの敷地として一般的な用途地域です。上記の商業地域なんては、商業の利便を増進するための地域ですから、大雑把に言うと工場みたいなのはダメだけど風営法の対象のキャバレーみたいなのでもOKですよっていう地域です。しかし、そういう地域は都市の健全な発展と秩序ある整備を図る都市計画上は制限されてしまうので、駅周辺や繁華街や主要道路沿いに定められていて、市街化区域全体に占める面積の割合としては少ない用途地域です。一方で、この住居系と言われる用途地域は、良好な住居の環境を保護しましょうっていう地域ですので、繁華街のど真ん中とかには定められません。これら(一中高・二中高・一住・二住・準住居)は建蔽率が30〜80%、容積率は100〜500%までの数値が定められています。

ですので商業地域ほどの大規模・高層な建替えは計画できません。建替えを視野に入れた土地の価値としては、商業地域ほどの競争力はないです。しかし、マンションに一般的な用途地域なので、住環境としては優れています。長所短所を差し引いてどうかと申しますと、地方都市の市街地の喧騒なんてたかが知れていますので、私はあくまで建替えだけの面ではデメリットの方が大きいと思います。
なお、市街地の発達に伴って用途地域が変更される可能性はあります。田んぼに国道のバイパスが通ったとかで、沿線の住居系だった用途地域が商業地域になるなんて事も珍しくないです。
その他の地域・地区の指定があるか。(都市計画法・建築基準法)
これは、壁面線の制限があるとか、厳しい地区計画があるかです。商業地域で(後述の)建蔽率が100%なのに、地区計画で壁面線の後退の指定が敷地境界から4mなんていう地区では、実際は建蔽率は使いきれません。
防火地域内かも大事です。防火地域内では、耐火建築物を建てる場合は建蔽率が10%割増しというか緩和されます。さらに街区の角地だったりするとさらに10%の建蔽率の割増しがあったり、合計で敷地の100%(敷地ぎりぎりいっぱい)まで建物を建てられるケースもあります。その角地の緩和には、自治体(特定行政庁)ごとに基準があり、福島市では道路の幅が6m以上であるといったの条件があります
また、建物の設計によっては地区計画などで容積率の割増が受けられる地区もあります。

この辺りが注目したいところです。もうお分かりのことと思いますが、この建蔽率・容積率の上限が大きい程、敷地に建てられるマンションも大規模なものが可能だからです。それはつまり、建替え時に等価交換方式などを選択した時に、分譲できる住戸が増える=元からの所有者の負担が少なくて済む、というメリットがあります。マンションに建替えないとしても、商業地域のような高度利用が可能な 敷地は魅力が高いです。

建蔽率の上限が大きいと、建替え時に建築面積の大きい建物が計画できるだけでなく、横方向への増築も可能です。エレベーターが足りなかった5階建てのマンションにエレベーターを増設するとか、あまり考えにくいですが住戸を増築するとかも可能です。
01
↑現在の建蔽率が40%で上限が60%だと、、、

同様に容積率の上限が大きいと、建替え時に延床面積の大きい建物が計画できます。商業地域の敷地で容積率の上限が400%に対して、今は200%で5階建てしか使ってない場合は、倍の10階建ての規模まで建築が可能です。
02
↑現在の容積率が200%で上限が400%だと、、、

蛇足ですがその他の点では、よっぽど市街地であれば、隣地に同じ頃に建てられたマンションがあるのも良いかもしれません。同じ時期に建替えを迎えるでしょうから、隣地のマンションの敷地と一体化させて再開発するのも見込めると思います。

新築のマンションを買う時ばかりではなく、思い切って建替えが見込まれるような古い中古を買おうという時に、この辺りも検討されてはいかがでしょうか?